- 「政治と距離を置く」と強調、FRBの独立性維持に理解示す
- 迅速な利下げが試金石とトランプ氏、ハセット氏の立ち位置問う声も

米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利には大幅な引き下げ余地があるとの認識を示した。
ブルームバーグの報道によれば、ハセット氏はトランプ大統領が進める次期FRB議長人事で最有力候補とされている。ハセット氏は9日、ウォール・ストリート・ジャーナル主催のCEOカウンシル・サミットで、FRB議長に就任した場合、大統領が求める「大幅利下げ」を推進するかどうか問われた。
同氏は「データがそれを示しているのであれば、例えば今なら、そうした利下げには十分な余地があると思う」と述べた。それは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を超える引き下げを意味するのかとの質問には、「その通りだ」と答えた。
ハセット氏がトランプ大統領と密接に歩調を合わせているため、FRB議長に指名された場合、政策金利の決定に際してFRBが長年守ってきた政治的独立性を維持できるのかどうかを巡って議論が起きている。
トランプ氏自身も、9日に公開されたポリティコとのインタビューで、借り入れコストの迅速な引き下げが、自らが指名するFRB議長の試金石になるのかと問われ、「イエス」と答えた。
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政治との距離
FRB議長に就任した場合、自身の判断がトランプ大統領に従うのか、それとも独立した経済的見解に基づくのかと問われたハセット氏は、「自分の判断に従うつもりだし、大統領もそれを信頼していると思う」と答えた。
同氏は近年のFRBの一部政策判断に対して再び批判を展開し、政治的に振る舞っていると非難。「FRB議長として最も重要な仕事は、経済データを注視し、政治と距離を置くことだ」と語った。
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原題:Hassett Says Room Now for Fed to Cut More Than 25 Basis Points(抜粋)
