• 「マグニフィセント・セブン」上昇、VIXは16未満に低下
  • ドル指数は反落、米国債は2-10年債の利回り上昇-原油反落
ニューヨーク証券取引所内
ニューヨーク証券取引所内Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

Rita Nazareth

22日の米国株は続伸。地政学的緊張の緩和や大手ハイテク銘柄の上昇、堅調な経済指標に後押しされた。国債市場は短・中期債を中心に売られる展開だった。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6913.3537.730.55%
ダウ工業株30種平均49384.01306.780.63%
ナスダック総合指数23436.02211.200.91%

  この日は世界的な株高の流れが波及した。エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は人工知能(AI)が史上最大級のインフラ整備を必要とし、数兆ドル規模の投資を生むと指摘。こうしたことなどが、「マグニフィセント・セブン」の指数を押し上げた。

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  この日発表された米経済指標では、昨年7-9月(第3四半期)の実質国内総生産(GDP)が前期比年率4.4%増加と、2年ぶりの高い伸びとなった。好調な輸出などが支えた。

  先週の新規失業保険申請件数はほぼ横ばいで、レイオフが限定的な労働市場の状況と整合的。11月の個人消費支出(PCE)統計では、支出が堅調なペースで伸びた。年末商戦の始まりに際し、消費が底堅かったことが示唆された。

  eToroのラレ・アコナー氏は「米消費者が引き続き経済を下支えしている」と指摘。「底堅い消費は短期的なリセッション(景気後退)リスクを低下させ、特に消費者向けセクターの企業収益を支える。しかし、堅調な需要は金利がより長期にわたって高止まりすることも意味する」と述べた。

  欧州議会は、欧州連合(EU)と米国の通商協定の批准採決を行う見通しだ。トランプ米大統領が、米国によるグリーンランド取得に反対する欧州諸国への関税発動を撤回したことを受け、手続きが再開される。

関連記事:欧州議会、米EU通商協定の批准手続き再開へ-トランプ氏の関税撤回で

  グリーンランド問題を巡る緊張緩和について、フォレックス・ドットコムのファワド・ラザクザダ氏は「今回の件は、市場がいかにニュース主導で動いているか、また地政学的リスクが後退するとセンチメントがいかに急速に反転するかを、あらためて浮き彫りにした」と述べた。

  米株式市場の「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(Cboe)ボラティリティー指数(VIX)は、16未満に低下した。

  グリーンランドの年金基金が、今後も米国株への投資を続けるべきかどうかを検討している。同基金のトップは、実現すればトランプ大統領が狙うグリーンランド掌握に対する象徴的な意思表示になるだろうと語った。

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  トランプ氏はグリーンランドに関連する関税賦課の脅しに対して欧州諸国が米国資産を売却した場合、「大きな報復」に踏み切ると表明した。

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  UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのウルリケ・ホフマン・ブチャディ氏は「グリーンランドは短期的にニュースの見出しを飾る可能性が高く、市場は新たな政治的・地政学的な動向の影響を受けやすい」と指摘。その上で、「直近の株価反発は、良好なファンダメンタルズが依然として市場を主導していることをあらためて示す」と述べた。

外為

  ニューヨーク外国為替市場ではドル指数が反落。グリーンランド取得の意向を巡り、米国がトーンを和らげたことを受け、世界的に市場の動揺が収束しつつあることが背景にある。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1201.75-4.10-0.34%
ドル/円¥158.42¥0.120.08%
ユーロ/ドル$1.1754$0.00690.59%
米東部時間16時48分

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%安。週間ベースではこのままいけば、昨年6月以来の大幅安となる。

  円はドルに対して小幅に下落。1ドル=158円86銭まで売られた後、158円20銭台とわずかに円高に振れる場面もあったが、その後は再び小安い水準で推移した。

  ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏は日本当局による今後の介入水準について、ドルが「160円を上抜けた場合には、財務省による円買い介入のリスクは顕著に高まろう」と述べた。

  財務省は特定の水準をにらんで介入を行うことはないと思われるが、現在のドル・円には為替相場のファンダメンタルズから乖離(かいり)する動きが見られると、宮入氏は指摘。

  23日に開かれる日本銀行の植田和男総裁による記者会見の後などに円安が大きく進んだ場合、介入リスクに警戒が必要だと述べた。

米国債

  米国債市場では2-10年債が下落(利回り上昇)。新規失業保険申請件数やPCE統計を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を維持するとの見方が強まったことを受け、2年債を中心に利回りが上昇した。

  地政学的な緊張緩和を背景に20年債と30年債は買われた。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.84%-2.0-0.42%
米10年債利回り4.25%0.60.14%
米2年債利回り3.61%2.30.65%
米東部時間16時48分

  PCE統計では、11月のPCEコア価格指数が前月比0.2%上昇、前年同月比では2.8%上昇と、いずれも市場予想と一致。前年同月比ベースでは10月から伸びがやや加速した。

  カーソン・グループのソヌ・ヴァーギーズ氏は「少なくとも、利下げ再開を推進する新たな議長が就任するまで、FRBは数カ月にわたって政策金利を維持する公算が大きい」と話した。

原油

  原油相場は反落。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1バレル=60ドルを下回った。ウクライナのゼレンスキー大統領が、米国とロシアとの3カ国協議の計画について言及したことなどが材料視された。ウクライナでの戦争が終結に向かえば、ロシア産原油に対する制裁も解除される可能性がある。

  原油の供給が潤沢である状況は、米政府の週間統計でも示された。米エネルギー情報局(EIA)によると、先週の米国の原油在庫は360万バレル増加し、ガソリンなど燃料在庫も総じて積み上がった。

  カザフスタンでは、黒海にある主要な原油積み出し施設の修復作業が完了に近づき、数週間にわたって続いてきた輸出制約が解消に向かいつつある。このほか、ベネズエラからの供給も世界市場に戻りつつある。

  サクソバンクのストラテジスト、オレ・スロス・ハンセン氏は「地政学的な緊張はやや和らいだ」と指摘。一方で、供給面のリスクがなお解消されていないうえ、寒波により米国のエネルギ-需要が押し上げられる見通しだとし、原油価格は「底堅く推移する」可能性が高いと述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、前日比1.26ドル(2.1%)安の1バレル=59.36ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は、1.8%安の64.06ドル。

  金相場は続伸。ドルの下落が追い風となり、スポット価格は過去最高値を更新した。この日は雇用市場や個人消費の底堅さが統計で相次ぎ示され、米政策金利の見通しも意識された。

  TDセキュリティーズのコモディティー戦略グローバル責任者、バート・メレク氏は「金相場はドル下落の反応したようだ」と指摘。その上で「5月に米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派姿勢が強まれば、年後半に利下げが行われる可能性がある」との見方を示した。金利低下は通常、利子を生まない金にとって追い風となる。 

  ゴールドマン・サックス・グループは、2026年末の金価格見通しを従来予想から10%超引き上げ、1オンス=5400ドルとした。中央銀行と上場投資信託(ETF)からの需要の堅調さに加え、民間部門による金への分散投資が広がっていることを反映した。従来予想は4900ドルだった。

  金スポット相場はニューヨーク時間午後2時10分現在、90.73ドル(1.9%)高の1オンス=4922.46ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日比75.90ドル(1.6%)上昇の4913.40ドルで引けた。 

原題:Stocks Climb on Solid Data as Global Tensions Cool: Markets Wrap

Dollar Weakens as Aussie Jumps 1%, Outpacing Peers: Inside G-10

Treasuries End Mixed After Solid Data; Swap Spreads Widen

Oil Declines as Traders Weigh Ukraine-Russia Meeting, US Supply

Gold Sets New Record After Jobs, Consumer Data Push Dollar Lower(抜粋)