トランプ大統領

コーン氏に続いてティラーソン氏。中間選挙を控えたトランプ政権は経済、外交と相次いで司令塔を交代させるギャンブルに打って出ました。今週さらに重要人員の交代がありそうだとニューヨーク・タイムズは報じています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

疲弊する市場

ティラーソン米国務長官の解任で、ドルの先行きはますます見通しにくくなるとの声が出ている。CIBCのライ氏は、穏健派がいなくなり「クドロー氏が加わる可能性、およびポンペオ氏のような外交政策のタカ派の政権入りは、ドルが引き続き守勢になることを示唆する」と分析。エバコアISIのヘインズ氏は「スタッフの離職、政権の不安定さが続けば、市場はある段階で疲れ果てるかもしれない」と指摘した。

批判的

ゲーリー・コーン氏の後任として米国家経済会議(NEC)委員長候補に有力視されているラリー・クドロー氏について、トランプ大統領は「関税措置に同意している」と称賛。しかしクドロー氏は3日付のコラムで、「低所得層に対する逆累進課税」だと批判。「関税がもたらす影響を過去にさかのぼってトランプ氏は検証するべきだ」と論じていた。

 2つの首脳会談

トランプ大統領に次期国務長官に指名されたポンペオ中央情報局(CIA)長官は、1月の時点では北朝鮮が「威圧」目的で兵器使用を追求していると批判していた。しかし11日のFOXニュースのインタビューでは、米朝首脳会談が実現する可能性が出てきたことを「本物の功績だ」と称賛。大統領の意向に沿う姿勢に切り替えている。一方で安倍首相はトランプ米大統領と緊密に連携しつつ、日朝首脳会談の実現可能性を探る方向だと共同通信が報じた。

共和党の気分次第

13日夜に大勢が判明する見通しのペンシルベニア州下院補欠選挙は、株式市場の今後を占う上で見逃せない。RBCキャピタル・マーケッツによれば、共和党支持者のセンチメントとS&P500種の相関性はこの16カ月、89%となっている。株式戦略責任者のローリ・カルバシナ氏は「最近の動きからは、株式相場にとって問題となりそうな状況が示されている」と述べた。

立ち往生

米朝首脳会談が実現するとして、ゲーム理論的なアプローチでそれを分析すると、状況が改善するより悪化する余地の方が大きいという話しに終わりそうだ。チェスでいえば、何をどう指しても負けが見えている状況だ。直接対話という手は事態をむしろ悪化させかねない。その中でも最善の道は中国を介してのものになるだろうと、タイラー・コーウェン氏はコラムで論じた。

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