
[ダボス(スイス) 20日 ロイター] – トランプ米大統領が示した新たな関税戦略が各国を揺さぶる中、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に集まった欧州各国首脳らは、結束して断固反対の姿勢を表明した。一方、企業幹部らは、グリーンランド問題を巡る感情的な反応に警鐘を鳴らしている。
マクロン仏大統領は、フランスを含む欧州は「力の論理」を黙って受け入れることはしないと表明。「われわれは威圧よりも敬意を、残虐さより法の支配を選ぶ」と述べ、トランプ政権が打ち出している関税措置は、特に領土を巡り圧力をかける手段として使われる場合は「根本的に」受け入れられないと語った。
フォンデアライエン欧州委員長はトランプ大統領に直接言及しなかったが、世界の大きな変化に対応する必要性を強調し、変化のスピードと規模が欧州で独立性に関する合意を促したと述べた。
ベルギーのデウェーフェル首相は、EUは「岐路に立っている」とし、「われわれは団結し、トランプ氏に『一線を越えている』と言うべきだ。われわれは団結するか、分裂するかのどちらかだ」と述べた。
トランプ氏は17日、米国がグリーンランドを購入できるようになるまで、欧州8カ国からの輸入品に10%の追加関税をかけると表明した。
ポピュリストや民族主義政党の勢いが強まる中、欧州各国政府は、米国のウクライナ支援を維持しながら関税の脅威にどう対応するかを巡り意見が交錯している。
しかし、ダボス会議に出席した銀行幹部や企業幹部は、トランプ氏の行動に対する欧州首脳の反応は感情的なものだと警告し、より現実的な対応を求めている。
そのうち2人は、欧州はトランプ氏のメッセージ発信方法にとらわれず、交渉を行う必要があると提案した。しかし、「彼らはそのスタイルに多大な不快感を抱いているため、そうした会話さえしたくないだろう。欧州大陸は共に動くことなどできない、非常に繊細なバランスの上に成り立っている」(銀行幹部)との声もあった。
欧州諸国は、トランプ大統領の新たな関税提案は米国と昨年合意した貿易協定に違反すると主張しており、EU首脳は22日にブリュッセルで開催される緊急首脳会議で報復措置の可能性について協議する予定となっている。
一方、ベセント米財務長官は、欧州諸国に対し冷静になるよう呼びかけ。「落ち着き、深呼吸して、報復を控えてもらいたい」と述べ、米欧が解決策を見つけ、一部の人々が警告しているような長期の貿易戦争を回避できると自信を示した。
