▽ゼレンスキー氏、NATO加盟断念の用意 米特使「協議に多くの進展」<ロイター日本語版>2025年12月15日午前 7:27 GMT+9

Friederike HeineMatthias WilliamsOlena Harmash

ゼレンスキー氏、NATO加盟断念の用意 ドイツで米当局者と協議

[ベルリン/キーウ 14日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、欧米による安全の保証が得られれば北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念する用意があるとの考えを明らかにした。

同氏は通信アプリ「ワッツアップ」で記者団の質問に対し「ウクライナは当初からNATOへの加盟を望んでいた。(NATOは)真の安全の保証だ。米国や欧州の一部のパートナーはこの方向性を支持しなかった」と述べた。

その上で「そのため、ウクライナと米国の2国間の安全の保証、米国による(北大西洋条約)第5条のような保証、欧州そしてカナダや日本など他の国々からの安全の保証が、ロシアの再侵攻を防ぐ機会になる」とした。

また「これはわれわれの側からの妥協だ」とし、安全の保証は法的拘束力を持つべきだと強調した。

ゼレンスキー氏はその後、米政権のウィットコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏とベルリンで会談した。15日も協議を継続する。

ゼレンスキー氏の顧問は同氏が15日の協議終了後に会談についてコメントするとし、「会談は5時間以上行われ、明朝再開することで合意して本日は終了した」と述べた。当局者は文書の草案を検討しているという。

ウィットコフ氏は14日の会談について、「多くの進展があった」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

Xへの投稿で、「20項目の和平計画や経済政策などについて代表者が詳細な議論を行った。多くの進展があり、明日の朝に再び会合が予定されている」と述べた。

関係者によると、協議を主催したドイツのメルツ首相は冒頭で短い発言をした後、交渉の場から退席した。15日には他の欧州首脳も協議のためドイツを訪問する。

ロシアの攻撃に対する安全の保証としてNATO加盟を目指してきたウクライナにとって加盟断念は大きな転換点となる。ウクライナは憲法にもその願望を盛り込んでいる。ウクライナはこれまでロシアへの領土明け渡しを拒否しているが、加盟断念はロシアが求めている要求の一つだ。

▽ウクライナのNATO加盟断念、和平交渉に大きく影響せずと米専門家<ロイター日本語版>2025年12月15日午前 8:10 GMT+9

Jessica DiNapoli

ウクライナのNATO加盟断念、和平交渉に大きく影響せずと米専門家

[ニューヨーク 14日 ロイター] – 米国の安全保障専門家2人は14日、ウクライナによる北大西洋条約機構(NATO)加盟断念の申し出によって和平交渉が大きく変化する可能性は低いとの見方を示した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、欧米による安全の保証が得られればNATO加盟を断念する用意があるとの考えを明らかにし、ウクライナからの妥協案だとした。 もっと見る

ケイトー研究所の国防・外交政策研究ディレクター、ジャスティン・ローガン氏は「これは全く状況を変えるものではない。合理的に見せようとする取り組みだ」と述べ、ウクライナのNATO加盟はいずれにせよ長い間現実的ではなかったと指摘した。

フロリダ大学のアンドリュー・ミクタ教授(戦略学)も同様の見方を示し、ウクライナのNATO加盟は現時点では「問題ではない」と述べた。

一方、オバマ政権で外交政策顧問を務めたブレット・ブルーエン氏は、ウクライナの譲歩を「重要かつ実質的」と評価した。

「ゼレンスキー氏はロシアが重要な譲歩をしないのに対し、ウクライナは和平のために重要な譲歩をする用意があることを対照的に示した」とし、「問題は同氏がウクライナ国民との固い約束を反故にする見返りに何を得たのかということだ」と述べた。

その上で、トランプ政権がウクライナ上空をパトロールしたり、航空機の侵入に対応したりすることを約束した可能性があると指摘。ロシアが大規模な軍事攻撃を再開した場合、米国が軍事援助を拡大する可能性もあるとした。

▽EU、ロシア中銀資産の無期限凍結で合意 ウクライナ支援融資に道<ロイター日本語版>2025年12月13日午前 5:36 GMT+9

Jan Strupczewski

EU、ロシア中銀資産の無期限凍結で合意 ウクライナ支援融資に道

[ブリュッセル 12日 ロイター] – 欧州連合(EU)は12日、域内で管理されているロシア中央銀行の資産を無期限で凍結することで合意した。これまでは6カ月ごとに凍結の延長の是非を巡る投票を実施していたが、無期限で凍結することで、ロシアと比較的良好な関係を持つハンガリーやスロバキアなどが反対する事態を防ぐ狙いがあるとみられる。

無期限凍結の対象になるのは2100億ユーロ(約2460億ドル)に上る資産。EUは域内で凍結されているロシア資産を担保にウクライナに最大1650億ユーロの融資を行う意向で、EUはロシア中銀資産を無期限で凍結することで、ロシア資産の多くが保管されているベルギーを説得したい考え。

こうした融資は2026年と27年のウクライナの軍事、民生予算を賄うためのもので、ロシアが戦争賠償を支払った時点での返済が予定されている。

EUは18日に開く首脳会議で、融資の詳細のほか、ベルギーが単独で負担を強いられないようにする保証などについて詰めの協議を行う。これに先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領は15日にベルリンを訪問し、メルツ独首相と会談。独政府によると、EUや北大西洋条約機構(NATO)の首脳も協議に参加する。

ロシア中銀は12日、EUによるロシア中銀の資産利用計画は違法だとし、国益を守るため、あらゆる手段を講じる権利を留保すると表明。ロシア資産の多くが保管されているベルギーの決済機関ユーロクリアについては、資金や証券の処分能力に悪影響を及ぼしたとし、モスクワの裁判所に提訴すると表明した。

▽ロシア、ウクライナ南部の2港湾攻撃 トルコ船舶3隻損傷<ロイター日本語版>2025年12月13日午前 5:32 GMT+9

Yuliia DysaMax Hunder

ロシア、ウクライナ南部の2港湾攻撃 トルコ船舶3隻損傷

[キーウ 12日 ロイター] – ウクライナ南部オデーサ州の港湾2カ所で12日、ロシアが攻撃を実施し、食料を積んだ船を含むトルコ所有の船舶3隻が損傷したことが分かった。ウクライナ当局者などが明らかにした。

ウクライナのゼレンスキー大統領は今回の攻撃を受け、オデーサ州のチョルノモルスク港の船上で大規模な火災が発生し、消防士らが消火活動にあたる様子を写した写真を投稿。「これは、ロシアが現在の外交機会を真剣に受け止めていないだけでなく、ウクライナの通常の生活を破壊するために戦争を継続していることを改めて証明するものだ」と非難した。

同船を所有するジェンク・シッピングは声明で、ウクライナ時間午後4時(GMT午後2時)頃に攻撃を受けたと発表。「現時点では、乗組員に死傷者などの報告はない。現在入手可能な情報に基づくと、被害は限定的と思われる」と述べた。

ウクライナのクレバ副首相は「今回の攻撃は民間物流と商業船舶を狙ったものだ」とし、オデーサ州の港湾を狙った別の攻撃では民間企業の従業員1人が負傷したと述べた。

ウクライナ海軍報道官はロイターに対し、損傷した船舶は計3隻で、いずれもトルコ船籍であるとしたものの、それ以上の詳細は明らかにしていない。

トルコ外務省はチョルノモルスク港の被害を確認し、トルコ国民に負傷者が出たとの報告はないとした。

ロシア国防省はロイターのコメント要請に直ちには応じなかった。

ロシアのプーチン大統領は今月2日、黒海でロシアの「影の船団」が攻撃されたことを受けて、黒海へのウクライナのアクセスを遮断すると警告していた。