▽自民30年ぶり自力の選挙戦・新党「中道」は期待感が追い風…衆院選、与野党2大勢力が激突<読売新聞オンライン>2026/01/18 23:49

衆院選を巡る与野党の主な相関図

衆院選を巡る与野党の主な相関図

中田征志、薦田大和

 衆院選の構図は、自民党と新党「中道改革連合」の対決が軸となる見通しだ。自民は約30年ぶりに公明党からの選挙協力を受けない自力での選挙戦となる一方、立憲民主、公明両党は新党結成への期待感を追い風として勝利を狙う。国民民主などの野党は党勢拡大を目指している。(政治部 中田征志、薦田大和)衆院選

 「選挙目的に作られた政党だ。政党はまず理念があり、基本的な政策が整って作られるが、順番が逆だ」

 自民の鈴木幹事長は18日のNHKの討論番組で、中道改革をそう批判した。

 これに対し、一緒に出演した立民の安住幹事長は「政治空白を作り、国民生活を犠牲にした大義なき衆院解散と言わざるを得ない」と応戦。公明の西田幹事長も「物価高対策先送り解散だ」と呼応し、与野党間で早速火花を散らした。

 自民が立民以外の野党第1党とぶつかるのは、2017年衆院選の希望の党以来となる。自民の衆院議員は196人で、中道改革は立民、公明両党の全衆院議員が合流すれば172人と、自民に匹敵する規模となるだけに、与野党の2大勢力の激突に注目が集まりそうだ。

 自民は24年の前回選で惨敗したため、党内では、その反動も含めて「議席を増やせる選挙だ」と見る向きが多い。読売新聞社の世論調査では自民支持率は上向いていないものの、高市内閣の支持率が7割超と高止まりしているため、自民幹部は「首相人気を前面に掲げたい」と語る。首相は党内保守派の代表格で、「岩盤保守層」の自民回帰にも期待が寄せられている。

 衆院選で自民が公明からの選挙協力を受けずに自力で戦うのも、1996年10月以来となる。公明票は1選挙区あたり1万~2万票程度の底上げになっていたとされ、激戦区では勝敗を左右してきた。自民内では、新党への警戒感が広がるにつれ、「地域の事情に応じて自民候補も公明の協力を得られるのではないか」(中堅)と探る向きも出ている。

 連立与党の日本維新の会は、約80の小選挙区への擁立を決めている。うち約70選挙区で自民と競合するものの、それ以外では、自民への「協力という柔軟な対応をする」(藤田文武共同代表)。

 もっとも、支持母体の創価学会がある公明と比べて、維新は本拠地の大阪以外では強固な組織に乏しい。吉村代表(大阪府知事)は、府知事と大阪市長の出直しダブル選を衆院選に合わせることで票を掘り起こすことも狙っているが、与党の追い風になるかどうかは不透明だ。

 中道改革は約200人の擁立を目指している。公明が小選挙区選からの撤退を表明したため、実態は立民の候補を立民と公明でともに支援する形となる。

 選挙戦では、立民の支持母体である労働組合の票と公明の組織票を土台に、「中道路線」に共鳴する無党派層を上乗せする戦略を描く。高市内閣により国内で「右傾化が進んでいる」(公明の斉藤代表)と訴え、「合意形成の積み重ね」や「生活者ファーストの政策」を掲げて浸透を図る考えだ。

 ただ、公明は長く与党として立民と対抗してきた経緯があり、公明支持票がすべて中道改革の候補に回るかどうかは見通せない。公明側の候補は比例選の上位で優遇される見通しのため、「公明支持層は全力で選挙に臨まないのではないか」(自民ベテラン)との指摘もある。

国民民主は独自路線

 国民民主党は、自民党と中道改革連合のいずれとも距離を置いている。独自路線を強めることで支持を集めようとする狙いがありそうだ。

 国民民主の榛葉幹事長は18日のNHK番組で「与野党ともに、国民生活そっちのけの選挙だ」と述べ、自民と、野党第1党となる中道改革の動きを批判した。

 国民民主は昨年12月、所得税の非課税枠「年収の壁」の引き上げで自民と合意した際、2026年度政府予算案を年度内の早期に成立させることも確認した。通常国会冒頭の衆院解散で予算の年度内成立が困難となるため、国民民主の玉木代表は「信頼関係が揺らぐ」と反発を強め、予算案についても「賛成を確約できなくなる」として、協力見直しを示唆している。

 新党に対しては、榛葉氏が15日、立民の安住幹事長から電話で合流を呼びかけられた際に即座に拒否したという。17年衆院選の際には、小池百合子・東京都知事が「希望の党」を結成したものの、自民が圧勝する結果となった。中道改革について、国民民主幹部は「小池氏のいない希望みたいなものだ。脅威ではない」と指摘する。

 国民民主は、衆院選で100人の候補擁立を目指しており、自民だけでなく中道改革との対決も辞さない構えだ。中道改革に同調する動きは野党内で広がっておらず、共産党やれいわ新選組も距離を取っている。これに対し、立民からは「野党がバラバラでは自民を利することになる」との不満も漏れる。

 昨年の参院選で躍進した参政党は、衆院での勢力拡大を狙って160人規模の擁立を見据えている。

 神谷代表は、政策が近い他党の立候補予定者がいる小選挙区では、候補擁立を見送る可能性に言及しており、自民内では参政からの「協力」に期待する向きもある。神谷氏は17日夜、さいたま市で街頭演説し、「我々は日本を守りたい。高市首相にもそれをやってもらいたい」と訴えた。

▽維新・吉村氏、ダブル選「相談不十分」と所属議員に陳謝…「僕一人ではポスター貼ることもできない」と協力求める<読売新聞オンライン>2026/01/19 07:25

出直しダブル選出馬について記者会見する吉村氏(15日午後、大阪市中央区で)=宇那木健一撮影

 地域政党・大阪維新の会は18日夜、大阪市の党本部とオンラインで緊急の全体会議を開き、吉村洋文代表(大阪府知事)が出直しダブル選の実施に向けて一致団結を呼びかけた。

出直しダブル選出馬について記者会見する吉村氏(15日午後、大阪市中央区で)=宇那木健一撮影

 全体会議は非公開で行われた。出席者によると、吉村氏は、急きょダブル選に踏み切ったことについて「(所属議員への)相談が不十分でおわび申し上げる」と陳謝。「僕一人ではポスターを貼ることもできない」として、選挙への協力を求めた。

▽新党「中道」参加への事実上の条件、安保法制合憲・原発再稼働の容認…公明・斉藤代表が見解<読売新聞オンライン>2026/01/18 17:33

公明党の斉藤代表

 公明党の斉藤代表は18日、安全保障関連法を合憲と認め、原子力発電所の再稼働を容認する議員らが新党「中道改革連合」に合流するとの認識を示した。「どなたかを排除するという論理はとらない」とも述べたが、事実上の参加条件とみなされることになりそうだ。

公明党の斉藤代表

 東京都内で記者団に語った。斉藤氏は、新党の基本政策に、安保法制が合憲であることを前提とする政策や、原発の再稼働容認を盛り込むとの考えを示した。その上で「賛同する方が(新党に)入ってきていただく」と説明した。公明と新党を結成した立憲民主党は昨年7月の参院選の公約などで、安保法制の「違憲部分の廃止」を掲げていた

▽世耕弘成氏、二階俊博氏と「握手交わした」…自民・和歌山2区は無所属の世耕氏「支持」で候補擁立せず<読売新聞オンライン>2026/01/18 16:00

世耕弘成氏(和歌山市で)

 次期衆院選の和歌山2区に公認候補を擁立しないことを決めた自民党県連は17日、和歌山市内で開いた年賀会で党の方針に従い、無所属現職の世耕弘成・元経済産業相(63)を支持することを関係者らに説明した。

世耕弘成氏(和歌山市で)

 県連の石田真敏会長は、予想される選挙戦まで時間がないことや情勢調査の結果を踏まえて世耕氏を支持するという党本部の方針を受けた対応であると経緯を述べた。16日に開いた県連の代表役員会で、党本部に従うことを決めたと伝えた上で「保守分裂を避け、県連が一つになり、県の発展のため頑張ることが大事だ」と理解を求めた。

 年賀会では、元党幹事長の二階俊博氏も「県連一丸となってやろう。和歌山をますます、すばらしい県に発展させる」と語った。

 宮崎知事も出席し、「自民党にはしっかり戦っていただき、私も応援したい」とあいさつした。

 16日の代表役員会では、県連側と世耕氏は友好関係を尊重することなどについて確認書に署名した。世耕氏は報道各社の取材に「歩みを一つにしていこうということを確認した」と述べ、二階氏と握手を交わしたと明かしていた。

▽「古い」「ダサい」「怖い」…「中核連?」野田、斉藤両氏がSNS上の新党批判に向き合う<産経ニュース>2026/1/19 09:48

奥原 慎平

新党「中道改革連合」を紹介するユーチューブ動画の収録に臨む、立憲民主党の野田佳彦(左)、公明党の斉藤鉄夫両代表=17日午後、東京都千代田区
新党「中道改革連合」を紹介するユーチューブ動画の収録に臨む、立憲民主党の野田佳彦(左)、公明党の斉藤鉄夫両代表=17日午後、東京都千代田区

立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表は18日配信した両党のユーチューブチャンネルで共演し、「【炎上】なぜ組んだ!?立憲×公明への不信を本人たちに全部聞いてみた!」と題し、新党「中道改革連合」を巡るSNS上の批判コメントに向き合った。番組では、野田氏が公明への注文を控えたり、自身の発言を釈明したり、公明の考え方が新党のベースだと説明したりするなど、低姿勢ぶりもにじんだ。

「中道です」

冒頭、進行役の男性が、SNS上の新党批判について把握しているかを問うと、斉藤氏は「はい」、野田氏も「うん」。把握しているという。

まず問われたのが新党名の略称について。2人は「略して…中道!」と声を合わせたが、SNSでは「中核連」「中核」など間違った略称が散見されるという。

進行役が「中核連じゃない?」と確認を求めると、2人はそれぞれ「中道です」と手を振りながら、アピールした。

「反省を」

新党名の「中道改革連合」に対しても、SNS上で「古い」「ダサい」「怖い」と酷評されているという。

斉藤氏は「中道」の言葉について、「人間社会をより良くするため最も必要なこと。最も新しい言葉だ」と述べ、野田氏は「改革」を「具体的な政策」、「連合」を「公明と立民だけでなくもっと広げていく意味」と説明した。

力説する2人に進行役は相づちを打った上で「若者は古いと思っていることだけは反省してほしい」と反省を求めると、2人は頭を下げた。

立民に「まとまることが大事」

両党を巡っては、公明が連立離脱する昨年10月まで与野党として敵対関係にあった。

進行役は「一朝一夕で仲良くやれるのか」と疑問をぶつけると、野田氏は「過去いろいろとあったが、アウフヘーベン(=違った考え方を持ち寄って新しい考えに統合すること)して、味方になって上に行く」と語った。

斉藤氏は「信頼関係を築くスタートに立った」と述べた。

互いに変わってほしい所もそれぞれ問われた。

斉藤氏は、立民に対して「非常に多様な方々の集まり」と評し「一つの党になる上でまとまりが大事。まとまっているのは政党の魅力として大事。ぜひご努力いただきたい」と「まとまること」を繰り返し強調した。野田氏に対し「党内を取りまとめるのに苦労されたと思う」とも語った。

野田氏は、公明に対し「変わってほしい」所に、注文は特になかった。

「『不倫』はしていません」

野田氏は15日の立民の会合で「(昨秋の)自民党総裁選の最中から公明と水面下で協議を進めてきた」と述べ、公明側の反発を招いた経緯がある。

事実ならば、公明は当時連立を組んでいた自民と二股をかけていたこととなり、野田氏は既に「公明党が連立を解消したころから、この流れは始まった」(X=旧ツイッター)と釈明している。

進行役は「ネットでは〝不倫〟していた、みたいな意見もある」と問うと、野田氏は「時系列が正確でなく、勘違いで、正確にいえば連立解消してからが正式な協議だ」と重ねて強調した。

「個人的な付き合いでの会話はずっとあった」と述べ、勘違いした経緯も説明した。

斉藤氏も「連立離脱前に中道改革勢力の結集を具体的にやっていく話は一切していない」と強調。進行役が「〝不倫〟はしていないですね」と問うと、「はい、〝不倫〟はしていません」と語った。

新党の考えは公明がベース

新党の基本理念や政策について、野田氏は「ベースになる考え方は公明が提案した考え方」と述べ、「われわれも熟読玩味し『ここはちょっと調整必要ですね。われわれが言っていることと整合性を取りたいので。可能ですか』と協議してきた」と振り返った。

斉藤氏も「公明の理念が中道にそのまま移った。公明の理念政策をより大きな立場で実現していくスタート地点に立った」と説明。この考えを電話で支援者にも伝えているという。

一方、斉藤氏が使っている電話はスマートフォンではなくガラケー。進行役は「是非ネットでもお願いします。代表、グループ通話できないですもんね」と、斉藤氏と近しい関係にあることをうかがわせた。やや自虐的で、挑戦的な今回のテーマ。取り仕切ったのは公明側の戦略だったようだ。(奥原慎平)