• Gemini、類語検索や文法チェックだけでなく迅速な検索ツールに
  • 従来の検索に代わる対話型体験を提供、製品改良で評価一変
Geminiは文法チェックのツールとなるだけでなく、より優れた検索ツールにもなっている
Geminiは文法チェックのツールとなるだけでなく、より優れた検索ツールにもなっているPhotographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

Vlad Savov

グーグルが検索サービスを人工知能(AI)ツールに全面移行させる日が、近い将来に訪れそうだ。検索結果の最上部に表示される「AIオーバービュー」や、グーグルのホームページにあるカラフルな「AIモード」ボタンなど、あらゆる兆候がその方向を示している。

  筆者はここ数カ月、既にその生活を実践している。AIチャットボットの「Gemini」を単に試す段階から始まり、今では問い合わせ10件のうち9件ほどをGeminiに頼るようになった。これまでなら、そうした問い合わせは全てグーグルの検索ボックスに入力していたであろう。大げさに聞こえるかもしれないが、ウェブリンクを探し出すという従来のグーグルの使い方は終わりを迎えたと言ってよいだろう。代替手段を提供したグーグルに祝意を表したい。

  これは実に興味深い移行だ。その裏では、ツールを改良するための膨大な取り組みや投資が、利用者からは見えない形で積み重ねられてきた。もっとも、グーグルはOpenAIの「ChatGPT」に不意を突かれ、競合するAIサービスを拙速に投入した経緯がある。2023年春、当時「Google Bard」と呼ばれていたサービスは、利用者の生命を危険にさらしかねない助言を与えたとして、社内で「病的なうそつき」と評された。その年の10月になっても、状況はあまり改善していなかった。

  だが25年は、「Gemini 3」や画像生成の「Nano Banana Pro」など実り多い製品アップデートの年となり、大きな前進と称賛された。筆者も過度に懐疑的な姿勢を改め、Geminiへの依存度を高めていった。もちろん、「Geminiがそう言ったから」という理由だけで事実や数字を公表することはないが、旧来のグーグル検索よりはるかに有用だ。従来型の検索は広告にあふれ、どこか原始的にすら感じられる。少なくともGeminiにはそうした広告の煩わしさはない。

  Geminiは類語検索や文法チェックのツールとなるだけでなく、より優れ、かつ迅速な検索ツールとなっている。メモリー価格の急騰に関する記事でRAMの仕様を整理する際にも役立った。グーグルが提供する情報源リンクのおかげで検証も比較的迅速にでき、信頼性の低い媒体やウェブサイトを除外するようチャットボットに指示することも可能だ。

  グーグルは、検索の全面AI化について明確な時間軸を示していない。筆者のような使い方は、何十億人もいる同社の検索ユーザーの中では典型的とは言えないだろう。より単純で分かりやすい選択肢を残すことには合理性がある。それでも、同社が全ての利用者をAIとの対話に慣れた存在へと変えたいと考えているとの強い印象を受ける。

  グーグル検索のプロダクト担当バイスプレジデント、ロビー・スタイン氏が最近記した内容は、将来の検索に向けた同社の設計目標を端的に示している。「探索を続けられる目立つリンクを備えた一体的な体験。必要なときには素早い概要を、望めばより深い対話を提供する」というものだ。

  こうしたAIツールがより速いと感じる理由の1つが、対話性の高さだ。通常のグーグル検索は、同じテーマについて連続して調べていても、毎回ゼロから始まる。AIではプロンプトが相互に積み重なり、使えば使うほど質の高い、あるいは関連性の高い回答がより速く得られるようになる。

  広告を一切表示しないと約束するアンソロピックの「Claude」のような代替サービスに乗り換える用意もある。だが今のところ、長年のグーグル利用者である筆者はGeminiの常連ユーザーとなっている。

原題:Google’s Elegant Gemini Transition: Tech In Depth(抜粋)