• フィラデルフィア半導体株指数は最高値更新、米・台湾の合意も支え
  • 米国債利回り上昇、利下げ観測やや後退-円は一時対ドル158円88銭
ハイテク中心に米国株は上昇
ハイテク中心に米国株は上昇Photograppher: Michael Nagle/Bloomberg

Rita Nazareth

15日の米株式相場は反発。テクノロジー株が上昇をけん引した。人工知能(AI)関連の代表的企業が強気な業績見通しを示したことを受け、強気相場の原動力となってきた同セクターの勢いが続くとの期待が復活した。景気の強さを示す兆候を背景に、小型株も買われた。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6944.4717.870.26%
ダウ工業株30種平均49442.44292.810.60%
ナスダック総合指数23530.0258.270.25%

  フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.8%高となり、最高値を更新した。台湾積体電路製造(TSMC)は、2026年の設備投資が最大560億米ドル(約8兆8800億円)に上るとの見通しを発表。足元のデータセンター投資の持続性を巡る懸念が和らいだ。エヌビディアは2%超の上昇。

  米国が台湾に対する関税引き下げ、および対米半導体投資拡大で合意したことも市場のセンチメントを支えた。

関連記事:米国と台湾、関税15%に引き下げへ-対米半導体投資拡大で合意 (1)

  ゴールドマン・サックス・グループの2025年10-12月(第4四半期)の株式トレーディング収入は市場予想を大きく上回り、米銀史上最高を記録した。モルガン・スタンレーでは、債務引き受け業務の収入が前年同期比93%増加した。

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  小型株のアウトパフォーマンスは続き、ラッセル2000指数は1990年以来の長期となる10営業日連続で、S&P500種株価指数を上回った。

  フォレックス・ドット・コムのファワド・ラザクザダ氏は「巨大ハイテク銘柄から景気敏感株への資金移動が進んだため、ここ数週間はテクノロジー株が脆弱(ぜいじゃく)に見えていた」と指摘。「TSMCの決算発表はこうした『ローテーション』を完全に反転させたというよりも、ひとまず落ち着かせたようだ」と述べた。

  その上で、今後数週間はテクノロジー株への楽観と相場の裾野の広がりという両要素のバランスが、引き続き重要になるとの見方を示した。

  スレートストーン・ウェルスのケニー・ポルカリ氏はこの日の動きについて、特にテクノロジー株でちょっとした「バーゲンハンティング」が出ていると述べ、TSMCのニュースと過去2週間の調整を指摘した。

  「企業決算が予想を上回り、経済指標が引き続き追い風となれば、相場は『上昇、調整、再上昇』という展開をたどる可能性が高い」と続けた。

  ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのマーク・ニュートン氏は「全体としては、米国の株価指数では幅広い反発が再び始まるとみられる。ただ上昇の度合いは、最近弱含んでいたハイテク7強『マグニフィセント・セブン』がもう少し安定感を示すかどうかに左右されそうだ」と述べた。

国債

  米国債市場では短期債を中心に利回りが上昇。経済指標で労働市場の強さが示唆され、年内の利下げ観測がやや後退した。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.80%1.20.25%
米10年債利回り4.17%3.90.95%
米2年債利回り3.56%5.41.55%
米東部時間16時35分

  先週の米新規失業保険申請件数は予想外に減少し、昨年11月以来の低水準となった。ホリデーシーズン特有の変動後も抑制された水準が続いている。ニューヨーク連銀製造業景況指数は1月に、市場予想以上に上昇した。一方、販売価格指数は1年ぶりの低水準となった。

関連記事:米新規失業保険申請、予想外に減少-全エコノミスト予想下回る (2)

  短期金融市場では年央までに1回、年末までにもう1回の利下げが実施されるとの見方をやや後退させる動きが出た。ただし、こうした利下げシナリオ自体は依然として、ほぼ完全に織り込まれている。

  みずほインターナショナルの欧州・中東・アフリカ(EMEA)マクロ戦略責任者、ジョーダン・ロチェスター氏は「『次期連邦準備制度理事会(FRB)議長の就任まで利下げはない』との見方が市場では強まりつつある。今回のデータはこのシナリオを補強する」と指摘した。

  パウエルFRB議長は5月に任期満了となる。トランプ大統領は後任について、利下げ要求に応じる人物を指名する考えを示している。

  アトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレが高過ぎるとして、景気抑制的なスタンスを維持する必要があると述べた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、労働市場に安定の兆しが見られるとして、FRBの最優先課題はインフレ抑制であるべきだとの考えを示した。

外為   

  外国為替市場の円は対ドルで158円台後半。一時は158円90銭近くまで売られる場面もあった。

  ブルームバーグ・ドル・スポットは小幅上昇。利下げ観測の後退が背景にある。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1211.681.030.09%
ドル/円¥158.62¥0.160.10%
ユーロ/ドル$1.1609-$0.0035-0.30%
米東部時間16時36分

  日本銀行が円安による物価上振れや経済への影響に警戒感を強めていることが、複数の関係者への取材で分かった。来週の金融政策決定会合は政策維持が決まる見通しだが、一層の円安が今後の利上げペースを速める可能性も指摘されている。

関連記事:日銀、円安進行に伴う物価上振れや経済への影響を一段と警戒-関係者

  カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)のマクシミリアン・リン氏は「植田和男総裁は来週の記者会見で、円相場に関して中立的なトーンを維持すると当社ではみている」と述べた。日銀は22、23日に決定会合を開く。

  ソシエテ・ジェネラルのキット・ジャックス氏は、円に対してドルを売るよりも、対円でユーロを売る方が有利だと指摘。ドルへのエクスポージャーを減らそうとしても、予測不可能な米国の地政学動向に対する防衛策にはならない可能性があるとの見方を示した。

  シティグループのアナリスト、ダニエル・トボン氏は「今年上期に米経済成長が再加速し、労働市場を下支えするとみている。今回の新規失業保険申請件数は、その可能性をある程度裏付けている」と話した。

原油

  ニューヨーク原油先物は6営業日ぶりに下落。昨年6月以来の大幅安となった。イランが反政府デモ参加者の処刑はしないと約束し、米国がイランへの攻撃を当面見送る考えを示したことが手掛かり。

  ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は過去1週間で10%上昇していた。米紙ニューヨーク・タイムズによると、イスラエルのネタニヤフ首相はトランプ米大統領に対し、イランへの軍事攻撃計画を延期するよう求めた。この報道を受け、米国による即時の軍事行動や、イランの原油生産および主要輸送ルートに混乱が生じる可能性は後退したとの見方が広がった。

  トランプ氏は14日、「イランでの殺害が止まりつつある」との報告を受けたと記者団に明らかにしつつ、体制側の弾圧が続くようなら「極めて遺憾だ」と付け加えた。ホワイトハウスのレビット報道官は15日、暴力が続けば「重大な結果」を招くと改めて警告し、市場には警戒感も広がった。

  こうした中、米財務省はイラン最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ事務局長らに対する制裁を発表した。

  PVMのアナリスト、ジョン・エバンス氏は「最近の相場を強く押し上げてきたイラン情勢は、一夜にして緊張感が大きく後退する展開となった」とし、「リスクプレミアムのはしごは外された」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日比2.83ドル(4.6%)安の1バレル=59.19ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は2.76ドル(4.2%)下げて63.76ドル。

  金相場は反落。銀相場も下げに転じた。銀は先の急上昇を受けて利益確定の動きが広がったほか、米国が重要鉱物を対象とする新たな関税の即時導入を見送ったことが意識された。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後2時25分現在、6.69ドル(0.1%)安の1オンス=4619.89ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は12ドル(0.3%)下落の4623.70ドルで引けた。

  トランプ米大統領が重要鉱物の十分な供給を確保するため、二国間で交渉する方針を表明し、最低価格を設定する案を示した。ただ今後の関税賦課を否定しなかった。

  最新のマーケットパルス調査によると、金の上昇は1月を過ぎても持続する見込みだ。銀と銅も同様の節目を迎えたが、供給制約の持続性を投資家が慎重に見極める中、両金属への資金流入には鈍化の兆候が見られる。

原題:Stocks Get AI Boost as Small Caps Keep Rallying: Markets Wrap(抜粋)

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