衆議院選挙の自民党大勝から1週間が経った。18日に特別国会が招集され、高市氏が正式に内閣総理大臣に指名される。そして20日には初めての施政方針演説が予定されている。山積する政策課題の中で何を優先するか、この演説が当面の注目点だろう。選挙後の1週間、先週明らかになったのは政策論議でも選挙の勝因、敗因でもなく、衆議院の三分の二の議席を確保した自民党と高市政権に対する警戒感だった。選挙予想で全敗した主要メディアが、選挙前と同じように公共の電波や新聞紙上を通じて声高に印象操作を行ったせいだろう。何があっても変わらない主要メディアと政治部出身の政治ジャーナリスト。この人たちが席巻している限り、テレビや新聞など主要メディアの劣化がこの先も長らく続くだろう。これとは別にもう一つ気になったのは野党の劣化だ。中道改革連合の新代表選びでは、永田町の再編に向けたわずかな希望の灯すらともらなかった。中道新代表に就任した小川淳也氏のもとで野党の混迷はしばらく続くだろう、そんな印象を受けた。

責任ある積極財政を掲げる高市政権に野党はどう対応するのだろうか。憲法改正や安全保障政策の見直しなど、政策課題は目白押しである。いったい野党のリーダーは誰だ。中道か国民民主党か、あるいは参政党なのか。あーだこーだ言う前に、野党としての体制をまず整えるべきではないか。気になるのか国民民主党と玉木代表の言動だ。高市総理から政権入りを懇願された玉木氏は、「信頼醸成」を政権入りの前提条件にしてきた。岸田、石破政権に騙され続けた経験が自民党並びに政権への警戒感を強めてきた。それは分かるが「高市総理に騙された」説には若干の異論がある。解散は総理の専権事項ではないのか。解散に関する総理の嘘は許される、これが永田町が阿吽の呼吸で合意してきた実績ではないのか。いつまでも「騙された、騙された」と言い続ける玉木代表の政治センスを疑いたくなる。信頼の醸成が必要なことはよくわかる。だがそれは相互に築き合うものではないのか。維新の共同代表を務める藤田氏は「相互性だ」と一括した。玉木氏の騙された発言は、「俺の言うことを聞け」という恫喝のように聞こえてしまう。

解散の経緯に疑義があることは理解できるとしても、もっと大事なことは「責任ある積極財政」をどうやって推進するかではないのか。国民民主は「2035年GDP1000兆円を実現する」と主張している。どうやって実現するの、具体化に向けて前を向いた方がいい。玉木氏は12日、民放番組に出演し「(食品にかかる消費税の2年間限定)減税はやめたほうがいい」と主張した。理由は物価を押し上げるからだそうだ。選挙の際に消費税の一律5%への引き下げを公約に掲げたのは、なんだったのだろうか。これはやや誤解を招く発言にみえる。いま玉木氏に求められているのは、もっと大きな政策対応ではないのか。GDP1000兆円実現に向けて何をどうするのか、「責任ある積極財政」を支持するのか、これとは別の方法論があるのか、あるとすれば何か。そこをはっきりさせるべきだろう。