• S&P500先物、ナスダック100先物ともに下落-金は4670ドルを突破
  • 市場はリスクオフ、先行きはEUの対応が左右へ-円は対ドルで小動き
19日の金融市場では米欧の株価が下落。欧米間の貿易摩擦懸念が再燃したことが響いた。
19日の金融市場では米欧の株価が下落。欧米間の貿易摩擦懸念が再燃したことが響いた。Photographer: Geert Vanden Wijngaert/Bloomberg

Andre Janse Van Vuuren

19日の金融市場では米欧の株価が下落した一方、金は最高値を更新した。トランプ米大統領がグリーンランド領有を巡り欧州に対する圧力を強め、欧米間の貿易摩擦懸念が再燃したことが響いた。

  S&P500種先物は0.9%近く、ナスダック100先物は1.1%それぞれ下落している。ストックス欧州600指数は2カ月で最大の下げ。自動車メーカーや高級品など、米国市場の影響を最も受けやすい部門が大きく下落した。

  暗号資産(仮想通貨)ビットコインも大幅下落。一方、金スポット価格は上昇し、1オンス=4670ドルを突破した。米国は19日、キング牧師生誕記念日の祝日で、株式や債券など一部が休場となっている。

  トランプ氏がグリーンランド領有を巡り新たな関税を警告したことで、政権2期目の始動時のような混乱が起こるリスクが再び高まっている。欧州当局者らが譲歩しない姿勢を示し、対抗措置を検討していると伝わったことで、売りがさらに広がった。

  IGのチーフ市場アナリスト、アレクサンドル・バラデス氏は「市場の緊張感ははっきりと感じ取れる」と指摘。「クレジットカードの問題や米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性、関税などさまざまな懸念が積み重なっており、株式相場がさらに最高値を更新し続ける理由は見当たらない」と語った。

  企業業績の底堅さや人工知能(AI)への継続的な投資に支えられ、これまで市場ではリスク選好が続いてきた。先行きは欧州連合(EU)がどう対応するかに左右されそうだ。EUは現在、930億ユーロ(約17兆900億円)相当の米国製品に関税を課す可能性を協議している。

  週末のブルームバーグ報道によれば、フランスのマクロン大統領は、EUで最も強力な報復手段とされる「反威圧措置(ACI)」の発動を模索しているとみられる。一方、ドイルのメルツ首相は19日、ドイツは輸出への依存度が高いため、対抗措置の発動には慎重だと語った。

  サンタンデール・アセット・マネジメントの欧州戦略責任者、フランシスコ・シモン氏は「今後数日における注目点は、こうした発言が実際の措置に発展するのか、それとも単なるレトリックにとどまるかだ。それにより市場の反応は明確に変わってくる」と述べた。

  米10年債先物は下落し、同年限の現物債利回りが2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇する動きを示唆した。

  外国為替市場ではドルが下落。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%下げた。円は対ドルで小動きとなり、1ドル=157円台後半から158円台前半で推移している。スイス・フランがアウトパフォームする一方、ユーロは上昇した。

  グリーンランドを巡りトランプ大統領が欧州諸国に対して関税発動を予告したことで、欧州側が保有する米国資産を縮小し、それがユーロを支える可能性があるとの見解を、ドイツ銀行のストラテジストが示した。

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  ビットコインは一時2.6%下げて9万2924ドル。アジア時間では3.6%値下がりし、9万2000ドルを下回る場面もあった。イーサは一時4.9%安、ソラナは8.6%下落した。

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原題:Stocks Sink as US-Europe Turmoil Fuels Gold Demand: Markets Wrap

Bitcoin Falls Below $92,000 as Tariff Fears Weigh on Risk Assets(抜粋)