アメリカを訪れているフランスのマクロン大統領は、アメリカ議会で演説し、地球温暖化対策やイランの核合意などをめぐってアメリカとヨーロッパとの間で立場が異なり、第2次世界大戦以降続いてきた国際協調の枠組みが危機にさらされているとして、改めてアメリカの理解と協力を求めました。
国賓としてワシントンを訪れているマクロン大統領は25日、アメリカ議会で上下両院の議員を前に英語で演説しました。
マクロン大統領はまず、18世紀にフランスがアメリカの独立を支援して以来、自由と民主主義の価値を共有してきた両国の特別な関係を強調しました。そのうえで、環境問題について「地球を破壊し、子どもたちの将来を犠牲にして生きていくことにどんな意味があるのか」と述べ、アメリカが離脱を決めた温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に復帰するよう強く訴えました。
また、アメリカが離脱する構えを見せているイランの核合意について、「われわれの目的は明確だ。将来にわたってイランに核兵器の保有を認めることはない」と述べ、フランスとしてもイランの核開発を阻止すると強調することで、アメリカに合意にとどまるよう改めて求めました。
マクロン大統領の演説は、第2次世界大戦のあと、アメリカとヨーロッパが築いてきた国際協調の枠組みが危機にさらされているという危機感をにじませ、改めてアメリカに理解と協力を求めるものとなりました。