総選挙大勝後の高市政権の勢いが止まらない。20日に予定されている施政方針演説の中身がメディアで報道されている。消費減税に給付金付税額控除、予算の大胆な改革など「責任ある積極財政」に絡んだ施策がてんこ盛りのようだ。前政権がまとめた対米投資の第1号案件も決まった。トランプ氏がSNSで発表している。おまけに来年度予算の年度内成立を目指す意欲も表明している。そんな中で筆者が注目したのは、Bloombergが今朝配信した以下の記事だ。「超長期国債先物が復活、海外勢参戦で建玉急増-金利変動リスクに備え」。アベノミクスで開店休業が続いていた超長期国債市場に復活の兆しが出ているというのだ。マーケットに強い日経新聞が同様の記事を書いているかどうか確認してない。同紙はいまやアンチ高市勢力の筆頭格だ。おそらくこうした動きを快く思っていないだろう。積極財政は金利のある世界を復活させ、市場を活性化するのだ。
Bloombergの記事を引用しよう。「長らく休眠状態にあった日本の国債先物が、超長期国債へのエクスポージャーを拡大する海外投資家にとって金利変動リスクのヘッジやポジショニングの有力な手段として再浮上している」。高市政権の責任ある積極財政に便乗できない国内勢が、財政危機加速などとしのごの言っているうちに、機を見るに敏な外国勢が債券市場を復活させている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、「建玉の増加は流動性の改善と投資家層の広がりを示している」と話す。金利のある世界になれば市場のボラティリティーも高まる。「先物本来のヘッジニーズがあってもおかしくない」。自然の流れだ。クレディ・アグリコル証券の松本賢マクロストラテジストは、「超長期債への海外資金流入は今後も続く」と予想する。主要メディアは長期金利の急激な上昇を危険な兆候と煽る。そんなメディアの無知を無視するかのように松本氏は、「金利は魅力的な水準になってきている」と指摘する。
アベノミクスで異次元緩和に取り組んだガラパゴス・日本。今度は金利のある普通の世界を目指す。世界の投資家にとってはこれが当たり前。だが国内の旧来からの支配勢力にはこれが理解できない。日本の先行きは危険だ危険だと喧しい。高市総理は今年最初の記者会見で次のように述べている。「呪縛から解放し、停滞していた日本を再び成長軌道に乗せる」と。呪縛とは何か。失われた30年を貫いた経済成長の放棄と、財政健全化とういザイム真理教の“教義”だ。この教義を年老いた政治ジャーナリスト、官僚やエコノミストの一部がいまだに信じている。国民は呪縛の存在に気付いたのだろう。だから3分の2を超える議席を自民党に与えた。その自民党にもいまだに教義の信者が大勢いる。高市総理の突然の解散は、こうした信者の排除が秘められた目的だったかもしれない。意に反して大半の信者は議席を維持した。でもそれがまた総理の暴走を阻止する役割を担うかもしれない。天が配慮した配剤だとすれば、それもまた面白い。
