▽欧州評議会、ウクライナ損害賠償へ新組織 創設案に34カ国署名<ロイター日本語版>2025年12月17日午前 2:49 GMT+9

[ハーグ 16日 ロイター] – 欧州評議会は16日、オランダのハーグで会合を開き、ロシアの攻撃と戦争犯罪によるウクライナ側の損害の賠償に向けた「国際請求委員会」の創設に向けた条約案に34カ国が署名した。十分な資金を確保した上で、少なくとも25カ国が批准すれば発効する。
欧州評議会が2023年に設立した、請求を審査して個別に補償額を決める「ウクライナ損害登録機関」の機能を引き継ぐ予定。損害登録機関には、ウクライナの個人や団体からこれまで8万6000件以上が提出されている。オランダのファン・ウィール外相は、最終的にロシアが払うべき賠償を認定することが狙いだと説明した。
草案によると、損害賠償の対象となるのはロシアによる国際法に違反した行為で、被害を受けた個人や企業、ウクライナ政府が提出できる。ただ、損害賠償の支払い方法の詳細はまだ確定していない。欧州連合(EU)が凍結したロシア資産を活用しながら、加盟国の拠出によって補填する案が検討されている。さらに、トランプ米政権による和平案の内容次第では、戦闘に関連した残虐行為が賠償対象から外れる可能性もある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は署名前、あらゆるロシアの戦争犯罪の責任者に結果をもたらすことが必要で「そこから真の平和への道が始まる」とし、「ロシアに取引させたり、殺人を止めさせたりするだけでは不十分だ。世界にはルールがあることを認めさせる必要がある」と強調した。
世界銀行は今後10年間のウクライナ復興費用を5240億ドル(4470億ユーロ)と試算している。推計は24年末までのもので、今年に入って激化した無人機やミサイルによるインフラを標的とした攻撃の被害額は含まれていない。
▽ウクライナ提案のクリスマス停戦、和平合意成立次第=ロ大統領府<ロイター日本語版>2025年12月16日午後 7:52 GMT+9

[モスクワ 16日 ロイター] – ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、ウクライナが提案したクリスマス停戦について、和平協定が成立するかどうかにかかっていると述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、クリスマス期間中の停戦、特にエネルギーインフラへの攻撃停止を支持すると述べた。
ペスコフ報道官はこの案について「今の問題はトランプ米大統領が言うように、われわれが協定で合意に達するかどうかだ」とし、ウクライナが永続的な解決策ではなく「短期的で実行不可能な解決策」を重視するのであれば、ロシアがそうした停戦に参加する可能性は低いと述べた。
同報道官は「われわれは平和を望んでいる。ウクライナに息継ぎの時間を与え、戦争継続の準備をさせるための停戦は望んでいない」とし「この戦争を終わらせ、目標を達成し、われわれの利益を確保し、将来にわたる欧州の平和を保証したい。それがわれわれの望みだ」と述べた。
▽ゼレンスキー氏、ロシアが和平努力拒否なら米に長距離兵器の提供要請<ロイター日本語版>2025年12月16日午前 10:08 GMT+9

[キーウ 16日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、ロシアが戦争終結に向けた外交努力を拒否した場合、ロシアに対する制裁圧力の強化と長距離兵器を含む追加兵器の提供を米国に要請すると述べた。トランプ米大統領の特使団や欧州首脳らとのベルリンでの会談後に語った。
ゼレンスキー氏は、ワッツアップのチャットで記者団に対し、「(ロシアのプーチン大統領が)全てを拒否すれば、米国は制裁圧力をかけ、われわれにさらなる武器を提供すると思う」と述べた。
また、クリスマス期間中の停戦、特にエネルギー関連の攻撃を停止する考えを支持すると語った。
領土問題についてはウクライナ東部ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)を「法的にも事実上も」、ロシア領として認めないと改めて強調した。
ゼレンスキー氏はまた、協議中の安全の保証に関する文書は単なる枠組みではなく詳細な内容だとしながらも、依然として作業が必要だと指摘した。
▽ウクライナにNATO型の安全保証も、米和平案で 第5条モデルに<ロイター日本語版>2025年12月16日午前 7:55 GMT+9
Trevor Hunnicutt, Steve Holland, Jeff Mason
23時間前更新

[ワシントン 15日 ロイター] – 米当局者は15日、ウクライナがロシアとの和平合意案の下、北大西洋条約機構(NATO)の集団防衛を定める北大西洋条約第5条をモデルにした安全の保証を受ける可能性があると記者団に述べた。
米当局者2人はベルリンでの2日間の協議で話し合われたこの案を「第5条のような」内容と表現し、ウクライナの安全保障に対する強い関与を示唆した。
トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に対し、ベルリンでの協議後にウクライナのゼレンスキー大統領やNATO、ドイツ、イタリア、フランス、英国などの首脳らと話したとし、合意が近い可能性があると楽観的な見方を示した。
合意の実現に取り組んでいるとし、「ロシアのプーチン大統領と何度も会話を重ねてきた。そして今、これまでになく(合意に)近づいていると思う。何ができるか見ていこう」と述べた。
トランプ氏が早期の紛争終結を迫る中、米当局者は安全保証のオファーは無期限ではないと述べた。
当局者の1人は「これらの保証は永遠にテーブルの上にあるわけではない。良い形で結論が出れば、今はテーブルの上にある」と述べた。
米国がウクライナにどこまで安全の保証を提供するかは不明だ。米当局者によれば、小規模な衝突が大きな紛争に発展するのを防ぐための厳重な監視や衝突回避策などが含まれるという。
