▽トランプ氏、全世界に10%追加関税へ 最高裁の違法判断「深く失望」<ロイター日本語版>2026年2月21日午前 3:29 GMT+9

Gram SlatteryAndrea ShalalDavid Lawder

トランプ氏「深く失望」、最高裁の違法判断 全世界に10%の追加関税へ

[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領は20日、連邦最高裁が違法と判断した広範な関税措置の一部に代わる措置として、150日間にわたり全世界に10%の追加関税を課すと表明した。1974年の通商法122条に基づくもので、現在課されている関税に上乗せされるとした。約3日後に発効すると見られている。

米連邦最高裁は同日、トランプ大統領が非常事態権限に基づいて発動した広範な関税措置を違法とする判断を下した。トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、議会の承認なく関税を発動することは、大統領権限を逸脱しているという下級審の判断を支持した。

トランプ大統領は記者会見を開き、最高裁の判断に「深く失望した」と述べた。さらに、最高裁の一部判事について「心から恥じている」とし、最高裁は外国の利益に左右されていると批判した。

その上で、関税に関し「より強力な手段を講じることができる」とし、「代替手段がある。素晴らしい代替手段だ」と言明。「より多くの資金を得られる。われわれはより強くなるだろう」と述べた。

また、政権が「他の国や企業による不公正な貿易慣行から米国を守るため」に通商法301条に基づき、不公正貿易慣行に関する複数の調査を開始すると明らかにした。

<迅速な調査>

通商法122条は大規模、かつ深刻な国際収支を巡る問題に関連して、あらゆる国を対象に最大15%の関税を最長150日間課す権限を大統領に与えるもので、調査手続きなどは課されていない。

トランプ氏は、関税強化につながる調査は150日で完了できると言及。通商法232条(国家安全保障を理由とする調査)や301条(不公正貿易慣行の調査)を利用して関税をさらに引き上げる可能性について「関税率は高くなる可能性がある。状況次第だ。われわれが望む水準になる」と述べ、「長年にわたり米国をひどく扱ってきた国」には一段と高い関税が課される可能性があると述べた。ただ、そうではない国に対しては「極めて合理的な水準」になると語った。

<関税の返還問題は訴訟へ>

ペンシルベニア大学ウォートン校の予算モデル研究チームによると、最高裁の判断を受け、過去1年間で徴収された約1750億ドルの関税収入が返還対象になる可能性がある。

トランプ氏は、IEEPAに基づいて徴収した関税を返還するかとの質問に対し「向こう2年間にわたる訴訟になる」と指摘。迅速、かつ自動的に返還手続きが行われる可能性は低いとの見方を示した。