- 輸入数量の変化を考慮していない、「恥ずべきものだ」-ハセット氏
- 関税の約90%は米企業・消費者が負担-NY連銀報告

米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、米企業が関税負担の大半を負っているとするニューヨーク連銀の調査リポートについて、「恥ずべきものだ」と述べ、関係者は「処分されるべきだ」と批判した。
ハセット氏は18日、経済専門局CNBCの番組で、ニューヨーク連銀は「多くの党派的な報道を生んだ結論を公表したが、その分析は初歩的な経済学でも受け入れられないようなものだ」と指摘。関税によって米消費者の状況は改善されるとの見方を示した。
ハセット氏の発言は、トランプ大統領が自身の意に沿わない経済分析を攻撃してきた一連の事例に沿うものだ。
トランプ氏は昨年8月、ソーシャルメディアへの投稿で、ゴールドマン・サックス・グループのソロモン最高経営責任者(CEO)に対し、「新しいエコノミストを雇うべきだ」と述べた。これは、同社チーフエコノミストのヤン・ハッチウス氏率いる調査チームが、関税コストの大半は最終的に米消費者が負担することになるとのリポートを公表した直後のことだった。
その2週間足らず前には、労働統計局(BLS)が弱い雇用の伸びを示す統計を発表してから数時間後、当時のマッケンターファー局長をトランプ氏が解任していた。
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先週公表されたニューヨーク連銀の調査リポートによると、2025年における関税の経済的負担の約90%は米企業と消費者が負っていた。
ニューヨーク連銀およびワシントンの連邦準備制度理事会(FRB)報道担当者はコメントを控えた。
同リポートによれば、年初から8カ月間で関税コストの約94%が米企業と消費者に転嫁された。11月時点では海外の輸出業者の負担はやや増え、10%の関税は輸出価格の1.4%下落と関連していたが、それでも転嫁率は86%に達していた。
メアリー・アミティ、クリス・フラナガン、セバスチャン・ハイゼ、デービッド・E・ワインスタイン4氏は「われわれの分析結果は、関税負担の大部分が引き続き米企業と消費者にのしかかっていることを示している」とリポートで記した。「本稿で示された見解は著者のものだ」とし、必ずしもFRBの立場を反映するものではないとの一般的な免責条項も付されていた。
他の調査
ニューヨーク連銀の分析結果は、他の研究者の結論とも一致している。ハーバード大学のギータ・ゴピナート氏とシカゴ大学のブレント・ナイマン氏は「関税の米輸入価格への転嫁率はほぼ100%であり、米国がコストの大部分を負担している」と指摘した。
米議会予算局(CBO)も関税の影響に関する推計を公表した。それによると、関税コストの5%は海外の輸出業者が吸収するとされる。米国内で負担される分のうち、30%は企業が吸収し、70%は消費者に転嫁されるとCBOは指摘した。
ドイツのキール研究所の研究者による別の調査は、2025年の関税を米国にとっての「オウンゴール」と位置付けた。著者は「米国の輸入業者と消費者がコストのほぼ全てを負担している」と結論付け、「海外の輸出業者が吸収するのは関税負担の約4%に過ぎず、残る96%は米国の買い手に転嫁されている」と指摘した。
ハセット氏は、価格の動きに焦点を当て、輸入数量の変化を考慮していないとして、ニューヨーク連銀の研究を批判した。
さらに「モノを国内に戻し、国内で需要を生み出せば、中国に打撃を与え、米国の賃金を押し上げることになる。そして米消費者の状況はより良くなる」と述べた。
ハセット氏は次期FRB議長の有力候補と目されていたが、トランプ氏は1月30日、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を指名すると発表した。ウォーシュ氏の就任には上院の承認が必要となる。
原題:Hassett Attacks NY Fed for Study on Tariff Burden Hitting US (1)(抜粋)