- ロシア船籍マリネラ-昨年、ベネズエラ周辺で米海軍の封鎖網を回避
- 米国はこの船に制裁対象の石油を運搬したとして制裁を科していた

Serene Cheong、Ellen Milligan、Weilun Soon
米欧州軍司令部によると、米軍は北大西洋でロシア船籍の船舶を拿捕(だほ)した。同船は、大西洋を横断する海上追跡の中心となっていたもので、米国は制裁対象とされた船舶がベネズエラとの間を往来する動きをさらに厳しく取り締まる。
同司令部はソーシャルメディアへの投稿でM/Vベラ1の拿捕を発表した。同船舶は米沿岸警備隊の艦船による追跡を受けた後、「米国連邦裁判所が発付した令状に基づき」、制裁違反を理由に拿捕されたという。
今回の拿捕は12月に始まった追跡が終結したことを意味する。米国による検疫を回避するため、同船舶がベネズエラから進路を転じて大西洋へ退避したことが追跡の発端だった。トランプ米政権は、米特殊部隊がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束する作戦を開始する直前の数日間、同大統領に圧力をかけるため、カリブ海に海軍戦力を展開していた。
ヘグセス米国防長官はXへの投稿で、「制裁対象であり、違法なベネズエラ産石油に対する封鎖は、世界のどこであれ依然として完全に実施されている」と述べた。

拿捕から間もなく、米国防総省は米軍が未明に作戦を実行し、別のタンカー、M/Tソフィアも押さえたことも明らかにした。「カリブ海で違法な活動を行っていた」とされ、最終処分のため米国へ向かっていると、米南方軍がXで明らかにした。
ベラ1の拿捕はロシアとの緊張を高める恐れがある。同船舶は拿捕を回避する狙いからロシア船籍に変更し、船舶名もマリネラに変更した。米国は2024年、同船に対し、イランの支援を受ける武装組織ヒズボラと関係ある企業向けに制裁対象の石油を運搬したとして、制裁を科していた。ヒズボラは米国がテロ組織に指定している。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたところによると、ロシアは同船を護衛するため、潜水艦やその他の海軍戦力を派遣し、米国に対して追跡を停止するよう求めていた。
タンカー・トラッカーズによると、米国はこれにより、ベネズエラを出入りする船舶への海上封鎖措置を導入して以降の数週間で、タンカー計4隻を拿捕した。同サイトによると、4隻はいずれも米国の制裁対象の船舶だった。
原題:US Seizes Russia-Flagged Tanker After Chase Across Atlantic (2)(抜粋)
