- バイトダンスの利益水準、メタ・プラットフォームズに近づく
- 中国では消費や広告支出の減速に直面－成長鈍化の可能性
動画投稿アプリのTikTokを運営する中国の字節跳動（バイトダンス）は、2025年の利益が約500億ドル（約7兆9000億円）に達する見通しだ。電子商取引（EC）や新市場への進出を加速させ、過去最高となる年を締めくくる。
事情に詳しい関係者によると、同社の利益は年初から第3四半期までに約400億ドルに積み上がり、すでに2025年の目標を上回ったという。非公開情報であることを理由に関係者は匿名で述べた。同社の利益水準は、約600億ドルの利益が見込まれる米メタ・プラットフォームズに近づくことになる。
バイトダンスの広報担当にコメントを求めたが、返答は得られていない。
バイデン前米政権では国家安全保障上の懸念を理由に、TikTokが米国事業を売却しなければサービスを禁止する新法が成立した。バイトダンスがTikTok米国事業を分離する協議は現在、大詰めを迎えている。
ブルームバーグが確認した社内文書によれば、TikTokの周受資最高経営責任者（CEO）は従業員に対し、米国で新たな合弁会社を設立するための拘束力ある契約を締結したと伝えた。取引の成立に不可欠な中国当局の承認については、現時点では示されていない。
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TikTokは世界的に急速な拡大を遂げている。ECやライブ配信を通じたショッピング分野への進出を加速させており、アマゾン・ドット・コムなど米大手テクノロジー企業とも提携している。周CEOが契約締結を明らかにしたのと同じ日、TikTokはロサンゼルスで米国版「The TikTok Awards」を初めて開催した。
ソフトバンクグループのビジョン・ファンドは今年、生成AI分野での存在感の高まりなどを背景に、バイトダンスの評価額を4000億ドル超に引き上げた。米証券取引委員会（SEC）への昨年11月の届け出に基づくブルームバーグの計算では、大手投資会社ティー・ロウ・プライスとフィデリティ・インベストメンツも、同社の評価額をそれぞれ4500億ドル、4100億ドル強に切り上げた。最近では、中国の投資会社がバイトダンス株を取得した際、企業価値は4800億ドルと評価された。
ただ、バイトダンスの成長は今後、従来のペースに比べて鈍化する可能性がある。中国版TikTok「抖音（ドウイン）」は国内消費や広告支出の減速に直面しており、その分、TikTokが売上高成長でより大きな役割を担うようになっている。
原題：TikTok Owner ByteDance on Track for $50 Billion Profit in 2025（抜粋）
