• 韓国株ウエートは4%以下へ低下、サムスン電子などの減少響く
  • テクノロジー株のポジションは縮小、さらに低下の可能性も

韓国と北朝鮮の11年ぶりの首脳会談が迫る中でも、テンプルトン・グローバル・アドバイザーズのノーマン・ボースマ最高投資責任者(CIO)は朝鮮半島の地政学リスクに対する楽観ムードにくみしない。それは韓国株と、韓国株への影響力が大きいテクノロジー株についても同様だ。

テンプルトンの韓国株の保有比率は数年前のピーク時に6%だったが、現在は4%以下へ低下。ボースマ氏によると、ウエートを減らした大きな理由はサムスン電子を含む世界的なテクノロジー株に対する弱気スタンスだった。韓国株に対する投資判断は、歴史的な政治イベント以上にテクノロジー株の動向が鍵を握っている。

300億ドル(約3兆2640億円)を運用するボースマ氏は23日、東京都内でインタビューに応じ、北朝鮮情勢について「われわれは少し注意する必要がある。全ての出来事はポジティブだが、まだ初期段階。行われているのは話し合いだけで、具体的なものは何一つない」と指摘した。27日午前に予定される韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の南北首脳会談では、約70年に及ぶ戦争の終結が正式に宣言される可能性がある。

テンプルトンでは昨年から、グローバルでテクノロジー株に対するポジションを縮小させている。「サムスン電子だけでなく、他のテクノロジー株も結構保有していた。しかし、成長期待に対するバリュエーションに見合う形で減らしてきた」と、ボースマ氏は説明。同社のポートフォリオにおけるテクノロジーのセクターウエートは今後さらに低下する可能性がある、と言う。