▽中ロの軍用機が日本周辺を共同飛行、「重大な懸念」と小泉防衛相<ロイター日本語版>2025年12月10日午前 8:25 GMT+9

久保信博

中ロの軍用機が日本周辺を共同飛行、「重大な懸念」と小泉防衛相

[東京 10日 ロイター] – 防衛省統合幕僚監部は9日深夜、ロシアと中国の軍用機が日本周辺を共同で飛行したのを確認したと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進した。

小泉進次郎防衛相は「我が国に対する示威行動を明確に企図したものであり、我が国の安全保障上、重大な懸念だ」とソーシャルメディアのXに投稿した。

統合幕僚監部によると、9日午前から午後にかけてロシアのTU95爆撃機2機と中国のH6爆撃機2機が東シナ海で合流し、四国沖の太平洋へ飛行。沖縄本島と宮古島の間を往復した際、中国のJ16戦闘機4機が合流した。また、日本海でロシアのA50早期警戒機1機とSU30戦闘機2機を確認した。

これに先立ち、韓国軍は中国とロシアの軍用機が防空識別圏に一時侵入したため、戦闘機を緊急発進させたと発表していた。

▽「言語道断」保守党・百田氏、中国軍機のレーダー照射を批判 遠因として岩屋毅氏にも言及<産経ニュース>2025/12/10 09:45

日本保守党の百田尚樹代表(左)と自民党の岩屋毅元防衛相
日本保守党の百田尚樹代表(左)と自民党の岩屋毅元防衛相

日本保守党の百田尚樹代表は9日の記者会見で、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射について「言語道断な行為だ」と批判した。過去の日本政府の「事なかれ主義」が「遠因」であるとも指摘した。

レーダー照射について百田氏は「非常に悪質で危険で、国際秩序を揺るがせかねない大問題だと思う」と述べた。

中国側の発信に関しては「中国は、『うちは悪くない』と、例によっていけしゃあしゃあと言っている。日本側としてはおそらく確固とした証拠もデータも全部そろっているにもかかわらず、中国は相対主義というか、日本と中国の言い分はどっちもどっちだろうという風に持っていこう、というのが常道だ」と指摘した。

百田氏「国際社会は見ている」

そのうえで「今回の事案は、高市早苗首相の発言がどうのこうのということはあるが、結構根が深い」と述べ、2018年の韓国海軍の海上自衛隊機へのレーダー照射事件における日本政府の対応を挙げた。

百田氏は「この時、日本政府、防衛省の対応が非常にぬるかった。徹底して抗議して、韓国軍、韓国政府に対して非常に厳しい態度を取るべきなのに取らなかった」と述べた。

2019年6月に当時の岩屋毅防衛相がシンガポールで韓国国防相と笑顔で握手したことを挙げ、「喜んで満面の笑みをたたえて握手した。握手した写真も(報道に)載っているが、身を乗り出して自分から握手している。なんだこれは、平和外交でもしているのか、という感じだ。笑顔など出るはずないのに」と批判した。さらに「国際社会はそういうのを見ている。特に中国はじっくり見ている。だから、悪例を残したな、とそのとき私は見た。『日本の自衛隊はレーダー照射してもあまり怒らないな』『これなら、いざとなったらやれるな』と近隣国は見ている」と語った。

民主党政権下で中国人船長釈放

民主党政権下の2010年に尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の領海内で発生した海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件で、中国人船長を釈放した日本政府の対応についても言及した。「本来なら裁判にかけるはずだった。近隣諸国は、日本というのは、領土領海を徹底して守り抜く強い意思がないな、とみている」と振り返った。事件後にロシアの国家元首が北方領土に初上陸したことや、韓国大統領が竹島(島根県隠岐の島町)に初上陸する事態が起きたと紹介した。

そのうえで、「今回の中国のレーダー照射は、ばかげた、非常に愚かな行為だと思うが、それまでの日本政府の非常にだらしない事なかれ主義が今回のことを生んだな、と思う」と述べた。「国際社会はこちらが緩んでいる、譲歩していると、どんどん状況は悪くなっていく。自民党政権は分かっているのか。高市さんを呼んできて、しっかり教えたいと思う」と強調した。

▽中国軍機レーダー照射問題、小泉防衛相「訓練の事前通報ない」「冷静かつ毅然と対応する」<読売新聞オンライン>2025/12/09 12:37

衆院予算委員会で答弁する小泉防衛相(9日、国会で)=米山要撮影

 衆院予算委員会は9日午前、高市首相らが出席して基本的質疑を行い、2025年度補正予算案が実質審議入りした。小泉防衛相は、航空自衛隊機が中国軍機からレーダー照射された問題について、中国側が訓練海空域を知らせる航空情報「ノータム」や航行警報を出していなかったと明らかにした。

衆院予算委員会で答弁する小泉防衛相(9日、国会で)=米山要撮影

 小泉氏は、「中国側は訓練海空域を事前に公表していたと発信しているが、事前に通報されていたとは認識していない」と述べた。中国軍の軍事活動に対しては、「冷静かつ 毅然きぜん と対応し、警戒監視活動に万全を期す」と強調した。

 日中関係について首相は、「懸案や課題があるからこそ、それらを減らして理解と協力を増やしていく方針には変わりない」と述べ、経済関係の冷え込みについても「中国側の一連の措置による影響を含め、状況を注視し、適切に対応していく」と語った。

 首相は、旧姓使用の法制化については、「社会生活で不便や不利益を感じる人を減らせる。与党と緊密に連携しながら必要な検討を進める」と意欲を示した。

 与野党はこれに先立つ衆院予算委理事会で、11日に集中審議と締めくくり質疑を行うことで合意した。