財務省の決裁文書の改ざん問題で佐川前国税庁長官は27日の証人喚問でみずからの関与などについて証言を拒み、真相は明らかになりませんでした。財務省は、組織の立て直しに向け内部調査を急ぐ考えですが、このままでは真相を解明できない状況が長期化しかねず、自浄能力が厳しく問われる事態となっています。

「森友学園」をめぐる決裁文書の改ざん問題で衆参両院の予算委員会は27日、佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問を行いましたが、佐川氏は改ざんの経緯やみずからの関与などについて証言を拒みました。佐川氏は、改ざんの真相解明について「それはまさに裁判、司法のことになる」とも答え、刑事訴追の可能性を理由に一貫して問題の核心への言及を避けました。

財務省は、内部調査で全容を明らかにし、組織の立て直しを急ぎたい考えですが、理財局や近畿財務局の職員らへの聴き取り調査は証言が食い違うなど難航しています。さらに問題のキーパーソンである佐川氏が核心部分の証言を拒んだことで、このままでは真相を解明できない状況が長期化しかねず、組織の自浄能力が厳しく問われる事態となっています。