▽外国人の不動産所有状況を一元管理、登記・国籍を登録…27年度にも運用へ政府調整<読売新聞オンライン>2025/12/01 05:00

高市首相(11月25日、首相官邸で)=西孝高撮影
外国人の不動産所有に関するデータベースのイメージ

 政府は、外国人による不動産所有状況を一元的に把握、管理するデータベースを構築する方向で調整に入った。国籍を届け出る仕組みがないマンションの不動産登記などでは、国籍登録制度の導入を進める。不動産取得の実態を透明化した上で、外国人による土地取得の規制のあり方について検討を進める構えだ。

高市首相(11月25日、首相官邸で)=西孝高撮影

 複数の政府関係者が明らかにした。高市首相が11月4日に、外国人による土地取得のあり方や実態把握を含めた検討を関係閣僚に指示していた。

 データベースには、デジタル庁が整備している「不動産ベース・レジストリ」を活用する。内閣官房や法務省など関係省庁で検討を進め、2027年度にも運用を開始したい考えだ。

外国人の不動産所有に関するデータベースのイメージ

 データベースの登録対象は、マンションなどの不動産登記のほか、森林、農地、国土利用計画法に基づく大規模土地取引、国境離島や防衛関係施設の周辺など重要土地等調査・規制法に定める重要土地などを想定している。

 現在、農地では取得者の国籍を登録する必要がある一方、マンションなどの不動産登記では必要なく、不動産の種類によって仕組みが異なる。政府は今回のデータベース化を機に、届け出条件の統一化を図る方針だ。

 外国資金を使い、国内に拠点を置く法人を通じて不動産を取得した場合でも、購入の実態を把握できるようにする。森林や大規模・重要土地の取引では、法人の主な株主や役員の国籍の届け出を求める方向だ。

 国外に居住する外国人の不動産取得についても、現在は外為法上、投資目的などの場合に届け出義務が限定されているが、対象を拡大する見通しだ。

 保有実態の透明化を図る背景には、国民の間で「外国人が日本の土地を買い占めている」「水源地を買収され地下水が採取されている」といった不安の声が出ていることがある。外国人の投機目的での購入が、マンション価格の高騰につながっているとの指摘もある。

 国籍などを登録、把握する仕組みが整えば、日本人と外国人で不動産関連の税率に差をつけることや、取得自体を規制するための条件整備につながる。政府は来年1月をメドに策定する外国人政策の基本方針で、規制の方向性を取りまとめる予定だ。

▽自民党の資金力に打撃、パーティー収入落ち込み…岸田氏1・3億円→588万円で95%減

2025/11/29 09:50

#政治資金問題保存して後で読む

政治資金パーティー収入が落ち込んだ主な自民党議員
自民党本部

 28日に公表された2024年の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)では、自民党派閥の政治資金問題を受け、同党議員の政治資金パーティー収入が大きく減ったことが明らかになった。国会では同党議員が大きな収入源としている企業・団体献金の規制強化の議論も行われており、行方次第ではさらに資金力が弱まる可能性がある。

開催自粛

 24年の政治資金パーティーによる収入総額は全体で46億2400万円となり、前年から46・7%減だった。23年秋に政治資金問題が発覚し、与野党を問わずパーティーの開催自粛が相次いだためだ。国会議員全体の開催件数は23年の352件から24年は270件に減少し、新型コロナウイルス禍だった21年の278件を下回った。政治資金パーティー収入が落ち込んだ主な自民党議員

 パーティー収入上位の多くを占める自民議員にとって、パーティー収入の減少は資金面で大きな打撃となった。岸田文雄・元首相の資金管理団体を見ると、24年のパーティー収入は前年の20分の1以下となる588万円に落ち込んだ。23年は1億3160万円を集めていた。

 収入上位に名を連ねる遠藤利明・元五輪相も、23年の9083万円から7292万円に減った。政治資金問題で24年4月に党員資格停止1年となった西村康稔・元経済産業相は4323万円から801万円に減少した。

 24年6月に成立した改正政治資金規正法では、パーティー券の購入者が公開される基準額が「20万円超」から「5万円超」に引き下げられた。1回のパーティーで5万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体は、収支報告書に「氏名・団体名」「住所」「金額」が記載される。

 公開基準額の引き下げは27年1月に施行されるが、自民中堅は「支援者には名前を出したくない人もいる。売り上げの落ち込みは避けられない」と肩を落とす。自民党本部

献金も陰り

 自民が強みとしてきた企業・団体献金も陰りが見え始めた。自民の政治資金団体「国民政治協会」に対する24年の企業・団体献金は、前年比1・3%減の23億6908万円で、2年連続の減少となった。

 企業・団体献金は自民にとって収入の約1割を占める貴重な収入源だが、立憲民主党や与党入りした日本維新の会は禁止を主張している。

 自民と維新の連立合意書では、高市首相の自民総裁任期が終わる27年9月までに結論を得るとしているが、存続を求める自民の思惑通りに協議が進むかどうかは見通せない状況だ。自民の閣僚経験者は「企業・団体献金まで禁止されれば、秘書も雇えず、政治活動に深刻な影響が出る」と危機感を募らせている。

▽自民党の資金力に打撃、パーティー収入落ち込み…岸田氏1・3億円→588万円で95%減<読売新聞オンライン>2025/11/29 09:50

政治資金パーティー収入が落ち込んだ主な自民党議員
自民党本部

 28日に公表された2024年の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)では、自民党派閥の政治資金問題を受け、同党議員の政治資金パーティー収入が大きく減ったことが明らかになった。国会では同党議員が大きな収入源としている企業・団体献金の規制強化の議論も行われており、行方次第ではさらに資金力が弱まる可能性がある。

開催自粛

 24年の政治資金パーティーによる収入総額は全体で46億2400万円となり、前年から46・7%減だった。23年秋に政治資金問題が発覚し、与野党を問わずパーティーの開催自粛が相次いだためだ。国会議員全体の開催件数は23年の352件から24年は270件に減少し、新型コロナウイルス禍だった21年の278件を下回った。

政治資金パーティー収入が落ち込んだ主な自民党議員

 パーティー収入上位の多くを占める自民議員にとって、パーティー収入の減少は資金面で大きな打撃となった。岸田文雄・元首相の資金管理団体を見ると、24年のパーティー収入は前年の20分の1以下となる588万円に落ち込んだ。23年は1億3160万円を集めていた。

 収入上位に名を連ねる遠藤利明・元五輪相も、23年の9083万円から7292万円に減った。政治資金問題で24年4月に党員資格停止1年となった西村康稔・元経済産業相は4323万円から801万円に減少した。

 24年6月に成立した改正政治資金規正法では、パーティー券の購入者が公開される基準額が「20万円超」から「5万円超」に引き下げられた。1回のパーティーで5万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体は、収支報告書に「氏名・団体名」「住所」「金額」が記載される。

 公開基準額の引き下げは27年1月に施行されるが、自民中堅は「支援者には名前を出したくない人もいる。売り上げの落ち込みは避けられない」と肩を落とす。

献金も陰り

 自民が強みとしてきた企業・団体献金も陰りが見え始めた。自民の政治資金団体「国民政治協会」に対する24年の企業・団体献金は、前年比1・3%減の23億6908万円で、2年連続の減少となった。

 企業・団体献金は自民にとって収入の約1割を占める貴重な収入源だが、立憲民主党や与党入りした日本維新の会は禁止を主張している。

 自民と維新の連立合意書では、高市首相の自民総裁任期が終わる27年9月までに結論を得るとしているが、存続を求める自民の思惑通りに協議が進むかどうかは見通せない状況だ。自民の閣僚経験者は「企業・団体献金まで禁止されれば、秘書も雇えず、政治活動に深刻な影響が出る」と危機感を募らせている。