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1株100-105スイス・フラン前後で最大約1兆円相当の持ち分目指す
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105スイス・フランであれば2月7日の株価終値を16%上回る水準
ソフトバンクグループはスイスの再保険会社スイス・リーの株式取得で合意に近づいている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。協議が部外秘であることを理由に匿名で語った。交渉価格に基づくスイス・リーの評価額は最大370億スイス・フラン(約4兆1300億円)。
これら関係者によると、ソフトバンクはスイス・リー株を1株100-105スイス・フラン前後で25%取得することで交渉している。105スイス・フランであれば、両社が交渉中とした米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道をスイス・リーが正しいと認める前の2月7日の終値を16%上回る水準で、25%持ち分は約96億ドル(約1兆300億円)に相当する。
関係者らによれば、取得条件は流動的で変更されるかもしれず、破談となる可能性もある。28日のスイス・リーの株価終値は、1.3%上昇し95.16スイス・フラン。ソフトバンクはコメントを控えた。スイス・リーの担当者にコメントを求めたが、これまでに返答はない。
株取得が実現すればソフトバンクの孫正義社長は、再保険ビジネスからの健全なキャッシュフローで巨大複合企業を強化するウォーレン・バフェット氏など財界の大立者の足跡をたどることになる。ソフトバンクは配車サービスや半導体製造、オフィスシェアリングなどの分野の企業への出資を進める一方で、世界最大のプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資基金に向け、予定した1000億ドルのうち930億ドルを調達した。