▽EU首脳会議、ロシア凍結資産の活用協議 ベルギーなど懸念国に保証案<ロイター日本語版>2025年12月19日午前 8:19 GMT+9

Lili BayerJan StrupczewskiIngrid Melander

EU首脳会議、ロシア凍結資産の活用協議 ベルギーなど懸念国に保証案

[ブリュッセル 18日 ロイター] – 欧州連合(EU)は18日、首脳会議を開き、凍結しているロシア資産を裏付けとしてウクライナへの融資を実行する計画を巡り、意見の相違克服に取り組んだ。

協議では、凍結資産の大半を保有するベルギーなど、懸念を抱く一部の国に対し、欧州が法的・財政的リスクを分担することを保証し、計画への支持を確保することに焦点が当てられた。

首脳会議向けに準備された新たな合意案は、ロシアがベルギーなどの国を訴えて勝訴した場合に生じ得る損害賠償について無制限の保証を与えるとしている。

こうした誓約はベルギーの要求に沿ったものだが、外交官らは議会の承認が必要となる一部の政府にとっては問題となるだろうと述べた。

ロイターが確認した新たな合意案では、計画に参加した報復としてロシアに資産を差し押さえられる可能性のあるEU加盟国や機関に対し、そうした損害をEUが保有するロシア資産で相殺する可能性も示されている。

また、必要が生じた場合、いかなる状況でもEUがロシア中央銀行の資産を速やかに返済するという、無条件かつ取消不能で要求に応じた保証のメカニズムも盛り込まれている。合意案は協議中で変更される可能性がある。

EUのカラス外交安全保障上級代表(外相に相当)は「失敗するわけにはいかない」と述べ、解決策を見つけるために必要な限り、首脳らが会議を継続するだろうとした。

▽ウクライナ巡る協議「何かに近づいている」とトランプ氏、米ロ会談控え<ロイター日本語版>2025年12月19日午前 7:21 GMT+9

ウクライナ巡る協議「何かに近づいている」とトランプ氏、米ロ会談控え

[ワシントン 18日 ロイター] – トランプ米大統領は18日、今週末の米ロ当局者会談を前に、ウクライナ戦争終結に向けた協議が「何かに近づいている」との認識を示した。

トランプ氏は大統領執務室でのイベントで記者団に対し、「ウクライナが迅速に動くことを望む」と語った。

ホワイトハウス当局者によると、米政権のウィットコフ特使とトランプ氏の娘婿クシュナー氏が今週末にマイアミでロシア代表団と会談する計画という。

両氏は戦争終結に向け、ロシアとウクライナの双方から合意を引き出そうと努力を続けており、14日と15日の2日間にわたって、ベルリンでウクライナの代表団と会談。米当局者は、争点の領土譲歩問題は依然として未解決であるものの、両国の間に大きな隔たりはないとの見方を示している。

領土の譲歩はロシアが戦争終結の主要な条件としているが、ウクライナの世論調査によると、これを受け入れるウクライナ人はほとんどいない。

トランプ氏は「ロシアがそこにいるのだから、ウクライナが迅速に動くことを望む」と述べた。戦場における最近のロシア軍の進展に言及したとみられる。

▽ECB総裁、ウクライナ向け「賠償ローン」でEUの合意確信<ロイター日本語>2025年12月19日午前 7:18 GMT+9

ECB総裁、ウクライナ向け「賠償ローン」でEUの合意確信

[ロンドン 18日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は18日の会見で、欧州連合(EU)が計画しているウクライナへの「賠償ローン」について、EU指導者らが合意に達すると確信していると述べた。

EUは、域内に凍結されたロシア中央銀行の資産を裏付けとしてウクライナ向けに融資を実行する方針。ロイターが確認した草案文書によると、EUは傘下の機関にこうした融資の具体的な枠組みを早急に構築するよう要請する考えだ。

ラガルド氏は、EU指導者らがこの構想で意見を一致できると思うかと聞かれると「問題の重大性を踏まえれば、彼らは解決策を見つけ出すと確信している」と語った。

またラガルド氏は、EUの計画が主権資産の保護を規定する国際法に抵触することがあってはならないと改めて強調しつつも解決策が打ち出されると予想。「それはいつもの欧州的なやり方になるかもしれない。つまり堂々巡りで時間がかかり、うまくいくのかどうか多くの憶測を呼ぶだろう。しかし私は、解決策を見つけられると確信している」と繰り返した。

一方でラガルド氏は、こうした計画をどう進めるかの決定は最終的に政治的な問題だとくぎを刺した。

▽ロシア中銀、欧州の銀行も提訴の構え 凍結資産利用をけん制<ロイター日本語版>2025年12月19日午前 2:51 GMT+9

ロシア中銀、欧州の銀行も提訴の構え 凍結資産利用をけん制

[モスクワ 18日 ロイター] – ロシア中央銀行は18日、自国の凍結資産の多くが保管されているベルギーの決済機関ユーロクリアに続き、欧州の銀行についてもロシアの裁判所に提訴する方針を発表した。欧州連合(EU)がロシアの凍結資産をウクライナ支援に利用する動きをけん制する狙いとみられる。

欧州連合(EU)は18日の首脳会合で、ロシア凍結資産のウクライナ融資への利用を巡って議論する。ウクライナ融資への利用で結束できるかどうかが注目されている。

ロシア中銀は声明で「既に表明している自国の利益保護の立場に基づき、ロシアの裁判所で欧州の銀行に対し、資産凍結とその利用によって生じた損害について賠償を求める」と表明した。

ロシア中銀は具体的な銀行名を明らかにしなかったが、ロイターに対し「ロシア中銀の資産を違法に保有し、その資産処理能力を妨害している金融機関」を対象とすると説明した。