▽トランプ氏主導の平和評議会、170億ドルの拠出表明受ける-ガザ支援<bloomberg日本語版>2026年2月20日 at 12:29 JST

  • 7カ国以上がガザの安定化部隊への人員派遣を約束した-トランプ氏
  • 米国が100億ドル、他の参加国が計70億ドルを拠出-初会合で発表
パレスチナ人の難民キャンプを見下ろす丘を歩く子ども(ガザ地区ハンユニス、2月14日)
パレスチナ人の難民キャンプを見下ろす丘を歩く子ども(ガザ地区ハンユニス、2月14日)Photographer: Bashar Taleb/AFP/Getty Images

Kate SullivanEric Martin

トランプ米大統領は、自ら主導する「平和評議会」に対し、パレスチナ自治区ガザの人道支援と復興に向けた取り組みとして約170億ドル(約2兆6000億円)の拠出表明があったと明らかにした。また、7カ国以上がガザの安定化部隊への人員派遣を約束したという。

  この発表は、19日にワシントンで開催された平和評議会の初会合で行われた。トランプ氏によれば、米国が100億ドル、他の参加国が計70億ドルを拠出する。ホワイトハウスは、米拠出金の財源に関する質問に対し、直ちには回答しなかった。武装解除を拒否するイスラム組織ハマスからガザの統治権をいかに確保するかという大きな課題は残っている。

  トランプ氏は「責任ある主権国家が協力し、足元の地域で起きている問題に自ら責任を持って立ち向かうためのモデルを提示している」と強調。「この日発表されたコミットメントにより、平和評議会は単に各国を招集するだけでなく、実効性のある解決策を立案・実施することを証明している」と述べた。

  平和評議会は、和平の仲介役として自身の評価を高めようとするトランプ氏の試みだ。同氏は海外の紛争に深入りしないとの公約を掲げて当選し、少なくとも8つの戦争を終結させたと重ねて主張している。一方、今回の会合は、米軍がイラン攻撃を想定してペルシャ湾に集結している局面にあり、ベネズエラのマドゥロ大統領拘束を狙った大胆な軍事作戦を命じた数週間後というタイミングで行われた。

  トランプ氏はこの日、安定化部隊がガザの統治権をハマスからどのように掌握するのか、また資金の使途について多くを語らなかった。トランプ氏は、ハマスが「武装解除する」と予測し、拒否すれば「厳しい対処」に直面すると警告した。

  同氏によれば、インドネシア、モロッコ、アルバニア、コソボ、カザフスタンが軍や警察を派遣し、エジプトとヨルダンが「信頼できるパレスチナ警察部隊」の要員派遣と訓練を行う。

また、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、カザフスタン、アゼルバイジャン、モロッコ、バーレーン、ウズベキスタン、クウェートなどが「総額70億ドル強の支援パッケージ」を約束したとした。さらに、日本がガザ支援のための資金調達会合を計画していることにも言及した。

  一方、トランプ氏の発言には、平和評議会の構想を危うくしかねない、政策上の深い溝や個人的な不満がにじみ出ていた。トランプ氏はノルウェーが将来的に会合の開催地になると発表した後、自身にノーベル平和賞が授与されなかったことを巡り、同国政府を皮肉った。

  評議会設置は元来、ガザのための「20項目の和平案」の一環として提案されたもので、戦後の安定化と復興を監督する役割を担う。ハマスの武装解除を巡る不確実性や、紛争で荒廃した地域のがれき撤去・再建費用など課題は多いものの、トランプ氏はガザ再建を約束した。

  この日の会合を受け、ハマスのカセム報道官は、評議会の「姿勢と決定の真価」はイスラエルに対して「停戦違反の停止」を迫り、「約束の履行」や「真の復興支援・再建プロセス」を開始できるかどうかにかかっていると述べた。

  評議会でガザ運営を担う実務委員会の責任者アリ・シャアス氏は、まず5000人の警察官を訓練し、60日以内にガザに配置することを目指すと述べた。ガザの安定化部隊を率いる米陸軍のジャスパー・ジェファーズ少将は、部隊をまずラファ地区に展開すると説明。長期的には警察官1万2000人、兵士2万人の体制を目指すという。

原題:Trump Heralds Billions in Aid, Troop Commitments for Gaza (3)(抜粋)

▽トランプ氏主導「平和評議会」、ガザ復興70億ドル確保 安定化部隊に5カ国参加<ロイター日本語版>2026年2月20日午前 12:35 GMT+9

Trevor HunnicuttSimon LewisSteve Holland

トランプ氏主導「平和評議会」が初会合、ガザ復興に70億ドル超拠出へ

[ワシントン 19日 ロイター] – トランプ米大統領は19日、ワシントンで「平和評議会」の初会合を開催し、パレスチナ自治区ガザの復興と支援のために加盟国が70億ドルを超える資金の拠出を確約したと発表した。会合には47カ国の代表者が出席。ただ、米国の主要同盟国の一部が参加していないほか、ガザの治安維持にあたる国際部隊を巡る計画やイスラム組織ハマスの武装解除など多くの課題を抱える中での立ち上げとなった。

トランプ大統領は冒頭の演説で「ガザの適切な統治の実現にコミットする」とし、米国として100億ドルを拠出する方針を表明。ただ、この資金の出どころについては明らかにせず、議会に承認を求めるかについても言及しなかった。

また、国連が人道支援のために20億ドル、国際サッカー連盟(FIFA)がガザにおけるサッカー関連プロジェクト向けに7500万ドルをそれぞれ提供すると明らかにした。

トランプ氏は ハマスの武装解除について、武力行使が必要にならないことを期待するとした上で、ハマスが武装解除を約束しており「彼らはそうするつもりのようだが、実際にどうなるかはこれから見極める必要がある」と述べた。

ガザ地区の治安を維持する国際安定化部隊(ISF)については、 インドネシア、モロッコ、カザフスタン、コソボ、アルバニアの5カ国が要員派遣を表明したと明らかにした。 同部隊の司令官を務める米軍のジェファーズ少将によると、ISFはまずガザ南部のラファに展開され、警察を訓練する計画で、エジプトとヨルダンが訓練を担うことを約束している。長期計画としては、ISFに2万人を動員し、警察官1万2000人を訓練するという。

<中東諸国中心、米国の主要同盟国は参加に慎重>

トランプ大統領によると、ガザ復興に向け70億ドルの資金拠出を確約したのはカザフスタン、アゼルバイジャン、アラブ首長国連邦(UAE)、モロッコ、バーレーン、カタール、サウジアラビア、ウズベキスタン、クウェートなど。評議会の参加国は中東諸国が大半を占めている。イスラエルは参加しているものの、パレスチナの代表は含まれていない。

また、トランプ氏が平和評議会は将来的にガザ以外の課題にも対処する可能性に言及したことで、国連が世界的な紛争解決に果たす役割が損なわれるとの懸念が出る中、米国の主要同盟国は参加に慎重な姿勢を示している。

トランプ氏はこうした懸念の緩和に向け「われわれは国連を強化し、関連施設を良好な状態に維持する。国連は支援を必要としている。資金面で支援し、国連の存続を確実にする」と言明。ただ、米国は国連分担金の支払いが滞っているのが実情だ。

このほかトランプ氏は、ノルウェーが平和評議会のイベントを主催すると述べたものの、ノルウェーは平和評議会に参加しないと明言。フランスは、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が平和評議会の初会合に委員を派遣したことに驚きを表明するなど、足並みはそろっていない。

<国際安定化部隊(ISF)>

トランプ大統領はISFが最終的にガザの治安維持にあたるとし、複数の国がISFに数千人規模の部隊を派遣すると確約したと表明。インドネシアのプラボウォ大統領は、最大8000人の部隊を派遣すると発表した。

ISFは米軍の将官が指揮し、インドネシアの将官が副司令官を務める。ハマスの武装解除が実現しない中でもイスラエルが管理する地域から活動を開始する計画で、まずガザ地区最南部のラファから展開する。

<ハマス武装解除が鍵>

ハマスはイスラエルによる報復を警戒し、昨年10月に発効した停戦を導いたトランプ氏の「20項目のガザ計画」の一環として武器を引き渡すことに慎重な姿勢を崩していない。

トランプ氏はハマスの武装解除のために武力を行使せざるを得ない事態は避けたいとした上で、「ハマスの武装解除は確約通りに進むようだが、今後見極めなければならない」と言及。こうした中、ハマスのハゼム・カッセム報道官は「イスラエルに停戦違反をやめさせ、真の支援活動と再建プロセスを開始するできるかが、平和評議会の試金石となる」との声明を発表した。

2年以上に及ぶ戦闘で廃墟となったガザの再建費用は、最大700億ドルにのぼるとの試算もある。

ルビオ米国務長官は、トランプ大統領が主導する平和評議会の取り組み以外にガザを巡る「プランBはない」と強調。「われわれはこれを正しく理解する必要がある。プランBとは戦争に戻ることで、誰もそれを望んでいない」と述べた。

▽平和評議会初会合、トランプ氏は各国首脳に「お世辞外交」展開<ロイター日本語版>2026年2月20日午前 9:24 GMT+9

Bo EricksonTrevor HunnicuttGram Slattery

平和評議会初会合、トランプ氏は各国首脳に「お世辞外交」展開

[ワシントン 19日 ロイター] – トランプ米大統領は19日、パレスチナ自治区ガザの暫定統治機関「平和評議会」の初会合を首都ワシントンで開催した。

ただトランプ氏が最も重要なガザ問題に言及したのは自ら演説を開始してから25分も経過した後で、発言の大半は出席した各国首脳の容姿や力強さ、富などを「褒める」ことに費やした。普段は甘い顔と強面(こわもて)を使い分けてディール(取引)を迫るトランプ氏だが、出席者の目には同氏のこの会合での振る舞いはかつてないほど楽しげに見えたようだ。

トランプ氏は会合に参加した首脳だけでなく国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティーノ会長の名前まで読み上げ、彼らはそろってステージ上でトランプ氏の左右に並んだ。テーブルの上に赤い「MAGA」の帽子を置いた向きもあった。

パラグアイのペーニャ大統領についてトランプ氏は「若くてハンサムな男だ、若くてハンサムなのは常に素晴らしい」などと賛辞を贈った。

またインドネシアのプラボウォ大統領に対しては「タフな顔つき」を見るよう観衆に促した。

一方でトランプ氏は、平和評議会が国連をしのぐ存在になる可能性も示唆している。

同氏は「平和評議会はほとんど国連を見下ろす立場になる。国連は助けを必要としている」と強調した。

また初会合が開催された米平和研究所が最近、自身の名を冠する形に改称されたことに関してトランプ氏は、ルビオ国務長官が仕掛けた「サプライズ」だったと明かした。