- 貿易協定を結んでいないアジア諸国からの1400品目超が対象
- 衣料品、金属、自動車部品など幅広い品目に5-50%の関税を賦課

メキシコ議会はアジアからの輸入品に新たな関税を課す法案を最終承認し、対中貿易障壁を強化する米国の取り組みに大筋で歩調を合わせた。シェインバウム大統領は国内産業の保護を模索している。
議会上院は10日、メキシコと貿易協定を結んでいないアジア諸国からの1400品目超に対し、5-50%の関税を課す法案を可決した。賛成76、反対5、棄権35だった。
新関税は来年から施行され、衣料品、金属、自動車部品など幅広い品目が対象となる。
日本の外務省によると、日本はメキシコと経済連携協定(EPA)を締結しており、2005年4月に発効している。

シェインバウム氏はトランプ米大統領と緊迫した貿易交渉を進めている。トランプ氏の優先課題に歩み寄る圧力が強まる中、メキシコが中国製品に関税を課すことによって、メキシコ産の鉄鋼やアルミに対する米国の厳しい関税が緩和されるとの期待が高まっている。
シェインバウム氏は、トランプ氏による対中関税との関連を公には否定しているが、新たな関税はトランプ氏の手法に類似している。
新たな法律によると、中国製自動車には最も高い50%の関税が課される。中国の巨大自動車産業は現在、メキシコ市場の20%を占めており、ごくわずかだった6年前から大きく伸びている。
メキシコの新たな関税計画を受け、中国商務相は声明で、一方的かつ保護主義的な措置に一貫して反対するとし、速やかな是正を要請。いかなる貿易協定も中国の利益を損なうべきではないとし、メキシコによる実施状況を注視し、その影響をさらに評価していくとした。
メキシコ財務省によると、新たな関税により来年は520億ペソ(約4450億円)近い追加歳入が見込めるという。
原題:Mexico Approves Up to 50% Tariffs on China, Other Asian Nations、China Urges Mexico to Correct Protectionist Practices Promptly(抜粋)
