• 金・銀は急落から持ち直し、円は対ドルで155円台後半に下落
  • 株式市場で景気敏感株へのローテ進む、半導体株にも売り
米国株は反落。景気敏感株へのローテーションが進むなか、テクノロジー株への売りが再燃した
米国株は反落。景気敏感株へのローテーションが進むなか、テクノロジー株への売りが再燃したPhotographer: Michael Nagle/Bloomberg

Rita Nazareth

3日の米金融市場で株式は反落。景気敏感株へのローテーションが進むなか、テクノロジー株への売りが再燃した。ドルが売られる一方、金・銀相場は回復した。原油先物は地政学リスクの高まりを受けて上昇した。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6917.81-58.63-0.84%
ダウ工業株30種平均49240.99-166.67-0.34%
ナスダック総合指数23255.19-336.92-1.43%

  人工知能(AI)スタートアップの米アンソロピックが法務業務の自動化を目的とする新たなツールを発表したことを受けて、ソフトウエア銘柄が売り込まれ、相場を下押しした。ガートナーやファクトセット・リサーチ・システムズ、S&Pグローバル、アクセンチュアなどが軒並み大幅安となった。

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  パランティア・テクノロジーズの堅調な業績見通しにもかかわらず、S&P500種株価指数は0.8%、ナスダック100指数は1.6%それぞれ下げた。また半導体株も売られ、またフィラデルフィア半導体株指数は約2.1%安で終えた。

  米海軍がアラビア海でイランの無人機を撃墜したと伝わり、株価の下げが拡大する場面もあった。中東情勢の緊迫化が意識されて原油が買われ、エネルギー株は連れ高となった。

  半面、主要株価指数が大きく下落する中でも、S&P500種構成銘柄の大半は値上がりした。景気のバロメーターとされる物流大手フェデックスは記録的な値上がり基調が継続。小売り大手ウォルマートの時価総額は1兆ドルを突破した。小型株で構成されるラッセル2000指数は0.3%上昇した。

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  米国株式市場では過去3年間、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる巨大ハイテク7社が主導する格好で、AIトレードが支配的なテーマとなってきた。だが、足元ではこうした流れが後退し、物色先が市場全体に広がるとの見方が強まっている。実際に今年に入り激しいローテーションが起きており、バリュー株がグロース株を大きく上回るパフォーマンスを示している。

  S&P500種の構成銘柄を時価総額加重ではなく等分にした「S&P500種イコールウエート指数」は小幅安にとどまり、ローテーションが進んだことを示唆した。

  ウルフ・リサーチのクリス・セニェック氏は「AI投資への懸念と、米経済の成長加速を背景に株高の裾野が広がるとの『期待や夢』がせめぎ合う中で、市場は水面下で激しく揺れ動いている」と述べた。

  インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トレス氏は「きょうの相場は二極化した動きが特徴だ。パランティアの好調な決算と業績見通しで当初はAIの先行きを巡る楽観が強まったが、ハイテク株は景気循環株に主役の座を譲った」と指摘。また景気動向に比較的敏感なことから、小型株がアウトパフォームしていると続けた。

  米経済が飛躍するとの楽観論が、株式のローテーションを後押ししている。景気循環との連動性が高い銘柄にマネーが流入する一方、テックセクターにおけるAI投資は一様ではなく、勝者と敗者を選別する動きが出始めている。

  ネッド・デービス・リサーチのエド・クリソルド、タン・グエン両氏は「戦術的な資産配分を中立から見直し、成長株よりもバリュー株を優先する方向へとシフトさせている」と話す。

  バリュー株の利益成長は市場予想を上回っているという。一方、テック大手の決算はおおむね市場予想並みか、それ以上だったものの、投資計画に対する市場の反応は大きく分かれた。

  「一部のマグニフィセント・セブン銘柄については、利益成長よりもバリュエーションの課題の方が大きい」と両氏は指摘。「当社のマクロチームが予想するように、2026年後半に経済成長が鈍化すれば、投資家は1株当たり利益(EPS)の成長を実現できる企業に再びプレミアムを支払うようになる可能性がある」と述べた。

国債

  米国債は小幅上昇(利回りは低下)。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言に注目が集まった。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.90%-1.7-0.34%
米10年債利回り4.27%-1.2-0.28%
米2年債利回り3.57%-0.4-0.11%
米東部時間16時31分

  リッチモンド連銀のバーキン総裁は、昨年の利下げが労働市場の下支えに寄与したとの認識を示した上で、金融当局は現在、インフレ率を目標水準に戻すことに注力していると述べた。

  一方、マイラン理事は、経済において強い物価上昇圧力が見られないことから、今年は金利を一段と引き下げる必要があるとの考えを示した。

  4日には財務省が四半期定例入札に関する発表を行う予定だ。債券市場では4月以降の入札規模見通しに関する文言について、変更が加えられるかどうかを巡り意見が分かれている。

為替

  ニューヨーク外国為替市場では、ドルが下落。大きな材料に欠けるなか、主要通貨の多くは狭いレンジで推移した。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1187.69-4.09-0.34%
ドル/円¥155.74¥0.110.07%
ユーロ/ドル$1.1824$0.00330.28%
米東部時間16時31分

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%下落。前日までの2日間は昨年4月以来の大幅高を記録していた。

  米下院が歳出法案を可決し、政府機関の一部閉鎖が終了する見通しとなったが、ドルの反応は限定的だった。

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  ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、アループ・チャタジー氏は「リスク低減の動きはいったん落ち着いた」と指摘。「これに加え、政府機関の一部閉鎖の影響で主要な米経済指標の公表が延期となり、短期的にボラティリティーを引き起こす要因が市場から失われている」と語った。

  ただ、「市場は依然として米ドルのショートポジションと貴金属のロングポジションを不快なほど抱え続けている」と述べ、税還付による米経済指標の改善と、次期FRB議長にタカ派とされるウォーシュ元理事が指名されたことを踏まえると、「足元の状況は一時的とみている」とも語った。

  円は対ドルで155円台後半に下落。一時は155円台半ばに上昇する場面もあったが、総じて155円台後半から156円台前半で推移した。

原油

  ニューヨーク原油先物相場は反発。米海軍がイランの無人機を撃墜したことを受け、両国間の緊張がエスカレートする可能性が意識された。

  米中央軍によると、艦載型ステルス戦闘機F-35Cが自衛のために無人機を撃墜した。この無人機は空母エイブラハム・リンカーンに「攻撃的に接近」していたという。ここ数日は、米国のイランに対する姿勢軟化の兆しを受けて地政学リスクプレミアムが後退していたが、今回の出来事によりプレミアムの一部が価格に戻った。

関連記事:米軍、アラビア海でイラン無人機を撃墜-空母に「攻撃的に接近」

  ただその後、ホワイトハウスのレビット報道官が、トランプ大統領はイランとの関係で「まず」外交を追求したい考えだと述べたことで、原油は上げを削った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、前日比1.07ドル(1.7%)高の1バレル=63.21ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.03ドル(1.55%)上げて67.33ドル。

  金と銀は反発。前日までの2営業日に記録した歴史的な急落が押し目買いを誘った。

  金スポットは一時7.1%上昇し、1オンス=4993.63ドルを付けた。1月30日には過去10年余りで最大の下落となり、週明けの2日も続落していた。3日の銀の上昇率は一時12%を超え、1オンス=89ドルを上回った。ドルの下落なども背景にある。

  金と銀は1月、投機的な勢いや地政学的混乱、米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性に対する脅威などを背景に急伸した。ただ、上昇があまりに急で大き過ぎるとの警告が相次ぐ中、前週末に流れは急変。銀は1日として過去最大の下げを記録し、金も2013年以来の大幅安となった。

  UBSグループのストラテジスト、ジョニ・テベス氏はリポートで、「長い目で見れば、今回の調整は市場にとって健全なものになると考えている」と指摘。「この局面は、投資家にとってより魅力的な水準で長期的な戦略ポジションを構築する好機となるはずだ」との見解を示した。

  大半の銀行は金相場が回復するとの見方を支持している。ドイツ銀行は2日、金価格が6000ドルまで上昇するとの予測を維持するとした。

  金スポットはニューヨーク時間午後2時22分現在、前日比261.91ドル(5.6%)上昇の1オンス=4923.29ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、282.40ドル(6.1%)高の4935ドルちょうどで引けた。

原題:Stock Rotation Hits Tech Giants as Small Caps Rise: Markets Wrap

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