東京労働局長が記者会見で「皆さんのところに行って是正勧告してあげてもいいんだけど」などと発言したことを受け、野党5党の国会議員は2日、局長と面会しました。局長は「非常に不適切な発言で申し訳なく思う」と謝罪しました。

厚生労働省東京労働局の勝田智明局長は、先月末の記者会見で、労働局が去年12月に野村不動産の社長に対し、裁量労働制を不正に適用していたとして特別に指導したことを問われ、「何なら皆さんのところに行って是正勧告してあげてもいいんだけど」などと発言しましたが、その後、撤回し、厚生労働省の蒲原事務次官から口頭で厳重注意を受けました。

こうした中で、立憲民主党など野党5党の国会議員は2日午後、東京労働局を訪ね、勝田局長と面会し、発言の真意などをただしました。このあと、勝田局長は記者団に対し、「威圧するような形で受け取られたのは本意ではなく、いろいろなところに是正勧告などが行われていることをわかりやすく説明しようとして言葉が不適切になった。非常に不適切な発言で申し訳なく思う」と謝罪しました。

東京労働局は去年12月、野村不動産の社長に対して、企業の中枢部門で経営に関わる企画の立案などにあたる人を対象にした企画業務型の裁量労働制を、営業活動などにあたる一般職の社員に適用していたとして、是正を図るよう特別に指導しています。

希望 山井議員「法案審議の前提が崩れた」

希望の党の山井衆議院議員は「発言は報道機関への圧力以外のなにものでもなく、日本の労働行政の信用は地におちた。『虚偽データ問題』に続き、報道機関に対する圧力発言があった中で、働き方改革関連法案の審議の前提が崩れていると言わざるをえない」と述べました。