[ワシントン 22日 ロイター] – トランプ米大統領は22日、中国の知的財産権侵害を巡り、最大600億ドル規模の中国製品に対し関税を課すことを目指す大統領覚書に署名した。覚書を受け、米通商代表部(USTR)は関税対象となる中国製品の品目リストを作成する。ハイテク製品を中心に約1300品目となる見通し。その後、審査期間も設け、業界ロビイストや議員らに意見を求める。最終的な関税措置の実施はその後となる。
中国が今回の措置に対し反応する余地も設け、中国が即時に報復措置に動くリスクを低減させる。トランプ大統領は覚書署名にあたり、中国を「友好国とみなしている」とし、「中国と対話を持っており、交渉は継続中だ」と語った。同時に、不公正な貿易が米国の雇用喪失の主因との考えを再表明した。
トランプ大統領の署名前、ホワイトハウス高官は関税対象となる中国製品は500億ドル相当との試算を示していた。トランプ大統領が発表した600億ドルとの開きについて説明はない。トランプ大統領はさらに、中国からの対米投資を制限する措置を提案するよう米財務省に求める。関税および投資制限は、中国の知的財産権侵害を巡るUSTRの調査をもとに通商法301条に基づき発動された。
米政府はまた、世界貿易機関(WTO)に対し、中国の知的財産権侵害について提訴する。ただ、WTOを通じ問題の解決を求めることで、貿易戦争の回避につながる可能性もある。