▽トランプ大統領、米特使とプーチン氏の協議「かなり良かった」と評価<bloomberg日本語版>2025年12月4日 at 9:20 JST

  • トランプ氏、満足感示す一方で結果は不透明と認める
  • ウィトコフ氏はプーチン氏が終戦望む印象受けたとトランプ氏

Skylar WoodhouseKate Sullivan

トランプ米大統領は、ウィトコフ米特使とロシアのプーチン大統領の2日のウクライナ和平協議について、「かなり良かった」と述べる一方、協議を重ねているものの、最終的にどうなるかは分からないと認めた。

  トランプ氏は3日、ホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し「その協議から何が生まれるのか、私には予想がつかない。タンゴは2人で踊るものだ」としながらも、「かなりうまく話がまとまりつつあると思う。非常に満足している」と語った。

  トランプ氏は停戦を推し進めようとしているが、28項目の米和平案を巡る最近の協議は結論に至っていない。ロシア大統領府は2日、プーチン氏がウィトコフ氏とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏と「非常に有意義」な協議を行ったと発表したが、合意には至らなかった。

関連記事:プーチン氏、米特使と和平案協議-ロ大統領府「有意義」も合意至らず

Steve Witkoff and Jared Kushner meet Vladimir Putin in Moscow, in this photo supplied by Russian state media, on Dec. 2.
モスクワのクレムリンで行われたロシアと米国の和平協議(12月2日)写真家:アレクサンダー・カザコフ/プール/AFP/ゲッティイメージズ

  こうした動きに先立ち、ウィトコフ氏はロシア側の仲介者と28項目案について協議していた。同案にはウクライナと欧州の同盟国が反発し、米国とウクライナは内容を絞り込んだが、最新版は公表されていない。さらにルビオ米国務長官は先週末、フロリダ州でウクライナ当局者と和平合意の枠組みを巡り協議した。

  ホワイトハウス当局者によると、ウィトコフ氏とクシュナー氏は4日にマイアミでウクライナ側の上級交渉担当者と会い、協議を続ける予定。

  トランプ氏は3日、記者団に対し、ウィトコフ氏とクシュナー氏はプーチン氏が戦争終結を望んでいるとの印象を持ったと述べた。しかし欧州当局者や多くの専門家は、プーチン氏がウクライナで前進を続けており、停戦する理由がないと指摘する。

原題:Trump Calls Witkoff’s Meeting With Putin ‘Reasonably Good’ (1)(抜粋)

▽EU、ウクライナ支援で2案提示 ロ凍結資産活用もしくは市場調達<ロイター日本語版>2025年12月4日午前 4:53 GMT+9

Julia PayneLili BayerAndrew GrayCharlotte Van CampenhoutYuliia Dysa

EU、ウクライナ支援で2案提示 ロ凍結資産活用もしくは市場調達

[ブリュッセル/キーウ 3日 ロイター] – 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は3日、今後2年間でウクライナに900億ユーロ(1050億ドル)の支援を実行するための方策として、ロシアの凍結資産の活用もしくは市場からの資金調達という2つの選択肢をEU加盟国に提示した。

欧州委は、ロシアのウクライナ侵攻により欧州で凍結されたロシア資産を裏付けとした融資を支持する意向を明らかにしている。一方、資産の大半が保管される国際決済機関ユーロクリアを抱えるベルギーは、ロシアから返還を求められた場合の負担を巡る問題が解決されていないとして懸念を表明している。

フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で「ロシアに通じるのは圧力だけだ」とし、「プーチン大統領による侵攻のコストを増やさなければならず、今回の提案がその手段となる」と説明した。ベルギーの懸念についても、ほぼ全てを考慮したと述べた。

ただ、ベルギー政府当局者はロイターに対し「ベルギーが単独でリスクを負うことは受け入れられない」とし、ベルギー政府はフォンデアライエン氏が示した見解は共有していないと述べた。

ロシアは凍結資産の使用は窃盗行為にあたると警告しているが、欧州委は資金が融資のため没収には当たらないと説明している。ただ、ウクライナが返済義務を負うのは、ロシアが賠償金を支払った場合に限られる。

米主導の28項目のウクライナを巡る和平案では、凍結資産の一部を米ロの共同投資に活用することが提案され、凍結資産の活用の仕組みが複雑になったものの、フォンデアライエン氏はベセント米財務長官に説明し、「好意的に受け止められた」という。

EU加盟27カ国のうち15カ国が賛成し、EU全体の人口の少なくとも65%が代表されれば凍結資産を活用した融資を進めることができる。一方、EUの予算を使った資金調達には全会一致が必要で、ハンガリーが反対した場合には実現が難しくなる可能性がある。

<ECBはリスクを警告、ウクライナ「重要かつ責任ある前進」>

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は欧州議会の公聴会で、ECBはリスクを指摘する役割を担っているとした上で、凍結されたロシア資産を裏付けとした融資の利用は法的にも財政的にも「かなり無理がある」とし、国際法と金融の安定性が尊重されることを期待していると述べた。

ベルギーは、ロシアが訴訟を起こした場合に発生する可能性のある全ての法的費用を他のEU加盟国が負担する保証を要請。ロシアへの返金を裁判所に命じられた場合、迅速に資金を提供することも保証するよう求めている。

ウクライナのスビリデンコ首相は、欧州委が提案した措置は「重要かつ責任ある前進」とし、前向きな見方を示した。

▽プーチン氏、一部の米提案は受け入れ 協議継続意向=クレムリン<ロイター日本語版>2025年12月3日午後 7:55 GMT+9

プーチン氏、一部の米提案は受け入れ 協議継続意向=クレムリン

[モスクワ 3日 ロイター] – ロシア大統領府(クレムリン)は3日、プーチン大統領はウクライナ戦争を終結させるための米国の提案をいくつか受け入れ、他は拒否したと明らかにした上で、ロシアは合意に至るまで何度でも米国の交渉担当者と会う用意があると表明した。

ペスコフ報道官は記者団に対し、プーチン氏が米国の提案を拒否したというのは間違いだと述べ、通常の交渉プロセスにおいていくつかの提案を受け入れ、他の提案を拒否したと説明。協議は提案について初めて顔を合わせて意見を交換する場だったと指摘した。

また、ロシアはトランプ氏の努力に感謝している一方、協議内容については逐次コメントしないと述べた。

「現在は専門家レベルで作業が進められている。そのレベルで成果を出し、それが最高レベルの接触の基礎となる」と説明した。