▽プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なければ戦闘継続<ロイター日本語版>2025年11月28日午前 2:47 GMT+9

米ウ協議の和平案、合意の基礎も ウ軍撤退なければ戦闘継続=プーチン氏

[ビシュケク 27日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は27日、米国とウクライナが協議した和平案の概要は紛争終結に向けた基盤となる可能性があるとしつつも、そうでなければロシアは戦闘を続けると言明した。

米国は先週、28項目のウクライナ和平案を公表。関係筋によると、同案はロシアが作成した文書を基にしていたという。その後、米国とウクライナ高官らはジュネーブで行った協議で、当初案の28項目のうち9項目を削除するなど、修正を加えた。

プーチン大統領は、和平案が「総じて、将来の合意の基礎になり得ることに同意する」と述べた。修正された和平案を受け取ったと明らかにした上で「米国がロシアの立場を考慮していると理解している」としつつも、なお議論を必要とする点があると強調した。

また、ロシアが攻撃をしないという誓約を欧州が望めば、ロシアにはそうする用意があるが、ロシアが欧州を攻撃するという主張は「全くのナンセンス」と述べた。

ロシアは戦闘を停止すべきと告げられているものの、「ウクライナ軍は支配地域から撤退しなければならない。そうすれば戦闘は終結する。撤退しなければ、われわれは武力行使によってそれを達成するだけだ」と警告した。ロシア軍がウクライナへの進撃を加速させているとも述べた。

プーチン氏は「最終的にウクライナとの合意に達したいと思っている」としながらも、ウクライナ指導部は「非合法」との見方を改めて示し、協定への署名は「現時点では事実上、法的に不可能だ」と主張した。

米政権のウィットコフ中東担当特使が来週初めにモスクワを訪問する予定とした上で、ウィットコフ氏とロシアのウシャコフ大統領補佐官による電話協議の通話記録が漏えいしたことに触れ、和平交渉でウィットコフ氏がロシア寄りとする見方を「ばかげている」として退けた。

▽ゼレンスキー氏、平和と引き換えに領土放棄せず─側近=米誌<ロイター日本語版>2025年11月28日午前 6:24 GMT+9

ゼレンスキー氏、平和と引き換えに領土放棄せず─側近=米誌

[27日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は、平和と引き換えにロシアに領土を引き渡す考えはないもよう。ウクライナのイェルマーク大統領府長官が米誌アトランティックとのインタビューで語った。

イェルマークは27日に報じられたインタビューで「ゼレンスキー氏が大統領である限り、ウクライナが領土を放棄するとは誰も予期すべきではない。ゼレンスキー大統領は領土を割譲する署名はしないだろう」と語った。

▽米ウ代表団、今週会合 和平の枠組み取りまとめ=ゼレンスキー氏<ロイター日本語版>2025年11月28日午前 4:48 GMT+9

米ウ代表団、今週会合 和平の枠組み取りまとめ=ゼレンスキー氏

[27日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、ウクライナと米国の代表団が今週会合を開き、ジュネーブで協議した和平の枠組みに関する方策をまとめる見通しと述べた。

ゼレンスキー大統領は恒例の夜間のビデオ演説で「ウクライナのチームは米代表者と今週末に会合し、ジュネーブでの協議で得られた結果を、ウクライナの和平と安全の『保障』に導く形で、さらに近づけていく」と述べた。

▽ウクライナ、和平合意後も軍隊と安全保障の「保証」必要=独首相<ロイター日本語版>2025年11月28日午前 1:56 GMT+9

ウクライナ、和平合意後も軍隊と安全保障の「保証」必要=独首相

[ベルリン 27日 ロイター] – ドイツのメルツ首相は27日、ウクライナはロシアとの和平合意成立後も強力な軍隊と安全保障の「保証」を必要とするとの考えを示した。またウクライナは、領土の譲歩を強いられるべきではないと述べた。

メルツ首相はエストニア首相との記者会見で「ウクライナは強力な軍隊を必要としており、和平合意が成立したとしても、引き続き強力な軍隊とパートナー諸国からの信頼できる安全保障上の保証を必要とする」と語った。

最も重要な保証は十分に装備されたウクライナ軍であるとし、「われわれはウクライナ軍の将来的な目標規模についても議論している」と述べた。国際部隊の派遣について議論するのは時期尚早との認識も示した。

▽米特使がロに助言、和平案巡るトランプ氏対応で 通話記録漏えい<ロイター日本語版>2025年11月27日午前 3:53 GMT+9

米ロ高官のウ和平案協議の内容漏えいか、ロシア「交渉妨害」と反発

[モスクワ 26日 ロイター] – 米政権のウィットコフ中東担当特使がロシアのウシャコフ大統領補佐官に、ウクライナ和平案をトランプ大統領にどのように提唱すべきか助言していたことを示す通話記録が漏えいしたことを受け、ロシアは26日、和平交渉を妨害する容認できない試みで、ハイブリッド戦争に相当すると反発した。

ブルームバーグは25日、ウィットコフ特使とウシャコフ補佐官が10月14日に行った電話協議の記録を報じた。ブルームバーグは記録を検証したとしているが、どのように入手したかは不明。

ウシャコフ氏はロシアのメディアに対し、協議の内容は公表を意図したものではないとし、漏えいは明らかに米ロ間協議を妨害することを狙ったもので、「受け入れられない」と述べた。

会話の一部は暗号化された政府のチャンネルを通じて行われており、当事者の一方による故意の行為がない限り、傍受や漏えいが起こることはまれという認識を示した。

一方、トランプ大統領は、ウィットコフ氏がロシア当局者を指導しているようにみえるのはなぜかという記者からの質問に対し、「交渉のプロがやること」とし、「非常に標準的な交渉方法だ」と一蹴した。

ロシア政府系ファンドの責任者で国際経済投資協力を担当するキリル・ドミトリエフ特使は、ブルームバーグの報道は「偽物」とコメントした。

ロシアのリャブコフ外務次官は、メディアの一部が、欧州諸国による米ロ関係の弱体化を狙ったロシアに対するハイブリッド情報戦争に利用されているという見方を示した。

また、ウィットコフ氏ら米政府高官らが来週、ウクライナ和平案の協議のためにモスクワを訪問する見通しの中、ロシアは和平案を巡り大きな譲歩はしない考えを表明した。

▽アングル:ウクライナ和平案に与党内で厳しい声、トランプ氏の求心力に陰り<ロイター日本語版>2025年11月27日午後 6:29 GMT+9

Patricia Zengerle

アングル:ウクライナ和平案に与党内で厳しい声、トランプ氏の求心力に陰り

[ワシントン 26日 ロイター] – トランプ米大統領がウクライナに提示した和平案について、与党共和党議員から厳しい批判が相次いでいる。今月初めのニューヨーク市長選や2つの州知事選における野党民主党の勝利や、性犯罪で起訴された後に自殺した富豪エプスタイン氏の関連資料開示を巡る問題などとともに、トランプ氏の指導力に陰りが出てきた兆しとの見方もある。

上院軍事委員会のウィッカー委員長は声明で「このいわゆる『和平案』はさまざまな現実的問題をはらんでおり、和平が達成できるかどうか私は極めて疑わしく思っている」と述べた。

和平案への懸念は、25日のブルームバーグによる報道で一層高まった。報道によると、米国のウィットコフ和平交渉担当特使はロシアのウシャコフ大統領補佐官との10月14日の電話会談で、米ロ双方が協力して和平案を策定すべきと発言したとされる。

ドン・ベーコン下院議員はXへの投稿で「ロシアの侵略に反対し、主権を有する民主国家のウクライナが勝利するのを望む人々にとって、ウィットコフ氏が全面的にロシア贔屓(ひいき)なのは明らかだ。彼は交渉主導役として信頼できない。ロシアに金で雇われたエージェントの行動でさえもっと控えめではないだろうか。解任が必要だ」と訴えた。

ブライアン・パトリック下院議員も、米国の方針転換を要望し、ウィットコフ氏の通話記録を「大問題」だと非難した。

前院内総務のミッチ・マコネル上院議員は、トランプ氏は新たな助言者を見つける必要があるのではないかと提言するとともに「ロシアの残虐行為に報償を与えることは米国の利益にとって破滅的だ」と強調した。

一方バンス副大統領は、マコネル氏はこの和平計画に「ばかげた攻撃」を行っていると反論。トランプ氏の息子のジュニア氏もソーシャルメディアでマコネル氏は「ただ不満を抱いて父に八つ当たりしているだけだ」と述べた。

しかし与党内からのトランプ氏に対する批判は、同氏にとってより厄介な事態につながる恐れがある、と複数の専門家は分析する。

ブルッキングス研究所でガバナンスを研究しているスコット・アンダーソン氏は「トランプ氏は9-10カ月前よりもずっと政治的に脆弱な立場に置かれているとうかがえる」と指摘した。

来年の議会中間選挙に向けて、民主党との激戦が見込まれ、無党派層の取り込みを迫られている多くの共和党議員にとっては世論も無視できない。各種世論調査では、ロシアとウクライナの戦争に関して米国民の大半はウクライナを応援し、ロシアを侵略者とみなしている。

トランプ氏批判派の中には、ベーコン氏やマコネル氏ら再選を目指さない議員も含まれる。

ただアンダーソン氏によると、彼らは公的な場ではそうした批判ができない他の議員の声を代弁しているのだという。