▽自民と中道「直接対決」200選挙区、うち3割は維新との「与党対決」も…各党が積極擁立で混戦模様<読売新聞オンライン>2026/01/28 05:00

衆院選が公示され、街頭演説に集まった有権者ら(27日、東京都内で、読売ヘリから)=竹田津敦史撮影

藤原健作、谷川広二郎

 27日に公示された衆院選は、与党での過半数獲得を目標とする自民党と比較第1党を目指す中道改革連合の対決が軸となる。ほかの与野党とも他党との候補者調整よりも積極的な擁立に動いた。多党化を反映した乱立模様となった選挙区もあり、各地で激しく票を奪い合う混戦が見込まれる。(政治部 藤原健作、谷川広二郎)

 「前回は相手と3000票差だった。今回さらに環境は厳しい。力を貸してください」衆院選が公示され、街頭演説に集まった有権者ら(27日、東京都内で、読売ヘリから)=竹田津敦史撮影

 自民党の小泉防衛相は27日、さいたま市に入り、埼玉1区で6選を目指す自民前議員の応援でマイクを握った。同区では、前回2024年衆院選で僅差で敗れて比例選で復活当選した中道改革連合の前議員が出馬し、激戦となる見通しだ。中道改革側も28日に安住共同幹事長が駆け付ける。

 全国に289ある小選挙区のうち、自民は285選挙区で、中道改革は202選挙区で公認候補を擁立した。立憲民主党と公明党が結成した中道改革は正式発足が衆院解散前日の22日となったが、緊急公募などで候補者を積み上げた。野党第1党としては、24年衆院選で立民が小選挙区に立てた207と同水準だ。小選挙区の主な対決パターン

 その結果、埼玉1区や自民の閣僚経験者と中道改革の前議員が相まみえる香川1区など、両党が直接対決する選挙区は全体の7割近い200選挙区に上る。

 両党にとり直接対決の選挙区の結果が全体の勝敗を左右することになる。両党党首も初日から、こうした選挙区に足を運び、互いに矛先を向けた。

 自民総裁の高市首相は仙台市での街頭演説で、中道改革の野田共同代表が首相を務めた民主党政権に触れ、「今は円安で困るという声もあるが、当時はとんでもない円高だった。輸出しても売れないから産業の空洞化も進んだ」と指摘した。野田氏は福島市で「『政治とカネ』の問題に決着がついたのか。自民は反省していない」と主張した。

「公明票」の行方、自民も中道も注視

 自民と中道改革の争いで、両党が注視するのが「公明票」の行方だ。自民との連立解消と新党結成の影響で各選挙区の構図は一変し、公明票の大部分が自民候補から中道改革候補に移るとの見方が広がる。自民内では「長年の協力関係を踏まえ、一定数は自民に回る」(ベテラン)と期待する向きがある一方、「かなり中道改革に流れる」(閣僚経験者)と危惧する声が漏れる。

 自民と中道改革はともに懸念材料も抱える。自民は日本維新の会と一部の例外を除き選挙区調整をせず、自民と中道改革がぶつかる200選挙区のうち59選挙区で与党対決も強いられる。自維がぶつかる選挙区は全体では85選挙区あり、政権支持の票が割れるのは避けられない情勢だ。

 そうした中で、連立の相乗効果を少しでも高めようと、自民は維新と競合しない選挙区で維新に推薦を求め、27日時点で129人が推薦を受けた。27日の第一声では、首相と維新の吉村代表が並んで立ち、「一体感」を演出してみせた。

 中道改革は、安全保障関連法を巡り共産党と距離が生じた。立民が掲げてきた見解の軌道修正に、共産が反発したためだ。共産は小選挙区に158人を擁立。自民と中道改革が争う200選挙区のうち96選挙区が含まれ、政権批判票の受け皿として競い合う。

国民と中道46選挙区で激突…ともに連合が支援

 国民民主党は、ともに連合の支援を受ける中道改革連合と46選挙区で対決する。国民民主は51議席の獲得を目標としており、野党間連携より独自候補の擁立を優先した。

 国民民主は前回2024年衆院選では、連合の要望を考慮し、立憲民主党の前衆院議員がいる選挙区への擁立は原則控えた。だが、今回は「相手が異なる政党になり縛られる必要はない」(国民民主幹部)と判断し、中道改革の前議員がいる選挙区での擁立も進めた。

 東京都では全30選挙区のうち21選挙区で国民民主と中道改革の候補者が激突し、このうち中道改革の前議員がいるのは15選挙区に上った。国民民主は昨年の参院選東京選挙区で政党として唯一2議席を獲得しており、小選挙区での議席獲得と大票田での比例票の掘り起こしを狙う。

 穏やかでないのが連合だ。連合傘下の自治労の組織内候補である中道改革の前議員がいる福井1区でも、国民民主は新人を擁立した。連合は国民民主の玉木代表に抗議文を出した。玉木氏は27日、都内で記者団に「重く受け止める」としつつ、「政党としての判断がある。当選に向けて全力で頑張る」と強調した。

参政は小選挙区に「野党で2番目」182人

 小選挙区で国民民主を上回る候補者を立てたのが保守色の強い参政党だ。小選挙区の候補者は182人に上り、中道改革に次いで野党で2番目に多い。全都道府県を網羅し、東京は全選挙区で候補を立てた。

 参政の神谷代表は当初、政策が近い候補がいる選挙区への擁立は見送る考えを示していたが、自民と中道改革による対決構図に注目が集まると、「数の力で存在感を示す」として積み上げを図った。神谷氏は都内で記者団に「何とか間に合った」と語った。

 野党間の競合は激しく、23選挙区では、中道改革と国民民主、参政、共産、れいわ新選組の5党のうち、4党の候補がしのぎを削る。

▽中道、比例選で公明出身者を名簿上位で優遇…立民出身者は復活当選のハードル上がる<読売新聞オンライン>2026/01/28 08:51

中道改革連合の野田共同代表(左)、斉藤共同代表(22日、国会内で)

傍田光路、鷹尾洋樹

 衆院選の比例選では、名簿順位などに各党の特色が表れた。立憲民主党と公明

各党の比例名簿の特徴

党が結成した新党「中道改革連合」は公明出身者を上位で優遇したほか、自民党は派閥の政治資金規正法違反事件で収支報告書に不記載があった前議員らを小選挙区選と重複立候補させ、「比例復活」が可能になった。(傍田光路、鷹尾洋樹)

自民は「不記載」議員を重複立候補

 中道改革は、公明から参加した前議員ら28人が全11ブロックの上位で登載された。公明側は小選挙区選から撤退したため、立民出身者よりも優先して比例選で処遇することになった。

 立民側にとっては、小選挙区選で公明の支持母体・創価学会を中心とする組織票を期待できる反面、比例選では復活当選のハードルが上がる。立民出身者には「ここまで公明側に譲歩しないといけなかったのか」との不満が渦巻いている。

 立民出身者の多くは同一順位で登載された。小選挙区選の惜敗率が高い順に復活当選するが、例外は中道改革共同選挙対策委員長の馬淵澄夫氏だ。奈良1区と重複立候補した比例近畿ブロックで単独6位となり、7位だった他の候補者24人より上位となった。

 野田共同代表は27日、記者団に「突然、国民民主党が(奈良1区に)候補者を出してきた。(選対委員長の)仕事に専念できなくなると同志全体に影響する」と説明したが、馬淵氏は野田氏に近く、党内では波紋が広がっている。

 自民は前回選で、旧安倍派や旧二階派の不記載議員らを小選挙区選で公認した場合でも、比例名簿には登載しなかった。今回は「みそぎが済んだ」(幹部)として、比例選との重複立候補を認めた。高市首相(自民総裁)は「専門知識を持った人材に、もう一度働くチャンスを与えてほしい」と理解を求めるが、野党は批判を強めている。

 比例順位を巡り、党内では不満も漏れている。

 石破政権で閣僚を務めた伊東良孝・前地方創生相、阿部俊子・前文部科学相、村上誠一郎・前総務相の3氏は、前回選の単独1位から大きく順位を下げ、伊東氏は北海道ブロックの6位、阿部氏は中国ブロックの20位、村上氏は四国ブロックの10位となった。中堅は「首相は石破氏と政治信条が対立しており、2回連続での優遇は難しかったのだろう」と指摘している。

 日本維新の会は、本拠地の大阪府内で全19小選挙区のうち18小選挙区で重複立候補を認めなかった前回選から方針転換し、藤田文武・共同代表と馬場伸幸・前代表を除き重複立候補した。「党勢低迷が影響した」(中堅)との見方がある。国民民主党の玉木代表は前回選では比例選に重複立候補したものの、今回は小選挙区選のみに立候補した。

▽参政・神谷代表、首相指名選挙で高市首相に投票「可能性として十分ある」…NHK番組で<読売新聞オンライン>2026/01/27 19:40 

 参政党の神谷代表は27日のNHK番組で、衆院選後の首相指名選挙で、高市首相に投票することもあるのかを問われ、「可能性として十分ある」と述べた。協力の前提として「我が党が掲げる政策を一緒にやっていく合意がたくさん取れるのであれば」とも語った。