- 23日のNY外為市場で円急伸-米当局レートチェック実施と市場関係者
- 高市首相「市場の投機的、異常な動きに打つべき手はしっかり打つ」

Beth Thomas、John Cheng、Ruth Carson
週明けの金融市場では、円相場の下落を食い止めるための日本当局による為替介入への警戒が一段と高まりそうだ。高市早苗首相は25日、足元の市場の動きについて「投機的な動きや非常に異常な動きには日本政府として打つべき手はしっかり打っていく」との見解を示した。
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外国為替市場では23日、ニューヨーク時間に円が急伸し、1ドル=155円63銭と年初来高値を更新した。上昇率は昨年8月1日以来の大きさ。市場関係者によると、ニューヨーク連銀が主要銀行に対し、参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施した。
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これに先立つ日本時間同日午後の取引で円相場は、日本銀行の植田和男総裁の会見を受けて一時159円23銭と14日以来の安値まで下落した後、急速に買い戻された。三村淳財務官は同日、省内で記者団の取材に対し、介入を実施したかどうかやレートチェックの観測について「お答えするつもりはない」と述べた。

ペッパーストーン・グループのストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は「レートチェックは通常、当局が行動に踏み切る前の最後の警告だ」と指摘。そのうえで「高市政権は、従来の政権に比べて投機的な為替変動に対する許容度がはるかに低いように見受けられる」と述べた。
レートチェックが行われたとの報道で、トレーダーは円を売り込む動きに慎重になりそうだ。円のショートポジションは過去10年余りで最大規模に積み上がっており、その巻き戻し圧力が強まる可能性がある。
高市首相は25日のフジテレビの報道番組で「市場で決まることであり、首相としてコメントすべきことではない」としつつ、投機的で極めて異常な動きに対しては必要な措置を講じていくと述べた。どの市場を指しているのかについては具体的に言及しなかった。
日本の当局者は足元、国債利回りと円相場の双方について警戒を示している。超長期国債の利回りは20日に過去最高水準まで急上昇していた。
豪シドニーのATグローバル・マーケッツのチーフ市場アナリスト、ニック・トゥイデール氏は「高市首相の発言を踏まえると、週明け26日の取引開始時にトレーダーは強い警戒感を持つべきだ」と指摘。円は対ドル155円前後で取引される可能性があるとの見方を示した。
同氏は「市場には明確に円を売りたい向きがあるが、こうした口先介入を踏まえ、極めて慎重にならざるを得ない。仮に米国側がレートチェックしていたことが確認されれば、その影響は円相場にとどまらず、世界の市場全体にとっても非常に大きなものになり得る」とも述べた。
ニューヨーク連銀のウェブサイトによると、米国が為替市場に介入したのは1996年以降で3回にとどまる。直近では2011年の東日本大震災後、主要7カ国(G7)と協調して円売りを実施し、市場の安定化を図った。
ピナクル・インベストメント・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、アンソニー・ドイル氏は「日本は国内への副作用や海外への波及リスクを伴わずに円安を是正するのは難しい。そのため、『第2のプラザ合意』のような展開が現実味を帯びてきたと受け止める向きもある」と指摘。「米財務省が市場関係者に直接連絡を取り始めるようになれば、為替相場の通常の範囲を超えた局面に入ったとみられる」と述べた。
日本当局は2024年、円相場を下支えするため約1000億ドルを投じて円買い介入を実施した。介入は計4回行われ、いずれも円相場が1ドル=160円前後に達した局面だった。この水準が、再び当局が動く目安になり得るとの見方が出ている。
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ロンバー・オディエの上級マクロストラテジスト、ホミン・リー氏は「ドル円相場を本気で一定水準に抑え込もうとするのであれば、最終的には日本当局が実際の市場介入に踏み切る必要がある」と述べたうえで、日米がそろって市場に介入すれば「両国の協調姿勢をこれまでになく明確に示すことになる」と続けた。

リー氏は「160円というのは分かりやすい節目だ。政治情勢が不透明な中でも、日本の有権者や市場では、2月の衆院選を前にした危機水準の目安と受け止められやすい」とも語った。
衆院選は2月8日に投開票が行われる。食料品への消費税減税を検討するとの高市氏の選挙公約を受け、足元では国債市場が動揺している。高市首相は、衆院解散の意向を表明した19日の記者会見で、飲食料品にかかる8%の軽減税率を2年間ゼロにする考えを打ち出した。翌20日には財政悪化懸念から超長期金利が急騰。40年国債利回りは一時4.215%、30年債利回りも3.875%まで上昇し、いずれも過去最高を更新した。
イーストスプリング・インベストメンツの債券ポートフォリオマネジャー、ロン・レン・ゴー氏は「財政支出拡大に注目が集まる現在のマクロ環境では、為替介入で円安の流れを遅らせることはできても、反転させることはできない」と語った。
原題:Market on High Alert for Yen Intervention After Takaichi Warning(抜粋)
