Stephen Nellis

エヌビディアが中国ディープシークのAIモデル開発支援=米下院特別委員長

[サンフランシスコ 28日 ロイター] – 米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは、中国の人工知能(AI)企業ディープシークのAIモデル開発を手助けし、そのモデルは中国軍に利用された――。中国共産党に関する米下院特別委員会のモーレナー委員長(共和党)がラトニック商務長官に宛てた書簡でこう指摘した。ロイターが28日、書簡内容を確認して明らかになった。

ディープシークが2025年初めに公開したAIモデルは、米国の最高製品に比べてずっと低い演算能力を用いているにもかかわらず同等の性能を発揮し、市場に衝撃をもたらした。米政府内には、先端半導体の中国向け輸出を規制してもなお、中国のAI開発力が米国に追い付くのではないかとの不安も広がった。

こうした中でモーレナー氏は書簡で、エヌビディアから入手した資料から、同社の幅広い技術的支援を受けた後で、ディープシークのAIモデル開発が成功に至ったことが分かると述べた。

モーレナー氏は「エヌビディア側の記録によると、同社の技術開発担当者は『アルゴリズム、フレームワーク、ハードウエアの最適化された共同設計』を通じてディープシークの学習効率を大幅に向上させ、内部報告書で『ディープシーク-V3の完全な学習にわずか278万8000H800GPU時間しか必要としない』と誇示している。これは米国の開発者がフロンティア規模モデルに通常必要とする時間より少ない」と説明した。

GPU時間は、AIモデル学習のためにAI半導体が稼働する必要がある時間数を指し、フロンティア規模モデルはオープンAIやアンソロピック、グーグルなどの米企業が開発する最先端モデルのことだ。ディープシークの場合は、エヌビディア半導体H800の1個で278万8000時間動かしたことを意味する。

この資料は24年以降のエヌビディアの活動を網羅している。

モーレナー氏は、エヌビディアがディープシークに支援を提供した当時は、ディープシークの技術が中国軍によって利用されているとの公式な情報は見当たらず、普通の商業パートナーとして通常の技術支援を提供していたと記した。

エヌビディアは声明で「中国は軍用国内製半導体を十分に保有しており、数百万の余剰がある。米軍が中国の技術を使用するのが非合理的であるのと同じく、中国軍が米国の技術に依存する妥当性もない」と強調した。

トランプ政権は今月、エヌビディア製半導体としてH800よりも高性能のH200の中国向け輸出を承認。中国軍を支援する企業・団体には売らないという制限を付けたものの、対中強硬派議員から反発が強まっている。

モーレナー氏も「軍事利用を排除する保証が形骸化しないよう、厳格なライセンス制限と執行が不可欠だ。中国における表向きは非軍事的なユーザーへの半導体販売は(今のままでは)必然的に軍事用途制限違反につながる」と警告した。