▽衆院選「異例の短期決戦」で経済優先と両立へ…高市首相「決断したら最短で戦う」と周囲に決意<読売新聞オンライン>2026/01/14 05:00

日韓首脳会談後に共同記者発表をする高市早苗首相(13日午後、奈良市で)=代表撮影

前田毅郎、薦田大和、田中俊資

 高市首相が検討する衆院選は2月8日投開票の日程が軸となる方向で、異例の短期決戦となる公算が大きくなった。2026年度予算案の審議への影響をできるだけ抑え、経済最優先とする政権運営方針との両立を図る狙いからだ。(政治部 前田毅郎、薦田大和)

日韓首脳会談後に共同記者発表をする高市早苗首相(13日午後、奈良市で)=代表撮影

解散前提の動き活発

 首相は13日、地元の奈良市で開かれた日韓首脳会談後に共同記者発表に臨んだ。衆院解散の検討に入ったとの報道後、初めての取材機会となったが、解散への言及は避けた。だが、首相は周囲には「決断したら最短で戦う」との決意を示している。

 首相の短期決戦への秘めたる覚悟をくみ取るように、政府・与党内では、解散を前提とした動きが活発化している。木原官房長官は13日、自民党の鈴木幹事長や石井準一参院幹事長とそれぞれ面会した。関係者によると、解散を視野に入れた日程状況を共有し、意見を交わした。自民の梶山弘志、日本維新の会の遠藤敬両国会対策委員長は国会内で会談し、選挙を見据え、与党間で連携していくことを確認した。

 首相が23日に解散し、2月8日投開票とすれば、解散から投開票までは16日間だ。岸田内閣時の21年衆院選の際の17日間の最短記録を更新する。

「政治空白」短いほど

 首相が「最速日程」にこだわるのは、26年度予算案の審議への影響を最小限に抑え、経済対策を「最優先」とする基本方針との一貫性を保ちたいとの思いからだ。衆院選となれば、年度内成立は難しくなるものの、最短の投開票日とすれば、それだけ予算案を早く成立させられる可能性が高まる。

 首相は外交・安全保障や危機管理にも注力する姿勢を打ち出してきた。緊迫化するイラン情勢などの国際情勢を踏まえれば、「衆院選による『政治空白』は短いほどいい」(周辺)との意向もあるとされる。

 日程の検討では、選挙戦術上の要因も考慮に入れているとみられる。立憲民主、国民民主、公明など野党各党は候補者擁立や各党間の候補者調整などの準備が整っていない。自民幹部は「野党に時間を与えない方が勝機が大きい」と強調する。

 読売新聞の昨年12月の全国世論調査では、内閣支持率は73%に上った。与党内では「首相への支持の高さは間違いない。勢いに陰りが出ないうちに勝負するのが得策だ」(閣僚経験者)と見る向きも多い。

野党「止められない」

 虚を突かれた野党は批判を強め、首相をけん制するのに懸命だ。

衆院解散を巡る政府・与野党幹部の主な発言
衆院解散を巡る政府・与野党幹部の主な発言

 国民民主党の玉木代表は13日の記者会見で「『経済後回し解散』と言わざるを得ない」と指摘した。同党は昨年12月、所得税の非課税枠「年収の壁」の引き上げで自民と合意し、早期の予算成立への協力を約束したばかりだ。協議では自民側から「年度内成立」への協力も求められていたとして、「話が違う」(幹部)との怒りの声も上がる。

 立憲民主党の野田代表も記者団に「切れ目ない予算執行など、政治空白を作れない状況だ」と訴えた。

 もっとも、野党に解散を止める手段はない。昨年10月まで与党だった公明党の斉藤代表は13日の党会合で「国民生活を無視した解散ではないか」と疑問を呈したが、「止められない。首相の専権事項だ」と吐露した。

年度またぎ「暫定」予算に…社会保障費など最低限

 新年度予算案の成立には通常国会への提出後、衆参両院の審議などで2か月程度かかることが通例だ。年度替わりの4月以降、年金や生活保護などに必要なお金や公務員の給料などを払えなくなることを避けるため、例年は3月末までに成立させている。

 高市政権は2025年12月26日、一般会計総額が過去最大の122兆3092億円となる26年度予算案を閣議決定した。当初は1月23日の通常国会召集日に提出する予定だったが、解散・衆院選が実施されれば国会提出は先送りされ、年度内の成立は難しくなる。

 政府は過去にも年度をまたいで予算案を成立させたことが度々ある。その際には空白期間を埋めるために暫定予算を編成し、国民生活への影響を最小限に抑えてきた。直近では第2次安倍政権の13年と15年に暫定予算を編成した。

近年の暫定予算
近年の暫定予算

 暫定予算は社会保障費など必要最低限の経費だけが盛り込まれ、規模は数兆~10兆円程度となるのが通例だ。新年度予算が成立すれば暫定予算は失効し、新年度予算に吸収されるため、全体の予算規模が膨らむことはない。

 13年は4月1日から5月20日まで50日間、一般会計総額で13兆1808億円の暫定予算が組まれた。12年12月16日の衆院選で政権交代が行われ、新年度予算の編成スケジュールが通常よりも遅れた。15年は4月1日から11日までの暫定予算(一般会計総額5兆7593億円)を編成した。

 今回は、政府が予算案を編成し閣議決定した後に解散・衆院選に踏み切るという点で異例のケースといえる。新内閣発足後の国会審議を踏まえると、予算成立は最速でも4月中にずれ込む見通しで、「つなぎ」となる暫定予算の期間や規模も焦点となる。(経済部 田中俊資)

▽高市首相、趣味のドラムで李大統領と「サプライズ共演」…BTSの「Dynamite」など演奏<読売新聞オンライン>2026/01/13 23:23

首脳会談で韓国の李在明大統領(左)に着席を促す高市首相(13日午後2時29分、奈良市で)=代表撮影

首脳会談で韓国の李在明大統領(左)に着席を促す高市首相(13日午後2時29分、奈良市で)=代表撮影

「日韓首脳、高市首相の地元・奈良で会談」の動画はこちら

ドラム演奏で共演する高市首相(右)と韓国の李在明大統領(内閣広報室提供)

ドラム演奏で共演する高市首相(右)と韓国の李在明大統領(内閣広報室提供)

 高市首相と韓国の 李在明イジェミョン 大統領が13日の会談後、首相の趣味であるドラム演奏で共演する一幕があった。首相がサプライズで用意した演出で、韓国の人気グループ「BTS」のヒット曲「Dynamite」と、ネットフリックス映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」の劇中歌「Golden」を演奏した。昨年10月の初会談時に李氏がドラムに関心を示したことから準備したもので、首相はX(旧ツイッター)で「大統領から長年の夢だったドラム演奏ができてうれしいと言ってもらった」と書き込んだ。