- NY連銀が円相場を照会、通貨協定を巡る議論再燃
- 金は初の1オンス=5000ドル突破、ディベースメント取引活発化

米国が日本と協調して為替介入を行う可能性が意識され、すでに圧力を受けているドルへの新たな重しとなっている。
円を支援するための日米共同介入が実施された場合、ドルへのセンチメントがさらに悪化するとの懸念から、ドルは26日、主要通貨の大半に対して下落した。円は急上昇し、金(ゴールド)は過去最高値を更新した。
オプション市場の価格設定は、ドルに対して少なくとも2011年以来で最も弱気な水準に向かった。一方、ユーロでは、センチメントが昨年5月以来で最も強気に転じている。
ドルを注視する市場参加者の多くにとって、円押し上げを米国が支援する兆候は、ドルを主要貿易相手国通貨に対して下落させる協調為替介入の可能性を改めて想起させる。
そうした合意は、中国や日本といった競争相手国に対する米国の輸出業者の競争力を高める助けになる一方、世界の基軸通貨としてのドルの長期的な価値に疑問を投げかけることにもなり得る。
米国では財務省が為替政策を所管し、介入を承認する権限を持つ。実際の介入は通常、同省の代理としてニューヨーク連銀が実施する。
マッコーリー・グループのストラテジスト、ギャレス・ベリー氏は、「ニューヨーク連銀が参加を選択すれば、円高は一段と増幅されるだろう。単に象徴的な理由ではなく、日本は売却できるドルを大量に保有しているが、ニューヨーク連銀は無限に持っている。さらに、トランプ氏が全般的にドル安を望んでいるというサインとしても受け止められるだろう」と述べた。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は、昨年初め以降で9%以上下落している。米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を巡るリスクや、パウエルFRB議長の後任がトランプ米大統領の意向に影響されて急速な利下げに動くとの見方も、拡大する財政赤字に加えて、ドルの重しとなってきた。

通貨協定の可能性を巡る議論は、ニューヨーク連銀が金融機関に対し円の為替レートについて問い合わせたとトレーダーが報告したことで、23日に再燃した。こうした照会は、米国の支援を受けた日本の為替介入に向けた地ならしの可能性があると受け止められた。
ピナクル・インベストメント・マネジメントの最高投資ストラテジスト、アンソニー・ドイル氏は、「米財務省が電話をかけ始めるとき、それは通常、事態が通常の為替の話を超えたことを示す兆候だ。協調行動の可能性はドル・円の上値を抑え、ドルロングのポジションをより危うくする」と述べた。
円はアジア時間26日の取引で1%以上上昇した。ブルームバーグのドル指数は0.4%下落し、前週の1.6%安から下落幅を広げた。
金は初めて1オンス当たり5000ドルを超えた。地政学リスクの高まりが、投資家が法定通貨から退避する、いわゆるディベースメント取引に拍車をかけ、貴金属は記録的な上昇局面にある。
アジアでは、複数の通貨が注目すべき水準まで上昇した。シンガポール・ドルは対米ドルで2014年以来の高値、マレーシア・リンギットは18年以来の高値を付けた。韓国ウォンは1%以上の上昇となった。
トランプ政権が実際にドル安を支持しているかどうかについては、なお議論がある。ベッセント米財務長官は昨年、米国は引き続き「強いドル」政策を採っていると述べていた。
フロントクリアの上級副社長、ダニエル・バエザ氏は「より大きなシグナルは政策協調だ。市場が、協調をドル安を容認する米政権の姿勢と、ハト派的なFRBの政策対応が並行して進む兆しと受け止めれば、短期的なドル下落圧力を強めかねない」と述べた。
原題:Dollar Pressure Mounts as Traders Reopen Debasement Debate (2)(抜粋)
