【ソウル時事】北朝鮮を訪れている韓国芸術団は1日夜、平壌市内の東平壌大劇場で公演を行った。金正恩朝鮮労働党委員長と李雪主夫人をはじめ、金正恩氏の妹、金与正党第1副部長、金永南最高人民会議常任委員長らが観覧した。同行取材団が伝えた。
聯合ニュースによれば、北朝鮮最高指導者が韓国芸術団の公演を直接、鑑賞したのは初めて。4月27日開催の南北首脳会談を念頭に、韓国芸術団を厚遇し、融和ムードを盛り上げる狙いがあるとみられる。金正恩氏は出演者とあいさつを交わした際、「文化・芸術公演を頻繁に行わなければならない」と強調。「南側が『春が来た』というタイトルで公演したので、(北朝鮮側が)『秋が来た』という公演をソウルでやろう」と述べ、北朝鮮芸術団による今秋の韓国公演を提案したという。
1日、平壌で、公演前のリハーサルを終えて撮影に応じる韓国女性グループ「レッドベルベット」(AFP=時事)
公演は女性アイドルグループ「少女時代」のソヒョンさんが司会を務め、チョー・ヨンピルさんや女性グループ「レッドベルベット」らが歌や踊りを披露した。この日の公演は当初、午後5時(日本時間同5時半)開始予定だったが、北朝鮮側が「より多くの観覧客の便宜を図るため、遅らせてほしい」と申し入れたため、開演が遅れた。金正恩氏らの観覧準備に時間を割いたためとみられる。3日には南北芸術団の合同公演が予定されている。金正恩氏は「本来、3日の公演を見ようとしたが、別の日程が入ったため、本日の公演に来た」と話したという。