• 出生数減少や高齢化による死亡増、純移民流入では相殺できない局面
  • 米国勢調査局の2023年長期人口予測では、人口減少は2081年と推計
カリフォルニア州サンフランシスコで
カリフォルニア州サンフランシスコでPhotographer: David Paul Morris/Bloomberg

Shawn Donnan

米国が建国以来、一貫して持ち続けてきた強みの1つは、人材を引き寄せ、人口規模を拡大してきた点にある。だが、建国250周年を控え、トランプ米大統領の移民取り締まり強化をどこまで受け入れるのかが問われている中、米国は歴史的かつ経済的な節目を想定されていた時期より数十年早く迎える可能性が浮上している。有力とされる少なくとも1つの推計では、2026年に米国史上初めて実質的な人口減少が起きる可能性がある。

  仮にその節目が今年起きなかったとしても、移民政策をめぐって立場の異なる専門家の間には共通認識がある。2期目のトランプ政権が、重要な転換点への到達を早めているという点だ。すなわち、出生数の減少や、米国生まれの人口の高齢化に伴う死亡数の増加を、純移民流入では相殺できなくなる局面だ。移民取り締まりが強まるほど、米国の人口は早期に頭打ちとなり、減少に転じる可能性も高まる。

  人口は、その国の経済規模を左右する重要な要素だ。中国は2025年、共産党政権が1949年に始まって以降で最低の出生率を記録。中国の人口減少は、世界最大の経済大国として米国を追い抜けない理由の1つとされている。日本では人口が2010年に1億2800万人でピークを迎え、その後の減少が長年にわたり成長の重荷となってきた。欧州では、人口動態の悪化が、経済停滞の見方の背景にある。

  米国はこれまで、こうした人口問題の議論に加わることはあまりなかった。米国勢調査局が2023年に公表した長期人口予測では、人口が初めて減少に転じるのは2081年とされている。現状の推移を踏まえると、今年の米国の人口増加率はよくてもドイツを下回るとみられている。ドイツでは、高齢化が「欧州の病人」との見方につながってきた。

  もっとも、これは必ずしもトランプ政権にとって問題とはされていない。同政権は移民人口を削減するという公約の実現に注力しており、経済学者らの反論があるにもかかわらず、移民を減らすことで米国生まれの労働者により多くの雇用機会と高い賃金がもたらされ、住宅や医療などの分野でも需要が抑制され、コスト低下につながると主張している。

  ホワイトハウスのジャクソン報道官は、「労働力を拡大するための米国人の知性や労働力が不足しているわけではない。米国人労働者のために雇用を創出するトランプ大統領の政策は、移民法を執行するというわれわれの責務を果たしつつ、未活用の潜在力を引き出すという政権の姿勢を示している」と説明した。

原題:The US May See Its First Decline in Population in 2026: Essay