- メタバース予算30%削減案、グーグルAI半導体事業に1兆ドルの価値
- MUFGとモルガンS、米労働市場、暗号資産市場から個人マネー撤退
マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
仮想ではない現実
ソーシャルメディア大手の米メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、かつて同社の将来と位置づけ、社名をフェイスブックから変更するきっかけにもなったメタバース構想へのリソースを大幅に削減する見通しだ。事情に詳しい複数の関係者によると、同社幹部はメタバース関連部門の来年の予算を最大30%削減する案を検討している。この部門には、仮想世界プラットフォーム「メタ・ホライズン・ワールズ」や仮想現実(VR)ヘッドセット「Quest(クエスト)」を手がける事業が含まれる。関係者によれば、仮に予算がこれほど削減された場合、早ければ来年1月にもレイオフが実施される可能性があるが、最終決定には至っていない。
1兆ドルの収益源
米アルファベットの投資家は傘下グーグルの人工知能(AI)半導体が将来的に収益を大きくけん引する可能性があるとの確信をますます深めている。アルファベットは高性能AI半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」で成功を収めたことで、株価が10-12月期に入り31%上昇している。S&P500種株価指数の構成銘柄の中では、10番目の好成績だ。市場では、アルファベットが第三者への半導体チップ販売を開始し、最終的に1兆ドル(154兆円)近い価値を持つ新たな収益源を創出できるとの楽観論が高まっている。DAデビッドソンのギル・ルリア氏はアルファベットがTPU販売に本腰を入れれば、数年でAI市場の20%を獲得できると試算している。約9000億ドル規模の事業に相当する規模だ。
次のステージ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、17年にわたり資本提携関係にある米モルガン・スタンレーとの協業を次のステージに進める。成長分野として資産運用ビジネスやアジア市場に焦点を当てる。人材交流をより活発化させ、事業以外での知見も共有する。グループ最高戦略責任者(CSO)を務める高瀬英明専務がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。まず資産運用の領域としては、モルガンSの投資商品などを日本国内で販売するほか、MUFG傘下の三菱UFJアセットマネジメントの商品をモルガンSと連携して販売する。プライベートアセットや不動産の分野でも協力し、商品を売ることも考えるという。
労働市場
米新規失業保険申請件数は予想外に減少し、約3年ぶりの低水準。レイオフの発表が相次ぐ中でも、雇用主は総じて労働力を減らしていないことが示唆された。労働市場の急速な悪化に対する懸念は和らぎそうだ。これに先立ち米民間再就職会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した11月の米解雇者数は、前月から減少したものの、11月としては依然3年ぶりの高い数字となった。3日にADPリサーチ・インスティテュートが発表した11月の民間雇用者数は、約2年ぶりの大幅減少だった。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)は3会合連続となる利下げの是非を検討するにあたり、これらのデータを参考にするとみられる。
30兆円余りの空白
ボラティリティーが高い暗号資産(仮想通貨)の中でも、特にリスクの高いアルトコインの下げは著しく、ピーク時から2000億ドル(約30兆9200億円)の時価総額が消失した。リテール投資家はゼロ・デー・オプションや暗号ベース株など新たな投機先へ移行している。投資家の判断が従来の話題先行から実体経済重視へと転換する中、多くのトークンは価値を維持できず、主流投資家はAIや原子力といった新興分野の株式に活路を見出している。
その他の注目ニュース
ドイツ連立政権が早くも崩壊危機、若手が反旗-産業界からも不満
ピムコ、「米国売り」論を退け米国債投資で大きな成果-正念場乗り切る
増える熟年離婚、米で専門金融アドバイザーの需要拡大-再出発を支援
