▽ウクライナ有志連合、多国籍軍など「安全の保証」で合意 米も支持<ロイター日本語版>2026年1月7日午前 8:58 GMT+9

Inti LandauroDan PeleschukJohn Irish

ウクライナ「安全の保証」で合意、有志国連合首脳会合

[パリ 6日 ロイター] – 米国は6日、ウクライナを支援する「有志連合」が停戦実現後にロシアの再侵攻を防ぐための「安全の保証」を提供する方針に初めて支持を表明した。

有志連合はこの日、パリで首脳会合を開催。共同声明によると、安全の保証にはロシアが再び攻撃した場合にウクライナを支援する「拘束力のある約束」が含まれる。

具体的には、米国が主導する停戦監視・検証メカニズムに各国が参加することが盛り込まれた。当局者によると、米軍の派兵ではなく無人機(ドローン)や衛星などで監視する可能性が高いという。

共同声明は「ロシアによる将来の武力攻撃が発生した場合のウクライナ支援および平和と安全の回復に向けたアプローチを定めた拘束力ある約束を最終決定することで合意した」とし、この中には「軍事力の活用、情報・後方支援、外交的イニシアチブ、追加制裁の採択が含まれる可能性がある」とした。

また、欧州主導の多国籍軍が米国の支援提案を受けて、ウクライナ軍の再建と抑止力支援を行うことも盛り込んだ。このほか、フランスと英国は停戦合意後の多国籍軍派遣に関する宣言に署名。仏軍の派兵は数千人規模になる可能性があるという。

これまでの有志連合の会合とは異なり、今回の首脳会合には米国のウィットコフ特使、トランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏、さらに前日に欧州の軍司令官らと安全の保証の詳細を詰めていた欧州米軍のグリンケウィッチ司令官も出席した。

ロシアとの協議を主導してきたウィットコフ氏は会合後にフランス、ドイツ、英国、ウクライナの首脳と共同記者会見を行い、トランプ大統領が「安全保障プロトコルを強く支持している」と述べた。

「これらの安全保障プロトコルは、ウクライナへのあらゆる攻撃、さらなる攻撃を抑止し、もし攻撃があった場合には防御することを目的としており、その両方を実現する。これらは誰も見たことのないほど強力なものだ」と語った。

マクロン仏大統領は、多国籍軍の派遣も含む合意が署名されれば、ウクライナに対するさらなる侵略が抑止されると指摘。「安全の保証でウクライナが降伏を強いられることを防ぎ、いかなる和平合意も破られないことを確保する」と述べた。

米国が提示した支援については「真摯で信頼できる」と言及。安全の保証への米国の関与について、前線の監視などを明確にしたとし、「こうした支援は多くの国にとって極めて重要になる」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、今回の合意は「欧州と有志連合全体が真の安全保障のためにいかに真剣に取り組む用意があるかを示すものだ」と述べた。ただ、監視をどう機能させるかや、ウクライナ軍への支援方法はまだ決まっていないとも明かした。

▽ウ有志連合、安全の「保証」で拘束力ある約束も 首脳会合声明草案<ロイター日本語版>2026年1月7日午前 3:21 GMT+9

John Irish

有志連合のウクライナ安全保障、拘束力ある約束含む 首脳会合声明草案

[パリ 6日 ロイター] – ウクライナを支援する「有志連合」による将来の安全の「保証」に関する声明草案が6日に明らかになった。ロシアによる将来の武力攻撃が発生た場合、ウクライナを支援する「拘束力のある約束」が含まれている。

ロイターが確認した草案では「これらの約束には、軍事力の行使、情報活動、後方支援、外交努力、追加制裁などが含まれる」としている。

さらに「継続的かつ信頼性の高い停戦監視システムを構築する」とし、同盟国が米国主導の停戦監視・検証メカニズムに参加する方針とした。ウクライナへの長期にわたる軍事支援の継続や多国籍軍の派遣も想定されている。

これら内容はきょうパリで開催される有志連合首脳会合での承認が必要となる。

会合に出席するウクライナのゼレンスキー大統領はフランス到着後、Xへの投稿で「今回の協議はウクライナにさらなる保護と力を与えることを目的としている」とし、安全の「保証」を確実にすることに向けた措置への期待を表明した。

また、ウクライナの防衛力を高めつつ、紛争終結に向けた外交的解決を模索することについて、マクロン仏大統領と協議したとし、「外交と実際の支援は連携して実施されなければならない」と述べた。さらにロシアがウクライナへの攻撃をやめない中、ウクライナの主要 インフラを守るために防空力を強化する必要があるという認識を示した。

米国のウィットコフ特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏も会合が開かれるパリの大統領官邸に到着した。

当局者や外交官によると、これまで有志連合が表明した軍事的約束の多くは、かなり曖昧なものだった。欧州の高官は、有志連合が確かな約束をすることで、ウクライナとの二国間協議で大枠が示された米国の関与が強固になることへの期待を示した。

▽アングル:同盟国ベネズエラを失うロシア、トランプ氏の「ワイルド・ウエスト」的現実主義で好機も<ロイター日本語版>2026年1月6日午後 12:31 GMT+9

Guy Faulconbridge

アングル:同盟国ベネズエラを失うロシア、トランプ氏の「ワイルド・ウエスト」的現実主義で好機も

[モスクワ 5日 ロイター] – ベネズエラのマドゥロ大統領が米国に拘束されたことで、プーチン大統領は同盟国を失い、米国の「石油支配力」が強まる可能性がある。ただ、ロシア政府は、トランプ大統領が世界を勢力圏に分割しようとする動きから得られるかもしれない利益にも目を向けている。

マドゥロ氏は、プーチン氏が「親愛なる友人」として戦略的な提携関係を結んでからわずか8カ月後、特殊部隊に拘束された。トランプ氏は米国が世界最大の石油埋蔵量を有するベネズエラを一時的に運営すると発表した。

ロシアの一部の民族主義者は、同盟国を失ったことを批判し、迅速な米国の作戦と、約4年に及ぶ戦争でもウクライナを掌握できていないロシアの失敗を対比させた。

しかし別の観点では、ロシアが「海賊行為」「体制転換」と位置づける米国の「裏庭」での行動は、受け入れやすい。とりわけ、米政権の関与がベネズエラで泥沼化するなら、なおさらだ。

「ロシアは中南米で同盟国を失った」と、匿名を条件に語ったロシア高官は述べた。

「しかし、これがトランプの実行しているモンロー主義の実例ならば、ロシアもまた自らの勢力圏を有していることになる」

この高官が言及したのは、西半球における米国の支配を再確認し、同地域を米国の勢力圏と宣言した19世紀のモンロー主義を復活させようとするトランプ政権の意向のことだ。

別のロシア筋は、ロシア政府は今回の軍事作戦をベネズエラの石油資源を掌握しようとする明確な試みだと見なしており、西側諸国の多くがその点を公然と批判していない点を指摘した。

<トランプの『ワイルド・ウエスト』が孕む危険性>

プーチン氏は中央アジア、コーカサス、ウクライナの旧ソ連諸国でロシアの勢力圏を確立しようとしたが、米政府は冷戦の終結以来こうした動きに反対してきた。

プーチン氏は米国のベネズエラでの軍事作戦について公にコメントしていないが、ロシア外務省はトランプ氏にマドゥロ氏の解放を求めて対話を呼びかけた。同省は以前、トランプ氏の行動をカリブ海における現代の海賊行為だと断じていた。

ロシア国営メディアは今回の軍事作戦を米国の「誘拐行為」だと評し、米国に「病んだ」隣人がいるというトランプ氏の発言を報じ、米国が1990年1月3日にパナマのノリエガ将軍を拘束した事例を引き合いに出した。

「トランプ氏が他国の大統領をまさに『誘拐した』ということは国際法が基本的に存在せず、力の法則しかない状況を示している。しかし、ロシアはかなり前からそのことを知っていたのだ」と、元ロシア大統領顧問のセルゲイ・マルコフ氏は語った。

マルコフ氏はトランプ氏が「ドンロー主義」として更新できると示唆した現代版のモンロー主義はさまざまな解釈ができると述べた。

「米国はロシアの旧ソ連圏に対する支配を本当に認めるつもりがあるのか、それとも、米国があまりに強大で、自国のすぐ近くに大国が存在することすら許さない、というだけなのか」

ロシア上院(連邦会議)情報政策委員会のアレクセイ・プシコフ委員長は、米国の今回の軍事作戦を国家安全保障戦略の直接的な実行だと見なし、米国の覇権を復活させてより多くの原油資源を支配しようとする試みだと評した。

しかしプシコフ氏は、それが「19世紀の野蛮な帝国主義への回帰、そして実際にはワイルドウエストの概念の復活」を招く危険があると述べた。ワイルドウエストとは、米国が西半球で、やりたい放題をする権利を取り戻すという意味だという。

「この勝利は災厄となるのか」と彼は問いかけた。

<ロシア民族主義者、ベネズエラとウクライナを比較>

プーチン氏と中国の習近平主席にとって、米国が西半球に集中し深入りして身動きが取れないとすれば、ロシアがウクライナ、中国が台湾に重点的に取り組む上で好都合なように思われる。

しかし一部のロシア民族主義者はシリアでのアサド前大統領の失脚に続きあまりの短期間で同盟国を喪失したと批判し、米国の迅速な軍事作戦をロシアのウクライナでの遅い進展と比較した。

ロシア最大の石油企業ロスネフチ(ROSN.MM), opens new tabは2020年、ベネズエラの事業を終了し関連資産をロシア政府が所有する企業に売却した。

収監中のロシア民族主義者イーゴリ・ギルキン氏は、米国はベネズエラで、潜在的な脅威に直面した際に大国がどう行動すべきかを示したと述べ、今回の作戦を、中国への石油供給を断つ狙いの一環だと位置づけた。

「わが国のイメージはまた打撃を受けた。ロシアの支援を期待した国がまた支援を得られなかったのだ」

「ウクライナという血まみれの泥沼に首までどっぷり浸かってしまった我が国は、他のことに関わるのは事実上不可能だ。ましてや米国のすぐ隣にある西半球でベネズエラを助けることなどできない」