[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で円高が進行し、対ドルで一時105.23円と3月2日以来の高値をつけた。その後も105円台前半で推移。貿易摩擦への不安が広がり米国株が急落するなか、リスク回避の円買いが入る展開となった。
 

トランプ米大統領は中国の知的財産権侵害を巡り、最大600億ドル規模の中国製品に対し関税を課すことを目指す大統領覚書に署名した。覚書を受け、米通商代表部(USTR)は関税対象となる中国製品の品目リストを作成する。その後、審査期間を設け、業界ロビイストや議員らに意見を求める。最終的な関税措置の実施はその後となる。

コモンウエルスFX(ワシントン)の首席市場ストラテジスト、オマー・エジナー氏は「世界的に再びリスクオフの動きとなった。貿易摩擦を巡る懸念が要因とみられる」と述べた。こうしたなか、中国の世界貿易機関(WTO)大使を務める張向晨氏は、米国の関税に対し幅広い方策を用意しているとし、保護主義に立ち向かう考えを表明。同時に引き続き米国との対話に期待感を示した。

円はユーロEURJPY=に対しても上昇し、129.87円をつけた。主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.03%高の89.80。ポンド/ドルGBP=は一時1.42ドルを超えて値上がりしたものの、その後高値から押し戻された。市場では金利上昇が非常に緩やかなペースにとどまるとの見方が広がった。