▽ロ軍、ドネツク州要衝制圧か プーチン氏「任務遂行に重要」<ロイター日本語版>2025年12月2日午前 6:56 GMT+9

[1日 ロイター] – ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は1日、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長らが11月30日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクや北東部ハルキウ州のボウチャンスクを制圧したとプーチン大統領に報告したと明らかにした。
ロシアの通信社によると、プーチン大統領は軍司令部で報告を受けた際、ポクロウシク制圧の「重要性」を強調し、ウクライナに対する「特別軍事作戦の開始時に設定した任務」の遂行を確実にするだろうと述べた。
ウクライナ軍は1日、ポクロウシク周辺地域でロシア軍による攻撃が43件あったと報告しているが、ロシア軍がポクロウシクとボウチャンスクを制圧したと認めていない。
ペスコフ報道官によると、ゲラシモフ参謀総長はプーチン大統領にポクロウシクとボウチャンスクの制圧のほか、他の戦線での攻勢の成果を報告。別のロシア軍司令官は、ロシア軍がザポリージャ州南部でも進撃していると伝えた。
プーチン大統領は、ウクライナがロシア軍の進撃に対応できていないと述べ、とりわけザポリージャ州での進軍評価したという。
▽ウクライナ、和平案巡り欧州と協議 ゼレンスキー氏が訪仏<ロイター日本語版>2025年12月2日午前 5:42 GMT+9
Anna Pruchnicka, Olena Harmash, Dominique Vidalon

[パリ/キーウ 1日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、訪問先のパリでフランスのマクロン大統領と会談した。両首脳は欧州連合(EU)のほか英独伊ポーランドなどの首脳との電話協議も実施。米国主導のウクライナ和平案を巡る協議が進められる中、欧州首脳はウクライナに対する支持を改めて表明した。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談後の共同記者会見で、和平協議でウクライナは主権の維持と強固な「安全の保証」の確保を優先事項に掲げているとし、協議されている事項の中で領土問題を巡る交渉が最も困難になっていると指摘。ロシアが始めた戦争でロシアが報われることがないよう欧州の同盟国に改めて呼びかけた。
ウクライナ和平案を巡っては、トランプ米大統領のウィットコフ特使がロシアを訪問し、2日にモスクワでプーチン大統領と会談する。ゼレンスキー氏は、ウィットコフ氏のロシア訪問後にトランプ大統領と会談することを望むと語った。
マクロン氏は、ロシアとの和平交渉で領土問題について決定できるのはウクライナだけだと改めて強調。ロシアが戦争を終結させる兆しは出ていないとした上で、ウクライナの安全の保証を巡るこ交渉に欧州も参加する必要があるとの考えを示し、向こう数日間に米国と一段の協議が行われるとの見方を示した。
仏大統領府によると、マクロン氏はゼレンスキー氏との会談後にトランプ大統領と電話会談を行い、「強固で持続的」なウクライナ和平実現の条件などについて協議した。マクロン氏はウクライナに「安全の保証」を提供することの重要性を改めて強調したという。
マクロン氏は欧州で凍結されているロシア資産について、EU主導でウクライナ支援に活用する方法が模索されているとし、クリスマス前に開かれる次回の欧州理事会での最終決定を目指しEUの執行機関である欧州委員会が向こう数日以内に何らかの決定を発表すると述べた。
他の欧州首脳と共にゼレンスキー大統領との協議に参加したイタリアのメローニ首相は、ウクライナでどのように和平を実現させるか、欧州と米国が合意することが重要になるとの考えを示した。
仏大統領府によると、マクロン氏とゼレンスキー氏は米国のウィットコフ中東担当特使のほか、ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記とも協議を行った。米国とウクライナは11月30日、ウクライナとロシアの和平案を巡り米南部フロリダ州で協議を実施。協議には米国からルビオ国務長官のほかウィットコフ特使らが参加した。ウクライナ代表団はウメロフ氏が率いた。
