- ドイツのキール世界経済研究所の分析が示す
- 関税負担の96%は米国の買い手、外国企業は4%

トランプ米大統領が米国への輸入品に課した関税は、ほぼ全てが米国の輸入業者やその米国内顧客、最終的には米国の消費者によって負担されている。ドイツのキール世界経済研究所の研究が示した。
同研究所が19日に公表した報告書は、「外国の輸出業者は、米国の関税引き上げに対応して価格を引き下げてはいない」と指摘した。その上で、米政府の「関税収入が2000億ドル(約31兆6000億円)増加したということは、米国の企業と家計から2000億ドルが引き出されたことを意味する」と結論付けた。
研究によると、関税負担のうち外国企業が負っているのは約4%にすぎず、96%が米国の買い手に転嫁されている。
関税を支払う輸入業者は、そのコストを自ら吸収するか、販売価格を引き上げるかを迫られる。次の段階では製造業者や小売業者が、コスト増を消費者が支払う価格に転嫁するか、利幅の圧縮を受け入れるかの判断を迫られる。
「関税は外国の生産者に対する税ではなく、米国人に対する消費税として機能している」と、キール研究所の研究者、ジュリアン・ヒンツ氏、アーロン・ローマン氏、ヘンドリック・マールコウ、アンナ・フォアヴィグ氏は論じた。
研究は、昨年に高率で広範な米国の関税対象となったブラジルとインドに焦点を当てた。50%の関税が発効した後も、ブラジルの輸出業者はドル建て価格を「大幅には引き下げなかった」。インドでも同様の傾向が見られた。
輸出業者が関税負担をあまり引き受けない理由の一つは、販売先を他市場に振り向けられることだ。「調整は価格の譲歩ではなく、貿易量の減少を通じて起きる」とキール研究所の論文は指摘した。
この研究結果は、関税は貿易相手国が負担するというトランプ政権の主張と真っ向から対立する。
政権は関税を、米国の家計に負担をかけることなく、貿易相手国から譲歩を引き出し、米政府の歳入を生み出す手段と位置づけてきたが、「研究は逆の結果を示した。米国の輸入業者と消費者が、ほぼ全てのコストを負担している」という。
原題:Americans Bear Almost All the Cost of Trump Tariffs, Study Shows(抜粋)
