Nao Sano

世界最大級の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の内田和人理事長は16日の記者会見で「2025年度は株式・債券が大きく変動する局面がたびたびあり、リバランスに関して非常に難易度の高い運用となっている」との認識を示した。

  内田氏は「われわれは長期的な運用を視野に入れてリバランスを行っている」とした上で、「例えば株式・債券の変動に即してかなり頻繁にリバランスを行っていくと取引コストがかさむ」と指摘した。「市場の流動性や影響にもかなり注意をしている」といい、先物の活用や日本国債の直接入札など「新しい取り組みを用いながら細かいリバランスを行っている」と述べた。

  GPIFは国内外の株式と債券に25%ずつ運用資産を配分しており、相場によって変動する各資産の割合をこの基本ポートフォリオ通りに修正するリバランス作業を行っている。GPIFの開示資料によると24年度には69回実施した。昨年9月末時点の運用資産額は277兆6000億円に上っており、市場への影響を抑えながら資産配分を見直すことの難しさは増している。

  基本ポートフォリオに沿った運用の精緻化を進める中、先物取引の活用が以前に比べて増えているとして、GPIFは昨年12月に自家運用での債券と株式指数の先物取引について注文執行する証券会社を公募すると発表している。

  国内の金利上昇については「基本的には運用環境においてはプラスになる」との考えを示した。また、長期的な経済成長シナリオに基づいて基本ポートフォリオを設定しており、金利環境の変化などのリスクをすでに織り込んで運用していると述べた。

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