- 「米国は基本的に良いクレジットではない」-シェルデCIOが発言
- 米国債10年物と30年物利回りは急騰、トランプ氏政策リスク膨らむ
デンマークの職域年金基金アカデミカーペンションは、今月末までに米国債投資から撤退する計画だ。トランプ米大統領の政策が、無視できないほど大きな信用リスクを生んでいるとの懸念が広がっている。
アカデミカーペンションのアナス・シェルデ最高投資責任者(CIO)は20日、「米国の政府財政は長期的に持続可能ではなく、米国は基本的に良いクレジットではない」とブルームバーグに対して語った。
アカデミカーペンションは教員や研究者向けに約250億ドル(約4兆円)の資産を運用している。シェルデ氏によると、2025年末時点で米国債を約1億ドル相当保有していた。米国債の保有を続けているのはリスクと流動性の管理だけが理由で、「それに代わる選択肢を見いだすことは可能だと判断した」と説明した。
この発言後、米国債は下げを拡大し、10年債と30年債の利回りはこの日の最高に達した。
米国債市場の規模から見れば微々たるものではあるが、アカデミカーペンションの米国債撤退は、現在の政治情勢を踏まえると重要な象徴になる。安全な投資先とは何かを機関投資家が見直しているさなかでもあり、トランプ氏の脅しを受け続ける欧州が報復措置として保有する米国資産を「武器」として利用するとのドイツ銀行によるリポートも最近公表された。
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シェルデ氏は米国債からの投資引き揚げを決断するに至った数多くの理由の一つに、トランプ氏のグリーンランド領有要求を挙げた。財政規律に対する懸念や、ドル安も米国資産への投資縮小を正当化すると、同氏は説明した。
「一度引き起こされた事態は、もう元には戻せない」とシェルデ氏は指摘し、「数カ月後には事態が好転し、落ち着いているかもしれない。トランプ氏は再選できないため、次期大統領はやや違う可能性もある。だが、5年や6年、10年ならどうだろう。欧州全体で、自立することが必要だとの強い認識が広がっていると思う」と語った。
保有する米国債の売却を決めたデンマークの年金基金はアカデミカーペンションだけではない。グリーンランド問題が今月再燃する以前にも、デンマーク教員年金基金は米国の債務の持続可能性と連邦準備制度の独立性に対する脅しを理由に、保有する米国債の大半を処分した。
約1200億ドル(約19兆円)を運用する同国最大の民間年金基金であるPFAも、最近保有を減らした。同国紙フィナンスウォッチによると、別の年金基金PBUは米国債投資から撤退した上で、非流動性の米国資産を対象とした新戦略の立ち上げを停止する方針を明らかにした。
原題:Danish Pension Fund AkademikerPension to Exit US Treasuries (1)(抜粋)
