新党「中道改革連合」(中革連)が正式に旗揚げした。予期せぬ解散あり新党結成ありと、政界は相変わらず民意を無視した“政権ゴッコ”に明け暮れている。政党とは議会の多数を握って政策を実現することを目的としている。だから与党が都合のいい時に解散に打って出ることも、野党が多数派を目指して新党を結成することも自由で合法だ。沈滞した政界の活性化につながる可能性もある。どちらの動きも歓迎したい。ただし条件がある。何をしたいのかを明確に打ち出すことだ。高市政権は「責任ある積極財政」を掲げている。旧来の自民党政権が中心となって進めてきた財政健全化路線を180度の転換する政策だ。これに対して中道改革連合は、「中道政治の輪を広げる」(斉藤公明党代表)としている。その中身は何か。公明党の斉藤代表は「公明の理念・政策をより大きな立場で実現していくスタート地点に立った」と強調する。要するに立憲民主党の基本政策は破棄され、政策は公明路線に便乗するということだ。
それもいいだろう。村山政権が一夜にして自衛隊違憲路線を転換したのと一緒だ。前例もある。基本政策を突然変更する是非にこだわっていたら、政治の現実を見失う。自民党だって健全財政から積極財政に大転換しつつある。基本政策などいかにもなる。自民党は少なくとも総裁を変えた。中革連は野田氏と斉藤氏が続投する。斉藤氏はともかく野田氏は、シロアリ論争以来2度目の大転換だ。自省はないのか。控えめな発言に終始していることが、過去との訣別を意味しているのかもしれない。問題は支持率だ。高市政権は積極財政を打ち出して以来、高い支持率を維持している。対する公明、立憲民主両党の支持率は、傾向的に「ジリ貧」路線をたどってきた。逆に言えば、だから清水の舞台から飛び降りる決断ができた。要するに瀕して鈍した政党が、「窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)」の例えに従って決断した。一か八か、それも政党や政治家にとってとって大事なことだ。時代は変わる。変幻自在も一つの能力だ。
問題は支持率だ。高い低いを言いたいわけではない。支持率の中身だ。主要メディアの世論調査を見ると高市政権の場合、支持率が高いのは60代以下の世代だ。とりわけ20代から40代の現役世代は、これまでの政権に比べるとかなり高い。この真逆をいくのが公明党と立憲民主党だ。60代以降で世代が高齢化するに従って高くなる。斉藤氏73歳、野田氏68歳。高市氏は64歳だ。実年齢の若さだけではない。トランプ氏来日の折に米軍基地を訪問した高市氏は、米兵の前で拳を突き上げるように踊っていた。韓国大統領との首脳会談では、ドラムを叩いてみせた。精神年齢が若いのだ。これが若者に受ける一つの要素だ。政治家はもはや腹芸や水面下の交渉能力で評価される時代ではない。有権者の前で競うパフォーマンスが決め手になる。産経新聞によると中革連はSNS上で、「古い」「ダサい」「怖い」ものとして盛り上がっているという。要するにイメージはかつての中核派に繋がり、孫に見捨てられたお爺ちゃん世代と見られている。その意味で今回の選挙、若者とお爺ちゃん世代の戦いでもある。果たして結果は・・・。
