▽機密性高い経済安保情報、「特定秘密」指定を明確化へ…特定秘密保護法の運用基準改定案<読売新聞オンライン>2025/12/09 15:00

首相官邸

 政府による特定秘密保護法の運用基準の改定案が判明した。重要物資や先端技術のサプライチェーン(供給網)情報など、経済安全保障に関する機密性の高い情報を「特定秘密」に指定して保全を徹底することが柱となる。国家公務員らに情報漏えいの恐れがないかどうかを調べる「適性評価」の効果的な実施策なども盛り込む。

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 運用基準は、同法施行の2014年12月から約5年ごとに改定することになっている。今回は20年6月に続く2回目の見直しで、近く閣議決定する見通しだ。

 同法は、防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野の情報で特別に秘匿が必要で、漏えいした場合に日本の安全保障に「著しい支障」を与える恐れがある情報を特定秘密に指定している。今回の改定では、経済安保についても対象となることを明確にし、要件に合致した秘匿情報については、今年5月施行の重要経済安保情報保護・活用法に基づく「重要経済安保情報」ではなく、特定秘密として指定することとする。

 これまで両方の法律で対象が重複するとの指摘があったが、改定によって整合性を取り、切れ目のない運用を目指す考えだ。

 このほか、改定案では、特定秘密を扱う人物の犯罪歴や経済状況などを審査する「適性評価」を的確に実施するため、必要な情報を集めた後で面接を実施することを定めた。

 適性評価を効率化するため、過去に別の行政機関から審査を受けていた場合など、行政機関同士で記録をやり取りできるようにする規定も設けた。

 特定秘密の漏えい防止に向けては、適性評価を受けていない職員が誤って特定秘密を取り扱うことがないよう注意することも明記した。職員教育の充実など、情報保全の徹底に向けた取り組みも掲げた。

▽政府、インテリジェンス担当相の新設検討 「国家情報局」を監督<毎日新聞>2025/12/9 16:33

首相官邸=2025年7月22日午前10時20分、平田明浩撮影
首相官邸=2025年7月22日午前10時20分、平田明浩撮影

 政府は、インテリジェンス(情報収集・分析)に関する司令塔機能の強化に向けて、担当相を新設する調整に入った。複数の省庁が担っている情報活動を統括する新組織「国家情報局」を監督する職務などを担う見通しだ。担当相に関しては木原稔官房長官の兼務が有力となっている。政府関係者が9日、明らかにした。

 政府は自民党と日本維新の会の連立政権合意書を踏まえ、内閣情報調査室(内調)を格上げし、国家情報局を創設する方針を示している。来年1月召集の通常国会に関連法案を提出し、早ければ来年7月にも設置する方向で検討している。

 事務方トップに国家情報局長を据え、内調や警察の公安部門、防衛省の情報本部などにまたがっている情報部門を統括する。現在は木原氏がインテリジェンス分野の機能強化に向けた検討を担っている。【原諒馬】