- S&P500種は一時1%近く下げた後に持ち直す、終値では小幅高
- ドル指数は小幅続伸、円は一時153円92銭に下落-金は4900ドル割れ

Rita Nazareth
17日の米株式市場では、主要3株価指数がそろって小幅高。ただ、人工知能(AI)の先行きに伴う不確実性が引き続き市場を支配し、値動きは不安定だった。金と銀は大きく下げた。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 6843.22 | 7.05 | 0.10% |
| ダウ工業株30種平均 | 49533.19 | 32.26 | 0.07% |
| ナスダック総合指数 | 22578.38 | 31.71 | 0.14% |
S&P500種株価指数は前営業日の終値を挟み、方向感の定まらない展開だった。午前中に一時1%近く下げ、その後持ち直したが、引けにかけて上昇幅を縮めた。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は午前中の下げを埋めたが、ソフトウエア株に連動する上場投資信託(ETF)は2.2%下落した。
モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのクリス・ラーキン氏は「株式相場はなお過去最高値近くで推移しているが、このところ上昇局面が始まるとほぼすぐに急激な売りに押される展開が続いているため、一部の投資家はそう感じないかもしれない」と指摘。
「こうした状況が続いた場合、相場は全体的には上昇傾向であっても不安定になる可能性がある」と述べた。
ナベリア・アンド・アソシエーツのルイス・ナベリア最高投資責任者(CIO)は、ボラティリティーが高い現在の局面について、後に振り返れば買いの好機だったと見なされる可能性は高いと指摘。ただし、この局面がいつ収束するかを見極めるのは困難だと述べた。

ウェルズ・ファーゴ投資研究所のサミーア・サマナ氏は「テクノロジーと人工知能(AI)、マグニフィセント7が安定する必要がある。『まず売って、後で考える』という投資家の行動が減ることも求められる」と述べた。
CFRAのサム・ストーバル氏は、AIの脅威を背景にソフトウエア業界の銘柄が売られ、その後に資産運用や保険などに売りが広がってきた状況について、こうした売りが生み出す感情的な不安定さに巻き込まれないよう投資家に注意を促した。
「株式市場はこれまでの上昇分を消化する必要が大いにあったが、今その局面を迎えている」と同氏は述べた。
市場関係者は今週、米国の追加利下げ時期に関する手掛かりを得ようと、経済データのほか、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目することになる。
連邦準備制度理事会(FRB)のバー理事は、インフレ率がFRB目標の2%に向かっているとの証拠が追加で示されるまで、政策金利を据え置くべきだとの考えを明らかにした。
シカゴ連銀のグールズビー総裁はCNBCに対し、インフレ率が2%に向けて引き続き低下するのであれば、年内にさらなる利下げの余地があるとの見解を示した。
外為
ニューヨーク外国為替市場で、ドル指数は小幅に続伸。FRBは年内3回の利下げを実施できないとの見方が強まった。円は対ドルで153円92銭まで下げる場面があったが、その後は再び上昇して153円台前半での推移となった。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1183.30 | 0.35 | 0.03% |
| ドル/円 | ¥153.26 | -¥0.21 | -0.14% |
| ユーロ/ドル | $1.1854 | $0.0003 | 0.03% |
| 米東部時間 | 16時42分 |
複数の為替トレーダーらによると、ヘッジファンドはドル・ショートのポジションを同日に縮小した。トレーダーらは公に話す権限がないことを理由に匿名を条件に語った。
ストラテジストらの間では、インフレ指標を中心とした経済データを踏まえると、市場が想定するほどの利下げが実施されるかどうかは疑問だとの見方がある。
短期金融市場では年内に約60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き下げが織り込まれている。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%上昇し、およそ1週間ぶりの高値を付け、その後に上げ幅を縮小。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの市場戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は、経済成長の底堅さや、基調的インフレ率がFRB目標の2%を依然として上回っていることを挙げ、「フェデラルファンド(FF)金利の下げ見通しは行き過ぎており、短期的にドル高方向への再評価余地がある」と指摘した。
イェンス・ナービグ・ペデルセン氏らダンスケ銀行のアナリストは、1月の米雇用統計が市場予想より強い内容だったことを受け、今春に「保険的な」利下げを行う論拠は弱まったと分析。政策金利については、年内6月と9月に引き下げた後、2027年まで据え置くとの予想を示した。
ポンドは対ドルで0.5%下げ、6日以来の安値。一時は1%下落し、1ポンド=1.3496ドルを付けた。
英国の失業率が約5年ぶりの高水準に上昇し、賃金の伸びも鈍化したことを受け、イングランド銀行(英中央銀行)による追加利下げ観測が強まった。
米国債
米国債市場では20年債と30年債が買われ(利回り低下)、その他の年限は売られた。米景気は一段の利下げを正当化するほど減速しているかどうかを見極めたいとのムードが広がった。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.69% | -0.5 | -0.10% |
| 米10年債利回り | 4.06% | 1.0 | 0.23% |
| 米2年債利回り | 3.43% | 2.5 | 0.73% |
| 米東部時間 | 16時42分 |
10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、4.06%近辺。金融政策の見通しを反映しやすい2年債の利回りは約3bp上昇し、3.44%を付けた。
この日発表されたADP統計によれば、民間雇用者数は1月31日までの4週間に週平均1万250人増加した。米労働市場は引き続き安定しているとの見方から、年内の大幅利下げ観測が後退した。
関連記事:米ADP民間雇用者数、週平均1万250人増加-1月31日までの4週間
JPモルガン・アセット・マネジメントの債券ポートフォリオマネジャー、ケルシー・ベロ氏は「FRBは一連のデータを見て、実際に何か行動を起こすだけの確信は得られないと言うだろう」と述べた。
ゴールドマン・サックス・グループのチーフ為替ストラテジスト、カマクシャ・トリヴェディ氏は「労働市場は全体としてはなお軟化傾向にあるとみているが、最近のデータはかなり心強い内容だ」と、ブルームバーグテレビジョンで述べた。
原油
ニューヨーク原油相場は下落。米国とイランの核協議が進展している兆しを受け、織り込まれていたリスクプレミアムが縮小した。
イランのアラグチ外相は核合意の条件について、両国が「一連の指針原則に関する大筋合意」に達したと述べた。合意がまとまれば、制裁解除や中東での戦争リスク緩和につながる可能性がある。イランの交渉団は2週間以内に新たな提案を用意して協議のテーブルに戻ってくる予定だと、米当局者が明らかにした。
関連記事:米・イラン核協議、両国が進展を評価-軍事衝突の脅威後退し原油下落
協議が成功すれば、年初から世界的な原油供給の増加と相まって価格を押し上げてきた地政学的リスクプレミアムが、持続的に解消される可能性がある。
この進展を受け、相場は下げに転じた。協議終了前には、イランが軍事演習のためホルムズ海峡の一部を数時間閉鎖すると発表していた。しかし原油トレーダーの間では、実質的な混乱が生じることへの懐疑的な見方が広がっていた。米国も同地域に2隻目の空母を派遣している。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、前営業日比56セント(0.9%)安の1バレル=62.33ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.8%安の67.42ドル。
金
金スポット相場は大幅下落し、1オンス=4900ドルを下回った。ドル上昇を嫌気して売りが膨らんだ。アジアでは多くの市場が旧正月で休場となり、祝日に伴う薄商いとなった。
ドルは2日連続で上昇。中東の地政学的緊張に注目が集まり、株式市場全体にリスク回避の動きが広がったことが材料となった。
金スポットの力強い上昇は1月に加速したが、同月末に急落した。5595ドル超まで上昇した後、2日間で4400ドル近辺まで下落。その後はやや持ち直しているものの、価格変動の激しい状態が続いている。
フォレックス・ドット・コムの市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「今週の大半で中国が休場となっているため流動性は低下しており、価格を大きく押し下げるだけの勢いがあるのか、それともドルが再び軟化すれば押し目買いの動きが戻るのかは不透明だ」と指摘。「バリュエーションが歴史的な高水準にある中、安全資産のポジションを解消し、利益確定が進む可能性があり、短期的には下値余地がある」と述べた。
金現物の主要市場である中国とインドで、堅調な小売り需要が見られ、ここ数カ月の価格を支える主要因となっている。
インドの輸入統計によると、1月の金および銀の輸入額は記録的水準に迫った。金輸入額は120億ドル超と、月間としては過去3番目の高水準を記録した。

一方、BNPパリバやドイツ銀行、ゴールドマン・サックスなど多くの銀行は、金価格が再び上昇基調に戻ると予想している。金の着実な上昇を支えてきた要因は、今後も続く見通しだとしている。
ファハド・タリク氏らジェフリーズのアナリストはリポートで、「インフレとドルの価値希薄化という金を支える二大マクロ要因は健在だ」と指摘し、2026年の価格見通しを4200ドルから5000ドルへ引き上げた。これらの要因を懸念する投資家や中央銀行にとって「実質的な選択肢はハードアセットしかない」と語った。
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金スポット価格はニューヨーク時間午後2時52分現在、前日比109.75ドル(2.2%)安の1オンス=4882.33ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前週末比140.40ドル(2.8%)安の4905.90ドルで引けた。
原題:Stocks Whipsaw as AI Worries Linger on Wall Street: Markets Wrap
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