Anup Roy、Shruti Srivastava

  • 7-9月GDP、市場予想全てを上回る-予想中央値は7.4%増
  • 勢いが持続するか多くのエコノミストは懐疑的-50%関税で

インドの7-9月(第3四半期)経済成長率は6四半期ぶりの高水準となった。トランプ米大統領による大幅な関税措置で見通しが曇る中でも底堅さを示した。

  統計省が28日発表した7-9月の国内総生産(GDP)は前年同期比8.2%増加。ブルームバーグが調査したエコノミスト予想を全て上回った。予想中央値は7.4%増。4-6月(第2四半期)は7.8%増だった。

  同国のモディ首相はGDPの数字について「非常に励みになる」とX(旧ツイッター)に投稿。政府の「成長促進政策と改革」の成果を反映していると評価した。

  インドの5年物国債利回りはこの日、一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し6.24%となった。今回の強いデータを受けて、市場では来週の金融政策決定会合での利下げ観測が後退した。

  野村ホールディングスのソナル・バルマ氏らエコノミストは当初、インド準備銀行(中央銀行)が12月5日に利下げに踏み切ると予想していた。しかし、バルマ氏は現在「難しい判断」になるかもしれないとし、「高成長と低インフレが同居するインドのゴルディロックス的なマクロ環境は他に例がない」と述べた。

  今回の力強いデータを受け、年間成長率は従来の6.3-6.8%から7%に上方修正された。インドの首席経済顧問であるV・アナンサ・ナゲスワラン氏がニューデリーで記者団に明らかにした。

  モディ首相にとっては大きな追い風となるが、米国との通商合意を巡る不透明感が続く中で、この勢いが維持されるかについては多くのエコノミストが懐疑的だ。50%の関税率に直面するインドは、米国と通商協定をまだ締結していない数少ない主要国の一つ。

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原題:India’s Growth Fastest in Six Quarters Despite US Tariffs (1)(抜粋)