- グロックの幹部の一部、エヌビディアに移籍して取り組みを支援する
- 製品に新機能付加し、市場分野開拓につながる見通し-エヌビディア

米エヌビディアは、人工知能(AI)新興グロックとライセンス契約で合意した。AI関連企業への投資を進めつつ、新技術を製品に取り込む権利を得る。
エヌビディアはグロックの技術使用の権利に対価を支払い、同社のチップ設計を今後の製品に採用する。両社によると、グロックの幹部の一部はエヌビディアに移籍して、この取り組みを支援する。グロックは独立した企業にとどまり、新たな最高経営責任者(CEO)の下で運営を続けると、24日の自社サイトへの投稿で明らかにした。
AIソフトウエア・サービスに必要な新たな計算能力への投資が急増する中、その中心にあるデータセンター分野でエヌビディアの技術は既に支配的な地位を占めている。既存製品の人気を追い風に、エヌビディアは半導体業界で群を抜く資金力を持つ企業になった。同社はその潤沢な資金の一部を使い、経済のさまざまな分野でAI活用を加速させる方針を示している。
グロックはアルファベット傘下のグーグルなどと同様に、エヌビディアに対抗する独自のAIチップ開発を手掛けるスタートアップの一角。2016年設立の同社は今年9月、7億5000万ドル(現在のレートで1200億円)を調達した。当時、調達資金はデータセンター能力拡大に充てると説明していた。今回の投稿によると、外部向けに計算能力を提供するデータセンター事業は今後も継続する。
グロックのジョナサン・ロスCEOは、グーグルの高性能AI半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」の立ち上げに関わった同社半導体部門の元幹部。グロックの声明によると、今回の取引でロス氏を含む上級幹部がエヌビディアに加わり、「ライセンス供与された技術の高度化と拡張を支援する」。
ライセンス契約に関し金額などの条件は公表されていない。
エヌビディアによると、グロックの低遅延チップは入力に対する応答性が極めて高い。エヌビディア製品に新たな機能を付加し、新たな市場分野の開拓につながる見通しとしている。
ジェンスン・フアンCEOの下、エヌビディアは自社の地位固めと企業のAI活用を後押しする狙いで、多数の新製品を投入してきた。現在はネットワーキング、ソフトウエア、サービスに加え、完成品のコンピューターも販売している。
原題:Nvidia Reaches Technology Licensing Deal With Startup Groq (1)(抜粋)
