- トランプ大統領の投稿で住宅建設株や防衛関連株が売られる
- NY原油は大幅続落、米国が新たにタンカー拿捕-ベネズエラ原油販売

Cristin Flanagan、Andre Janse Van Vuuren、Macarena Munoz Montijano
7日の米株式市場では、S&P500種株価指数が反落。トランプ大統領による一連のソーシャルメディア投稿が飛び交う中、強弱まちまちの経済指標や変化する地政学的リスクを消化するにつれ、楽観ムードが後退した。世界的に債券利回りは低下した。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 6920.93 | -23.89 | -0.34% |
| ダウ工業株30種平均 | 48996.08 | -466.00 | -0.94% |
| ナスダック総合指数 | 23584.28 | 37.11 | 0.16% |
S&P500種は今年2度目の取引時間中の最高値を記録したが、下げに転じた。トランプ大統領の投稿を受けて住宅建設株や防衛関連株が売られたことで勢いを失った。トランプ氏は自身のソーシャルメディアへの投稿で、防衛企業が武器生産の拡大を進めるまで配当や自社株買いを認めないと表明し、防衛株が下落した。機関投資家による一戸建て住宅の購入禁止に向けて取り組む方針も示したため、住宅建設株も安い。
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一方、バレロ・エナジーの株価が日中ベースの過去最高値に達するなど、石油株の一角は堅調。トランプ米政権は、ベネズエラ産原油の今後の販売を管理し、その売却収益を同国の疲弊した経済の再建に充てる計画だと、ライト米エネルギー長官は述べた。ベネズエラの原油を市場に供給し、同国の最重要資源を管理するという米国の戦略を明確に打ち出す発言となった。
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朝方にはADPリサーチ・インスティテュートが12月の米民間雇用者を発表。米供給管理協会(ISM)がその後に発表した同月の非製造業総合景況指数は、2024年10月以来およそ1年ぶりの高水準となった。需要の堅調な拡大と雇用の持ち直しが支えた。
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バイタル・ナレッジのアダム・クリサフリ氏は、経済指標の内容は全体として良好だったと指摘。ただ、ダラーツリーとアップルを同等に扱う均等加重のS&P500種株価指数や小型株指数が下落した点には注意が必要だと述べた。さらに「基調としての値動きは良好とは言えない」と語った。市場では現在、9日の米雇用統計の発表が待たれており、その結果を受けて2026年の利下げ幅とペースを見直す動きになるとの見方を示した。
企業収益の堅調な伸びと、インフレが十分に抑制されているとの見方から、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後も利下げを継続できるとの楽観的な見方を背景に株価は上昇を続けている。この楽観は、米国によるベネズエラでの行動やその他の国への介入を示唆する発言、日中関係の緊張の高まりといった地政学的な状況の悪化にもかかわらず根強い。
エバーコアISIは最近のデータについて、FRBが次回会合で金利を据え置くことを示唆しているとみている。同社のマルコ・カシラギ氏は「労働市場が弱含みながらも崩壊していないことを雇用統計が示せば、FRBは1月の会合で金利を据え置くだろう。12月に利下げを実施したばかりのため、短期的に追加利下げのハードルは高くなっている」と記している。

米国債
米国債相場は中長期債が上昇。12月の米民間雇用者が前月から緩やかなペースでの増加にとどまったため、景気の勢いが鈍化している兆しと解釈され、買いが優勢になった。ただ、その後に発表された12月の非製造業総合景況指数が約1年ぶりの高水準になると、伸び悩む場面もあった。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.83% | -3.8 | -0.78% |
| 米10年債利回り | 4.15% | -2.7 | -0.66% |
| 米2年債利回り | 3.47% | 0.6 | 0.18% |
| 米東部時間 | 16時27分 |

TDセキュリティーズの米国金利戦略責任者、ジェナディー・ゴールドバーグ氏は「インフレが比較的抑制されていると見られる中、市場は労働市場の指標に非常に敏感になっている」と述べた。「労働市場に緩やかな減速の兆しが見え始めていることから、金利が一時的に上昇した場合は、長期的な観点の投資家にとって買いの好機となるだろう」と語った。
外為
外国為替市場では、ブルームバーグのドル指数が小幅高。米国のサービス業活動と求人件数に関する指標が発表されたため、もみ合う場面が目立った。
ニューヨークの取引時間帯に円は対ドルで、主に1ドル=156円台前半から後半でもみ合った。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1207.30 | 1.61 | 0.13% |
| ドル/円 | ¥156.80 | ¥0.15 | 0.10% |
| ユーロ/ドル | $1.1676 | -$0.0013 | -0.11% |
| 米東部時間 | 16時27分 |

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのマーケット戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は「ISM非製造業指数はサービス部門の堅調な活動を示しているが、物価圧力の緩和が続いており、FRBはハト派姿勢を維持するだろう」と述べた。
原油
ニューヨーク原油相場は大幅続落。米国が新たにタンカー2隻を拿捕し、すでにベネズエラ産原油の世界販売を始めていると表明したことから、供給増加の見通しがさらに強まった。ベネズエラ情勢が急転する前から、市場では供給超過が懸念されていた。
トランプ米大統領は6日、ベネズエラが米国に最大5000万バレルの原油を引き渡すと表明した。

米エネルギー省が公表したファクトシートによると、政府はベネズエラ原油の販売に加えて、ベネズエラの重質原油の「アップグレードと最適化」のために米国産の軽質原油を輸送している。
トランプ政権はベネズエラに対する制裁を選択的に解除しているとエネルギー省は述べたが、詳細は明らかにしていない。一連の動きは事実上、米国を世界屈指の有力石油商社にしている。
ライト米エネルギー長官はゴールドマン・サックス主催のエネルギー会合で、ベネズエラ産原油を米国が「流通させていく」と表明。「米国内外の製油所に販売し、原油供給を拡大させる」と述べた。
フォレックス・ドット・コムのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏によれば、ここ数日の原油先物価格は主要抵抗線である58.50ドルを上抜けるのに苦労していた。価格は心理的にもテクニカル的にも節目である55ドルを4月から維持してきたが、これを割り込めば次は50ドルに向けて売りが加速する可能性がある。
ブリッジトン・リサーチ・グループのデータによれば、商品投資顧問業者(CTA)はウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)のポジションを91%ショートに傾けた。従来は63%だった。
米国による外国籍タンカーの拿捕を含め、地政学的リスクに基づくプレミアム(上乗せ価格)はなお残る。
しかしベネズエラ産原油が大量に供給される可能性は、長期の弱気モメンタムと受け止められる。同国はかつて原油市場に大きな影響力を持っていたが、この20年間のインフラ劣化と投資不足で生産は急減し、現在では世界供給の1%も満たせていない。
トランプ米大統領はエネルギー会社経営陣らと来週中にホワイトハウスで会合する予定。トラフィグラ・グループなど大手商社はベネズエラ産原油の購入再開について話し合う。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前日比1.14ドル(2%)安い1バレル=55.99ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は1.2%下げて59.96ドル。
金
ニューヨーク金相場は反落。貴金属市場では銀とプラチナが急落し、数日前からの高いボラティリティー(変動率)が続いている。指数のウエート見直しによる売りと、供給の抑制、米関税の可能性が材料となった。パラジウムも大きく下げた。
金スポット相場はニューヨーク時間午後3時50分現在、前日比37.25(0.8%)安の1オンス=4457.58ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は同33.60ドル(0.8%)下げて4462.50ドルで終了した。
TDセキュリティーズのストラテジスト、ダニエル・ガリ氏は「商品インデックスの大幅リバランシングに伴い、まとまった売りが出るだろう」とリポートで指摘した。
今週始まる大手商品インデックス2本のウエート見直しで、金先物からは68億ドル、およそ同額が銀先物から流出するとシティグループは推計している。
地政学的な緊張で逃避需要が押し上げられる可能性も、引き続き注目されている。ベネズエラ大統領の拘束から数日が経過し、米政府はグリーンランド取得のために軍隊を活用する可能性を否定しなかった。一方で中国商務省は6日、防衛目的で使用される全てのデュアルユース(軍民両用)品の日本向け輸出を即時禁止すると発表した。

原題:US Stocks Race to a Record Stalls While Bonds Rise: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Advance on Latest Signs of Weakness in US Employment
Dollar Steady Following ISM and JOLTS Reports: Inside G-10
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